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古代都市編
第47話 デモ
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「ルミノイドは世界を滅ぼす!」
「亡くなった家族をかえせ!」
「マザーオーブは即刻解体しろ!」
暴走カーラの暴れた傷跡も生々しく残った公園に人々が集まり、プラカードを手にして抗議のシュプレッヒコールをあげていた。怒号と泣き声が混じり合い、バラバラのシュプレッヒコールは言葉になっていなかった。
中には頭や腕に包帯を巻いている人や、あの事件で亡くなった人の遺影を持っている人もいた。
ラウルスシティのセキュリティドローンが何台もデモをしている人の周りをぐるぐるしながら「ここでの集会は許可されていません! 解散してください!」と、警告を虚しく繰り返していた。
タクティカルルームのモニターでデモの様子を見たカーラは俯き、疲れたような顔で力無く呟いた。
「アクパーラ号の時と同じね……」
ノーマンがカーラの肩にそっと手を掛けた。
デモの中から何かが飛んできて、セキュリティドローンに当たるとカーンと甲高い金属音がした。拳大の石が地面の上を転がっている。
「キュポンキュキュ」
ドローンは一瞬、電子音を上げてふらついたが、すぐに元の体勢に戻った。
「セキュリティドローンへの攻撃は違法です、デモはすぐに解散しなさい! 解散しない場合は、規定に基づき、段階的排除措置を開始します! 繰り返します、すぐに解散しなさい!」
緊張のある声が大きく響いた。
セキュリティドローンのセンサーLEDが青から赤に変わった。
何十台ものセキュリティドローンが大衆を囲むと、電磁パラライザーの放電スティックをむけた。
「これは最後通告です。即座にデモを解散しなさい。解散しない場合、排除処置を行います。なお排除処置による物的、人的被害は補償しません」
ドローンの電磁パラライザーを見た高齢者や女性らは戸惑い、顔を見合わせて、プラカードを下そうとした、その刹那、また後ろから石が飛んできてドローンに命中した。その瞬間、男が飛び出してふらついているドローンを鉄パイプでたたき落とした。
地面に落ちたドローンに力任せに何度も鉄パイプを叩きつける。
デモを囲む別のドローンの電磁パラライザーがバチッと音を立てた。群衆の外縁で、女性の短い悲鳴が上がり、次の瞬間、その声は途切れた。人々が外側から、次々と倒れていった。
鉄パイプや投石で抵抗しようとする者もいたが、ドローンはぐるぐると回避運動をしながら電磁パラライザーを放つので、一番最初の投石以外は掠りもしなかった。
やがて、デモ隊のいた場所で動くものがいなくなった。
その日の夕方、テレビのニュースキャスターが神妙な顔つきで、デモ隊のニュースを告げた。
「今日、昼13:00頃、中央公園跡で反ルミノイド運動のデモが行われました。デモには約二百名が参加し、シュプレッヒコールを上げていましたが、中央公園での集会許可を取っておらず、さらに警備に当たっていたセキュリティドローンを破壊したために、当局に鎮圧されました。なお、当局は市民に対し、冷静な行動を呼びかけています」
ハンス・セラムは地下作業場の薄暗い休憩室で、ニュースを見ていた。狭い部屋にキャスターの声だけがやけに響いて聞こえる。
トレーに乗ったニュートリションペーストをちぎったパンで掬って口にした。ヨーグルトに似た味だが、薬っぽい後味が残る。
「あら、お食事中だったかしら?」
ふいに後ろから声がして、思わず振り返るとドアの前に女が立っていた。
女は30くらいの年齢で、金色の長い髪にワークウェアの胸元を肌けさせ、どこかこの場所と不釣り合いな印象を抱かせた。
「構わないさ、味わって食べる程の物じゃない」
「あら、そう? 今度ラウルスセンターホテルのディナーでも食べに行く?」
女はそういうと、口元だけで笑った。
「そうだな、全てが終わってからなら、行くのも悪くないな。ブツは出来ているよ」
ハンスは立ち上がると、部屋の隅の荷物の山に掛けられたカバーを引き剥がした。
「あら素敵! ちゃんと出来てるわね」
カバーを外すとそこには、鈍く黒い光を放つAK-47が山のように積まれていた。
「一応、納品書にサインはしてくれ」
「用意が良いわね」
女は『品名、機械部品』と書かれた納品書に『クイン・ムーア』とサインをした。
「あと、弾も一千発用意してある、そっちも忘れずに持っていってくれ。こいつはレーザーガンと違って弾がないと撃てないぞ」
「わかってるわ」
横の点けっぱなしのテレビからダコメ議員のインタビューの声が流れてきた。
テレビの中でダコメ議員は避難場所の確保に全力を上げている事と、ルミノイドは作るべきではなかったと話している。
クイン・ムーアはテレビを見て半目になると「お父様は甘いわ……」と呟いた。
「デモで逮捕者が大量に出たようだが、支障はないのか?」
「あら、あの人たちは戦力に数えていないから大丈夫よ? 心配してるの?」
「俺も明日からは一緒に行動するからな、戦力は多い方がいいだろう?」
クインはふっと笑うと、AK-47を手に取った。
「あの人たちにこれを持たせても、まともに撃てはしないわよ」
