幼馴染に10年片想いしてたら、冷酷御曹司にプロポーズされました

 春の匂いが、駅前の並木道をくすぐる。満開の桜の下、私はひとり歩いていた。駅までの道は、高校時代、彼とよく歩いた道だ。
 制服姿の学生が笑いながらすれ違っていくのを横目に、私はスマホを見下ろした。

 「今日、伝えるって決めたんじゃなかったの?」

 送信したきり返信のないメッセージ。画面には「既読」の文字があるだけだった。

 ――渡瀬 湊。私が10年間片想いをしている、幼馴染。
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