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第六章 魔獣少女、最後の戦い
第49話 最終話 魔獣少女、その後
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フードコートに着くと、見知った顔を見つける。
「あれ? この屋台って!」
小さなお好み焼き屋で、アキさんが厨房に立っていた。黒いTシャツを着て。彼女は大学で授業をしつつ、こちらを手伝っているそうだ。
どおりで、今日は車で登校していなかったわけである。
店の名前も、加瀬の名前が使われていた。
「わたくし、屋台からやり直すことにいたしましたの」
加瀬家を守りつつ、自身はお好み焼き屋を始めたらしい。そういえば、お祖父様がお好み焼き屋から事業を始めたと言っていたっけ。
「失敗するかもしれません。ですが、加瀬のやり方がそもそも失敗続きだったのです。それでも、おじいさまの教えに従って、自分の力で経営しようと思います」
イヴキさんは、わたしの母がやっているタコス屋をライバル視しているそうな。これは、あっと言う間に追い抜かれちゃうかも。
「アタシも、実家のバイク屋で働き始めたんだ」
マナさんは将来、レーサーを目指すそうだ。整備の仕事で手が汚れるから、ネイルはやめたという。
「でも、やっぱバイクは楽しいな。それにしてもアタシのバイク、他の人が乗ると動かなくなるんだよ。なんでかな?」
おそらくマナさんの使い魔だったユニコーンは、バイクに憑依したのかも。
「ヒトエは将来、白バイのドライバーになりたいんだろ? マラソンの警備とかしたいって。整備は任せろ」
「ありがとうマナさん!」
わたしたちは、それぞれの目標を語り合う。
ドラゴン巫女とケツアルカトル巫女の氷皇コンビは、巫女として今も活動している。このまま巫女として、この地を守り続けるという。
「私は、カウンセラーになります」
臨也さんは、人の悩みを着てあげる人になりたいとか。とはいえ、もっぱらアプリソフトに頼りきりだそうだ。
そのアプリ、もしかしてサキュバスが乗り移っているのでは? 臨也さんの使い魔は、サキュバスだったもんね。
「ユキちゃんは?」
「お姉ちゃんのバイトを手伝うよ。今まで苦労させたもん」
お好み焼きを食べ終えると、ユキちゃんは店頭に立つ。エプロンを借りて、呼び込みを始めた。
「おお、俺もやる! うっふ~ん、いらしゃ~い」
なんと、ヘカトンケイルまで客引きを始めたではないか。制服のスカートを、限界までたくし上げる。もともと短いから意味がないけど。大量に男性客を呼び込めたのはいいが、警備員さんに連れて行かれた。
「やれやれ。なにやってやがんだ、あのヤロウ」
バロール先輩が呆れている。
「先輩は、どうしたいんです? 人間になって」
「おいおい、もう同い年って設定だ。先輩はないだろ?」
「わたしからすれば、先輩ですよ。これで慣れちゃったので、今更タメ語で会話なんて無理です」
「しゃーねーなぁ」
呆れながら、バロール先輩はお好み焼きをつつく。
「そうだな。ヒトエの近くにいてやる。お前は危なっかしいから。オレサマが見てやらねえと」
「ありがとうございます」
「でも、心残りはある」
「なんです?」
「刀を失った。子種を得るチャンスだったんだが、オレサマも結局、女に転生しちまった」
魔獣と魔獣少女が結ばれればトラブルになりかねないからと、運営は魔獣をすべて女性に転生させたとか。
「でもまあ、これはこれで」
バロールが、わたしに抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと、何を発情してるんですか!?」
「いやだって、溜まってんだよ。いいだろ?」
「よくないです! 溜めないでくださいよっ!」
これじゃあ、魔獣少女時代と変わらなくない!?
