美しい箱庭で愛する人と暮らしたい。義妹よ邪魔をしないで下さい。

釋圭峯

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やり遂げたい。

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「この件に関してはアンリエッタを許す気は無い。すでに人を雇って調べ始めている。
愚かな貴族の中にはお前の出版社に圧力をかけ縁故を結ぼうとする輩が現れるやも知れん。」

「実の姉を自分の私利私欲だけの為に売るような真似をする人間は我が家には要らない。」と静かに怒っている。

フローレンスは、ふぅと一呼吸すると
「この件に関してはクリス侯爵とお父様にお任せします。出版社には私の方から直ぐに話を入れます。」と話した。

「お父様。実は。」とフローレンスの方から声をかけた。

「壁画が本当に後少しなのです。どこかでお時間取れないでしょうか?」

「そうだな。その気持ちはよく分かる。少し時間をくれ、これからクリス侯爵様と話してみる。何か良い考えをお持ちかも知れない。早速行ってみよう。」そう話すと執事を呼びつけ先触れを出させた。

「フローレンス待っていなさい。今日中もしくは明日には何とか出来るかも知れない。」とお父様がおっしゃったので、フローレンスはお父様の書斎を後にした。

フローレンスは一度屋敷から出て久しぶりにアトリエに向かった。マリーが手を入れてくれていたんだろう、埃も無く綺麗にしてあった。
「ありがとうマリー。」と呟くと机につき出版社のカーチス編集長へ手紙を認めた。

自分の身の回りの事でご迷惑をお掛けするかもしれない。どんなに聞かれても自分の事は決して漏らさないで欲しいと書いた。

屋敷に戻ると使用人の1人に手紙を出すように頼んだ。

それが済むと久しぶりに箱庭を眺めていた。
サンダース家の箱庭に比べるとこちらの方が寒いので植物の成長が遅い。ここのチューリップは芽が出始めた所だ。

今年はラベンダーに手を入れた方が良いかも知れない。ちょっと出過ぎている。と辺りを見渡しながらそんな事を考えていた。

先ほどお父様が帰ってきた。クリス侯爵とお父様の話し合いは意外と早く終わったみたいだ。

クリス侯爵のご友人がグラナダにあまり大きくないがタウンハウスを持っている方がいる。
丁度今は留守をしていて空いているから2週間ほどの間だったら住んで貰って構わないと言う。住む条件として家の手入れをしておいて欲しいという事だった。

「どうする?フローレンス?」とお父様が聞いてきた。「お前の時間はあまり残されていないだろう。どうするんだ?」と聞いてきた。


グラナダを発つとき、教会のカーネルさんにはなるべくフローレンスが担当していたパートを避け、ゆっくりと作業をして欲しいと頼んできた。

どのあたりまで進行しているかわからないが荷物の事もある一度戻りたい。もしそのまま作業することで2~3日程度で完成するならそのまま教会で寝泊まりしてでも完成させたい。

「一度教会に連絡してみます。少し待ってください。」と伝えると再びアトリエに戻りマリアンナ教会のカーネル神父へ手紙を認めた。

お手紙の返事は先に出版社のカーチス編集長から来た。

確かにスーザン先生が年頃の女性ではないのか?と言った下世話な手紙が増えているらしい。ただ我々とフローレンスとの最初の契約の事もあるので78歳絵本作家のスーザン先生と言う設定は変えませんよ。

と記してあった。取り敢えずこちらは一安心だ。

そして気になっていたマリアンナ教会の壁画は9割ほど完成しているらしい。
あと2~3日で終わりそうだから何とか3人で最終の美を飾れたら良いですね。と書いてあった。ああ、行きたい。

自分の手で最後まで描ききりたい。
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