三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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第24話

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 勇凛くんの行った方向に走ると、勇凛くんが見えた。
 勇凛くんは一人だった。
 勇凛くんが振り返った。

「あ、七海さん!どうしてここに?」

 驚いている。

「えっと……さっきまで会社の人と一緒にいて」
「そうだったんですね。タイミングが合ってよかったです。家まで送りましょうか?」

 腕時計を見た。
 もう23時……。

「ううん、大丈夫。家までまた来たら終電なくなっちゃうよ」

 勇凛くんの顔を見れただけで嬉しかった。

「……俺の家来ますか?」
「え」
「ここからそんなに遠くないんで」

 勇凛くんの家。
 私が酔い潰れて運んでもらった時初めて行った場所。
 ほとんど記憶がない。
 まだ一緒にいたい。

 ──でも

「……明日仕事あるからまた今度にするよ」

 胸が苦しくなった。

「七海さん」

 顔を上げたら勇凛くんが目の前にいた。

「わ!」
「そんな顔するの反則ですよ」
「え、私なんか変な顔してた?」

 勇凛くんが私の顔を覗き込む。

「寂しそうだなって」

 恥ずかしい……。

「うん。まだ一緒にいたいって思っちゃったんだ……」

 まだ自分にこんな乙女な心があっことに驚きだ。

「そんなこと言われたら、連れて帰りたくなりますよ」

 勇凛くんの、穏やかで優しい表情。
 今までの彼女にもこうだったのかな……。

 ***

 私は導かれるように勇凛くんの家に向かった。

 勇凛くんの部屋。
 うっすら覚えてる記憶と一致している。

 ふと目に入った、人生ゲーム。
 入院していた時に遊んでいたやつ。

「七海さんどうぞ」

 ついてきちゃったけど、どうしよう……。
 このままゆっくりしていたら終電。
 でももうここまできたら──

「……勇凛くん、泊まってもいいかな……」

 リュックを置いた勇凛くんが私を見る。

「え、元からそのつもりですよ?」
「ありがとう……」
「これから二人で暮らすんですから、遠慮しないでください」

 勇凛くんは直ぐにお風呂を洗いに行った。

「私コンビニで必要なもの買ってくるね」

 スポンジを持った勇凛くんが慌てて出てきた。

「俺ついていきますよ!」
「いや、申し訳ないから。一人で大丈夫だよ」
「ダメです!!」

 釘を刺された。

 その後、深夜のコンビニに勇凛くんと向かった。
 私がスキンケア用品や下着を買ってる間、勇凛くん雑誌コーナーで何かを見ている。

『漢字てんつなぎ』

 ハマってしまったのだろうか。

 買い物を済ませ勇凛くんの家に向かう途中、不動産屋のガラス窓に貼られた物件の間取り図を二人で見た。

「七海さんはどんな間取りがいいですか?」
「うーんと、それぞれ部屋があった方がいいよね」
「……なんでですか?」

 何も言えなくなる。

「二人で住める期間、そんなに長くないかもしれないじゃないですか。子供産まれたら引っ越さないといけませんし」

 もう頭が追いつかない。
 なんで勇凛くんはそんなに落ち着いて考えてるの?

 わかってる。勇凛くんは私との将来をちゃんと見据えている。ずっと先まで。

「勇凛くんはすごいね……。大人顔負けだよ」
「俺も大人なんですけど……」

 声が低くなる。

「スミマセン……」

 私が子供なんだ。
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