銃を構えて、ボルトアクションをするとそっと引き金に指をかける。
「バーン!」
壁に貼られたカーラの写真に向かって撃つ真似をすると、クインは満足そうに微笑んだ。
「亡くなった家族をかえせ!」
「マザーオーブは即刻解体しろ!」
暴走カーラの暴れた傷跡も生々しく残った公園に人々が集まり、プラカードを手にして抗議のシュプレッヒコールをあげていた。怒号と泣き声が混じり合い、バラバラのシュプレッヒコールは言葉になっていなかった。
中には頭や腕に包帯を巻いている人や、あの事件で亡くなった人の遺影を持っている人もいた。
ラウルスシティのセキュリティドローンが何台もデモをしている人の周りをぐるぐるしながら「ここでの集会は許可されていません! 解散してください!」と、警告を虚しく繰り返していた。
タクティカルルームのモニターでデモの様子を見たカーラは俯き、疲れたような顔で力無く呟いた。
「アクパーラ号の時と同じね……」
ノーマンがカーラの肩にそっと手を掛けた。
デモの中から何かが飛んできて、セキュリティドローンに当たるとカーンと甲高い金属音がした。拳大の石が地面の上を転がっている。
「キュポンキュキュ」
ドローンは一瞬、電子音を上げてふらついたが、すぐに元の体勢に戻った。
「セキュリティドローンへの攻撃は違法です、デモはすぐに解散しなさい! 解散しない場合は、規定に基づき、段階的排除措置を開始します! 繰り返します、すぐに解散しなさい!」
緊張のある声が大きく響いた。
セキュリティドローンのセンサーLEDが青から赤に変わった。
何十台ものセキュリティドローンが大衆を囲むと、電磁パラライザーの放電スティックをむけた。
「これは最後通告です。即座にデモを解散しなさい。解散しない場合、排除処置を行います。なお排除処置による物的、人的被害は補償しません」
ドローンの電磁パラライザーを見た高齢者や女性らは戸惑い、顔を見合わせて、プラカードを下そうとした、その刹那、また後ろから石が飛んできてドローンに命中した。その瞬間、男が飛び出してふらついているドローンを鉄パイプでたたき落とした。
地面に落ちたドローンに力任せに何度も鉄パイプを叩きつける。
デモを囲む別のドローンの電磁パラライザーがバチッと音を立てた。群衆の外縁で、女性の短い悲鳴が上がり、次の瞬間、その声は途切れた。人々が外側から、次々と倒れていった。
鉄パイプや投石で抵抗しようとする者もいたが、ドローンはぐるぐると回避運動をしながら電磁パラライザーを放つので、一番最初の投石以外は掠りもしなかった。
やがて、デモ隊のいた場所で動くものがいなくなった。
その日の夕方、テレビのニュースキャスターが神妙な顔つきで、デモ隊のニュースを告げた。
「今日、昼13:00頃、中央公園跡で反ルミノイド運動のデモが行われました。デモには約二百名が参加し、シュプレッヒコールを上げていましたが、中央公園での集会許可を取っておらず、さらに警備に当たっていたセキュリティドローンを破壊したために、当局に鎮圧されました。なお、当局は市民に対し、冷静な行動を呼びかけています」
ハンス・セラムは地下作業場の薄暗い休憩室で、ニュースを見ていた。狭い部屋にキャスターの声だけがやけに響いて聞こえる。
トレーに乗ったニュートリションペーストをちぎったパンで掬って口にした。ヨーグルトに似た味だが、薬っぽい後味が残る。
「あら、お食事中だったかしら?」
ふいに後ろから声がして、思わず振り返るとドアの前に女が立っていた。
女は30くらいの年齢で、金色の長い髪にワークウェアの胸元を肌けさせ、どこかこの場所と不釣り合いな印象を抱かせた。
「構わないさ、味わって食べる程の物じゃない」
「あら、そう? 今度ラウルスセンターホテルのディナーでも食べに行く?」
女はそういうと、口元だけで笑った。
「そうだな、全てが終わってからなら、行くのも悪くないな。ブツは出来ているよ」
ハンスは立ち上がると、部屋の隅の荷物の山に掛けられたカバーを引き剥がした。
「あら素敵! ちゃんと出来てるわね」
カバーを外すとそこには、鈍く黒い光を放つAK-47が山のように積まれていた。
「一応、納品書にサインはしてくれ」
「用意が良いわね」
女は『品名、機械部品』と書かれた納品書に『クイン・ムーア』とサインをした。
「あと、弾も一千発用意してある、そっちも忘れずに持っていってくれ。こいつはレーザーガンと違って弾がないと撃てないぞ」
「わかってるわ」
横の点けっぱなしのテレビからダコメ議員のインタビューの声が流れてきた。
テレビの中でダコメ議員は避難場所の確保に全力を上げている事と、ルミノイドは作るべきではなかったと話している。
クイン・ムーアはテレビを見て半目になると「お父様は甘いわ……」と呟いた。
「デモで逮捕者が大量に出たようだが、支障はないのか?」
「あら、あの人たちは戦力に数えていないから大丈夫よ? 心配してるの?」
「俺も明日からは一緒に行動するからな、戦力は多い方がいいだろう?」
クインはふっと笑うと、AK-47を手に取った。
「あの人たちにこれを持たせても、まともに撃てはしないわよ」
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