美しい箱庭で愛する人と暮らしたい。義妹よ邪魔をしないで下さい。

釋圭峯

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クリスマスの夜に

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「お父様、私はやはりフローレンス嬢が欲しいのです。サフィノワ伯爵に連絡を取っていただけませんか?」

「しかし、お前断られたんじゃ無かったのか?
私も家内も気に入ってるし良い女性だとは思うが。」

「はい、実は。。。」




◇◇◇◇◇




その頃フローレンスは実家へ手紙を書いていた。

クリスマスはこちらで過ごす事。一緒に送ったプレゼントをそれぞれに渡して欲しい事。

こちらの子爵家でクリスマスを過ごそうと思っている事などを認めた。

実はクリスマスはナタリーの家へ招待を受けている。国中がホリデーに浮かれる中、フローレンスが寂しい思いをしないようにとナタリーのお節介が発動した。

ナタリーは娘さんと娘さんのご主人とお孫さんが居るらしくお邪魔になると辞退をしたが、
「いいの、いいの細かい事は気にせずに来なさい。年寄りのお誘いを断る物では無いわよ。」とお茶目に笑いながら誘ってくれたのだ。

ナタリーのその気遣いをありがたく思いながら毎日壁画に向き合っていた。

「フローレンスさん、こちらの下書きが済んだのですが、他に手を加えたい所って有りますか?今なら出来ますよ?」とマックさんから声がかかった。

思い切って話してみた。

「マックさん、この図案はとても迫力のある良い構図だと思います。ただこの教会は家族連れも多く子供さんもいらっしゃいます。もし付け加えるのならこのマリア様の下に森や人々の暮らしを横に広げる形で描いて見ても良いのでは無いでしょうか?」と提案した。

「そう言われてみるとそうだな。フローレンスさん、下書きを任せてもいいか?」
「構わないですよ。付け加える部分はそんなに多くは無いですし。」

早速フローレンスは下書きを描き始めた。そんな様子をマックは温かい目で見守っている。

「まあこんな所か?フローレンスさん。」数時間後、マックさんに話しかけられるまで時間の感覚が全然なかった。

今はナタリーは孫のお守りと言ってここにはいない。

「あぁ、はい、こんな所ですね。」と体を壁から2~3メートルほど離し全体を眺めた。
思っていた事が全体に入って嬉しい。

にこにこ微笑んでいるとマックさんが、
「嬉しそうですねフローレンスさん。何だかこちらまで嬉しくなりますね。」と笑っていた。

「明日はクリスマスですので、僕はここへは来ません。もう年内に来る事は無いと思います。フローレンスさん良いクリスマスホリデーをお過ごしください。」とフローレンスにひと声かけるとそのまま帰って行った。

フローレンスは教会にいたサラに「私もそろそろ失礼します。今日はお疲れさまでした。」と一声かけるとサンダース家へ帰って行った。

「フローレンスさんお帰りなさい。」とリディア奥様が出迎えてくれている。

「只今戻りました。今日はこれからナタリーさんの所へお邪魔する予定なんですが、途中で手土産を買って行きたいと思うんです。奥様何かお勧めはありますか?」と聞いてみた。

「あぁ、ナタリーはお花が好きよ。ワインとお花の組み合わせ何てどうかしら?」とにこにこ笑いながら提案してくれた。

「良いですね。素敵だと思います。そうします。」と奥様に返事をした。
そうとなったら早めにここを出なければ。

急いで離れに行き体を拭くと、唯一持っていた一張羅の花柄のワンピースを着た。髪をハーフアップにまとめて、よそ行きの雰囲気を出した。少し口紅をさすと顔色が良く見えた。

急いで外套と手袋を身に付けると勢いよく扉を開いた。

離れから出るとリックさんが待っていた。「フローレンスさんナタリーさんの所まで送っていくよ。あと手土産も買うんだろ?いい店教えるよ。」と話した。

「そんな、こんな時にいいですよ。大丈夫です。」と断ったが「いや送って行くから。」とフローレンスの手を取ると離れから一気に表通りへ出た。

「リックさんもう手を放しても大丈夫ですよ。」とフローレンスが言うと「あっごめん。」と手を離した。
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