三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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第82話

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 午前中の会議が終わり、私が会議室を片付けていると勇輝さんが来た。

「話したいことがある」
「なんでしょうか?」
「これから会社の体制が変わる。秘書課の人員配置も変える。何人かまた社員を戻す」

 それは……

「認めてくれたってことですか!?」
「それとこれは話は別だ」

 冷静な男だ。
 そうか、社長になる……のか。

「勇輝さん、社長になったらもっと忙しくなりそうですね。体調気をつけてくださいね」

「は?」

 凍てつくような視線で睨まれた。

「失礼しました……」

 今は仕事中。
 馴れ馴れしかった。

「私が忙しくなれば君も忙しくなるな」
「……私続投なんですね」
「まだ君の力量をちゃんと測れてないからな」

 そう告げると彼は会議室から去った。

 多分認めるなんて一生言われる気がしない。
 ただ、クビにならなかったってことが、私がここに存在していい証明なのだろうか。

 ──それより

 今日は勇凛くんが会社にいる日。

 私はずっと我慢していた。
 でも今なら……

 私は勇凛くんが研修しているフロアに行った。
 そして、勇凛くんがいる部署を覗く。

 スーツを着た勇凛くんが、先輩社員と真剣に話している。

 あああああ
 尊い。

 これだけ見られれば私はここで生きていける。

「何してるんだよ」

 背後から声をかけられた。

「わ!森川さん……?」

 たった一週間かそこらで、もうすっかりここの社員ですオーラが放たれている。
 確かに森川さんがいると、安心する。

「ちょっと栄養補給を」
「自分の夫でか……。変な夫婦だな」
「いいんですこれで!」

 そんな毎日見てる訳でもないし。

「じゃあこれからもほどほどに頑張ってね、社長秘書サン」

 森川さんが私の頭にポンと触れた。

 森川さんは勇凛くんの方へ向かって、何か説明している。
 そんな姿を眺められる今をとても幸せに感じた。
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