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第65話
──朝
アラームで目覚めると、勇凛くんからのおはようメッセージ。
そして、森川さんからも。
『会社の挨拶用に土産とか買うから、先帰ってて』
森川さんももうすぐ林に来る。
一体どうなるのか見当もつかない。
その時、勇輝さんからもメッセージが。
『今日午後から社内会議がある。それまでに出社するように』
今日も会議……。
私は三人に返信をした後、ホテルからチェックアウトをして空港に向かった。
そして、福岡から東京へ──
***
羽田に着いて、搭乗口から出ると、そこに見覚えのある姿が。
「勇凛くん!?」
勇凛くんが立っている。
確かに何時に着くかは言った。
でも来るとは言ってなかった。
「夜に会おうと思って我慢してたんですけど、無理でした」
勇凛くんの恥ずかしそうな笑顔に、いろんな思いが込み上げてきて、周りの目も気にせず抱きついてしまった。
「会いたかったよー!」
「俺もです」
勇凛くんの温もり、匂い、私の居場所。
「今日は大学……?」
「はい」
「そうかー」
ほぼ顔は合わせられないけど、同じビルにいる方が安心する。
「ちゃんと迎えにいきますよ」
優しい声。
「うん。早く終わらせる」
二人で手を繋いで歩く。
「あ……七海さん、うちの両親の帰国、来週になったんですけど大丈夫ですか……?」
う
「う、うん。大丈夫だよ……」
「今週は七海さんの実家ですね……。緊張します」
完全に忘れていた。
「その日のことは具体的に確認してまた教えるね」
姉ちゃんにも紹介しなくちゃ。
そのあと、勇凛くんと会社の最寄駅に向かった。
「兄は出張の時はどうでしたか……?」
神妙な面持ちの勇凛くん。
「案外優しかったかも……」
「え?何がですか??」
今度は焦り出す勇凛くん。
「いや、結構冷たくあしらわれると思ってたけど、案外普通だったというか」
優しいとは違うか。
それよりも、勇哉さんの奇行が厄介だ。
──と思って駅の改札を抜けようとすると、改札前で待ち伏せている。
私をやや睨んでいる。
「兄さんなんでここに……?」
逃げたい。
でも私何も悪くないし!!
二人で恐る恐る改札を抜けると勇哉さんがユラユラと近づいてきた。
「七海ちゃんに逃げられたし……俺助けてあげたのに」
余計なこと言わないで!
「え……なにがあったんですか?」
勇凛くんが青ざめる。
「俺、わざわざ持って行ったのに」
「勇哉さんその件については後で話しましょう!」
「いえ、ちゃんと言ってください」
勇凛くんの表情に怒りがにじみだす。
「じ、実は──」
***
「七海さんの出張について行ったんですか!?」
「だって七海ちゃんのためだもん」
「え?」
「あれなかったら、七海ちゃんは兄貴に見放されてたからね。たぶん」
確かにそう。
「それは……七海さんを助けてくれてありがたいんですけど、七海さんは俺の妻です。これ以上距離を縮めないで下さい」
勇凛くんは真剣に勇哉さんに言う。
「……お前はいいよな。末っ子で可愛がられて、甘やかされて」
勇哉さんの表情が曇った。
「兄貴がどんな仕打ち受けたかも知らないで」
「え……?」
勇凛くんが戸惑っているうちに勇哉さんは去っていった。
一体何があったの……?
アラームで目覚めると、勇凛くんからのおはようメッセージ。
そして、森川さんからも。
『会社の挨拶用に土産とか買うから、先帰ってて』
森川さんももうすぐ林に来る。
一体どうなるのか見当もつかない。
その時、勇輝さんからもメッセージが。
『今日午後から社内会議がある。それまでに出社するように』
今日も会議……。
私は三人に返信をした後、ホテルからチェックアウトをして空港に向かった。
そして、福岡から東京へ──
***
羽田に着いて、搭乗口から出ると、そこに見覚えのある姿が。
「勇凛くん!?」
勇凛くんが立っている。
確かに何時に着くかは言った。
でも来るとは言ってなかった。
「夜に会おうと思って我慢してたんですけど、無理でした」
勇凛くんの恥ずかしそうな笑顔に、いろんな思いが込み上げてきて、周りの目も気にせず抱きついてしまった。
「会いたかったよー!」
「俺もです」
勇凛くんの温もり、匂い、私の居場所。
「今日は大学……?」
「はい」
「そうかー」
ほぼ顔は合わせられないけど、同じビルにいる方が安心する。
「ちゃんと迎えにいきますよ」
優しい声。
「うん。早く終わらせる」
二人で手を繋いで歩く。
「あ……七海さん、うちの両親の帰国、来週になったんですけど大丈夫ですか……?」
う
「う、うん。大丈夫だよ……」
「今週は七海さんの実家ですね……。緊張します」
完全に忘れていた。
「その日のことは具体的に確認してまた教えるね」
姉ちゃんにも紹介しなくちゃ。
そのあと、勇凛くんと会社の最寄駅に向かった。
「兄は出張の時はどうでしたか……?」
神妙な面持ちの勇凛くん。
「案外優しかったかも……」
「え?何がですか??」
今度は焦り出す勇凛くん。
「いや、結構冷たくあしらわれると思ってたけど、案外普通だったというか」
優しいとは違うか。
それよりも、勇哉さんの奇行が厄介だ。
──と思って駅の改札を抜けようとすると、改札前で待ち伏せている。
私をやや睨んでいる。
「兄さんなんでここに……?」
逃げたい。
でも私何も悪くないし!!
二人で恐る恐る改札を抜けると勇哉さんがユラユラと近づいてきた。
「七海ちゃんに逃げられたし……俺助けてあげたのに」
余計なこと言わないで!
「え……なにがあったんですか?」
勇凛くんが青ざめる。
「俺、わざわざ持って行ったのに」
「勇哉さんその件については後で話しましょう!」
「いえ、ちゃんと言ってください」
勇凛くんの表情に怒りがにじみだす。
「じ、実は──」
***
「七海さんの出張について行ったんですか!?」
「だって七海ちゃんのためだもん」
「え?」
「あれなかったら、七海ちゃんは兄貴に見放されてたからね。たぶん」
確かにそう。
「それは……七海さんを助けてくれてありがたいんですけど、七海さんは俺の妻です。これ以上距離を縮めないで下さい」
勇凛くんは真剣に勇哉さんに言う。
「……お前はいいよな。末っ子で可愛がられて、甘やかされて」
勇哉さんの表情が曇った。
「兄貴がどんな仕打ち受けたかも知らないで」
「え……?」
勇凛くんが戸惑っているうちに勇哉さんは去っていった。
一体何があったの……?
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