「よし、ヤリたいことができた! オレサマ、男に性転換するぞ! ヒトエをヨメにする!」
「ヤリたちの字が違うから!」
だが数年後、バロール先輩はガチで性転換を済ませる。
バロール先輩と結ばれたわたしは、夫婦ともども白バイの警察官兼、大家族の母になるのだった。
(おわり)
「あれ? この屋台って!」
小さなお好み焼き屋で、アキさんが厨房に立っていた。黒いTシャツを着て。彼女は大学で授業をしつつ、こちらを手伝っているそうだ。
どおりで、今日は車で登校していなかったわけである。
店の名前も、加瀬の名前が使われていた。
「わたくし、屋台からやり直すことにいたしましたの」
加瀬家を守りつつ、自身はお好み焼き屋を始めたらしい。そういえば、お祖父様がお好み焼き屋から事業を始めたと言っていたっけ。
「失敗するかもしれません。ですが、加瀬のやり方がそもそも失敗続きだったのです。それでも、おじいさまの教えに従って、自分の力で経営しようと思います」
イヴキさんは、わたしの母がやっているタコス屋をライバル視しているそうな。これは、あっと言う間に追い抜かれちゃうかも。
「アタシも、実家のバイク屋で働き始めたんだ」
マナさんは将来、レーサーを目指すそうだ。整備の仕事で手が汚れるから、ネイルはやめたという。
「でも、やっぱバイクは楽しいな。それにしてもアタシのバイク、他の人が乗ると動かなくなるんだよ。なんでかな?」
おそらくマナさんの使い魔だったユニコーンは、バイクに憑依したのかも。
「ヒトエは将来、白バイのドライバーになりたいんだろ? マラソンの警備とかしたいって。整備は任せろ」
「ありがとうマナさん!」
わたしたちは、それぞれの目標を語り合う。
ドラゴン巫女とケツアルカトル巫女の氷皇コンビは、巫女として今も活動している。このまま巫女として、この地を守り続けるという。
「私は、カウンセラーになります」
臨也さんは、人の悩みを着てあげる人になりたいとか。とはいえ、もっぱらアプリソフトに頼りきりだそうだ。
そのアプリ、もしかしてサキュバスが乗り移っているのでは? 臨也さんの使い魔は、サキュバスだったもんね。
「ユキちゃんは?」
「お姉ちゃんのバイトを手伝うよ。今まで苦労させたもん」
お好み焼きを食べ終えると、ユキちゃんは店頭に立つ。エプロンを借りて、呼び込みを始めた。
「おお、俺もやる! うっふ~ん、いらしゃ~い」
なんと、ヘカトンケイルまで客引きを始めたではないか。制服のスカートを、限界までたくし上げる。もともと短いから意味がないけど。大量に男性客を呼び込めたのはいいが、警備員さんに連れて行かれた。
「やれやれ。なにやってやがんだ、あのヤロウ」
バロール先輩が呆れている。
「先輩は、どうしたいんです? 人間になって」
「おいおい、もう同い年って設定だ。先輩はないだろ?」
「わたしからすれば、先輩ですよ。これで慣れちゃったので、今更タメ語で会話なんて無理です」
「しゃーねーなぁ」
呆れながら、バロール先輩はお好み焼きをつつく。
「そうだな。ヒトエの近くにいてやる。お前は危なっかしいから。オレサマが見てやらねえと」
「ありがとうございます」
「でも、心残りはある」
「なんです?」
「刀を失った。子種を得るチャンスだったんだが、オレサマも結局、女に転生しちまった」
魔獣と魔獣少女が結ばれればトラブルになりかねないからと、運営は魔獣をすべて女性に転生させたとか。
「でもまあ、これはこれで」
バロールが、わたしに抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと、何を発情してるんですか!?」
「いやだって、溜まってんだよ。いいだろ?」
「よくないです! 溜めないでくださいよっ!」
これじゃあ、魔獣少女時代と変わらなくない!?
「よし、ヤリたいことができた! オレサマ、男に性転換するぞ! ヒトエをヨメにする!」
「ヤリたちの字が違うから!」
だが数年後、バロール先輩はガチで性転換を済ませる。
バロール先輩と結ばれたわたしは、夫婦ともども白バイの警察官兼、大家族の母になるのだった。
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