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第52話
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「何か食べたいものありますか?」
「勇凛くんは?」
「俺は……和食がいいです」
「うん!じゃあそうしよう!」
私たちは和食レストランに行った。
「勇凛くん、今はどんなことしてるの?」
「社会人の基本的なマナーですね……。あとは兄から渡された課題が」
課題……?
「え、どんな?」
「会議の議事録作成です」
「え!?」
まだ正式入社もしていない勇凛くんにそんなことを!?
鬼!悪魔!
「勇凛君……無理しないでね」
「ありがとうございます」
その笑顔が健気だった。
「私も頑張るよ」
「七海さんも無理しないで下さいね」
あの男が無理をさせないわけがない。
どんな屈辱を味わっても成し遂げてやる。
「勇凛くんはいつ引っ越しなの……?」
「来週ですね」
私たちの思い出がある場所。
寂しく感じる。
「今から来ますか?」
「え、いいの……?」
「はい」
その後私たちは勇凛くんの家に向かった。
***
勇凛くんの部屋は段ボールがあって、部屋のものがだいぶ整理されていた。
「なんか寂しいな」
「そうですね」
その時、目に入った。
──人生ゲーム
「勇凛くん!人生ゲームやろう!」
「あ、いいですよ」
私が入院していた時以来結局やってなかった。
前と同じコマを使って、ルーレットを回して進む。
あの時を思い出す。
まだ結婚の実感も湧かなかったし、むしろやめようともしていた。
今は、結婚してよかったって思える。
「あ……」
私が止まったところに書いてあったのは、『こどもが生まれた』。
あの時は、産もうなんて微塵も思ってなかった。
でも──
「私、こどもほしいかも」
そう思えた。
勇凛くんとの間に。
今は厳しいけど。
「沢山じゃなくていいので、俺もほしいです」
二人で見つめ合って、少し笑顔になった。
そのあとも人生ゲームを続けて、無事に二人ともゴールした。
山あり谷あり。
でもきっとゴールにたどりつける。
そう信じた。
***
そしてとうとうその日がきた。
「川崎さん、元気でね~!」
今の会社の最終出勤日。
色んな社員に声をかけられた。
「お世話になりました」
そういって挨拶巡り。
すると視線を感じた。
森川さん。
「なんかあったら連絡して。俺はまだかかるけど、繋がりはあるからさ」
「はい……。ありがとうございます。心強いです」
森川さんには申し訳なさでいっぱいだけど、すごく助かる。
「じゃあ、またあそこで……」
そして私はこの会社を去った。
平凡なOL卒業。
次は大企業の副社長秘書。
気合を入れた。
「勇凛くんは?」
「俺は……和食がいいです」
「うん!じゃあそうしよう!」
私たちは和食レストランに行った。
「勇凛くん、今はどんなことしてるの?」
「社会人の基本的なマナーですね……。あとは兄から渡された課題が」
課題……?
「え、どんな?」
「会議の議事録作成です」
「え!?」
まだ正式入社もしていない勇凛くんにそんなことを!?
鬼!悪魔!
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「ありがとうございます」
その笑顔が健気だった。
「私も頑張るよ」
「七海さんも無理しないで下さいね」
あの男が無理をさせないわけがない。
どんな屈辱を味わっても成し遂げてやる。
「勇凛くんはいつ引っ越しなの……?」
「来週ですね」
私たちの思い出がある場所。
寂しく感じる。
「今から来ますか?」
「え、いいの……?」
「はい」
その後私たちは勇凛くんの家に向かった。
***
勇凛くんの部屋は段ボールがあって、部屋のものがだいぶ整理されていた。
「なんか寂しいな」
「そうですね」
その時、目に入った。
──人生ゲーム
「勇凛くん!人生ゲームやろう!」
「あ、いいですよ」
私が入院していた時以来結局やってなかった。
前と同じコマを使って、ルーレットを回して進む。
あの時を思い出す。
まだ結婚の実感も湧かなかったし、むしろやめようともしていた。
今は、結婚してよかったって思える。
「あ……」
私が止まったところに書いてあったのは、『こどもが生まれた』。
あの時は、産もうなんて微塵も思ってなかった。
でも──
「私、こどもほしいかも」
そう思えた。
勇凛くんとの間に。
今は厳しいけど。
「沢山じゃなくていいので、俺もほしいです」
二人で見つめ合って、少し笑顔になった。
そのあとも人生ゲームを続けて、無事に二人ともゴールした。
山あり谷あり。
でもきっとゴールにたどりつける。
そう信じた。
***
そしてとうとうその日がきた。
「川崎さん、元気でね~!」
今の会社の最終出勤日。
色んな社員に声をかけられた。
「お世話になりました」
そういって挨拶巡り。
すると視線を感じた。
森川さん。
「なんかあったら連絡して。俺はまだかかるけど、繋がりはあるからさ」
「はい……。ありがとうございます。心強いです」
森川さんには申し訳なさでいっぱいだけど、すごく助かる。
「じゃあ、またあそこで……」
そして私はこの会社を去った。
平凡なOL卒業。
次は大企業の副社長秘書。
気合を入れた。
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