【完結・番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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番外編

ただの後輩を好きになってしまった件

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 七海の前職の先輩であり、その後も同僚として同じ会社で働く森川。
 七海との出会いから現在に至るまで、彼の視点のストーリーを書いていきます。
 興味がある方は是非ご覧ください。


 ◇ ◇ ◇

 ──入社三年目

 社会人生活も慣れてきた頃、また四月に新入社員が何人か入ってきた。
 まだ学生っぽさが残っている。

 その中に、やけに落ち着いた雰囲気の女がいた。
 その年相応の華やかさがないというか。
 凛とした雰囲気。

 その新人はシステム部に所属になった。
 システム部は人の入れ替わりが激しい。
 新人なんてすぐに辞める。
 こいつもそうだと思っていた。

 ──でも

 三年後、こいつはまだ働いていた。

 チームが違う、関わるプロジェクトも違う、仕事中の接点はほぼない。
 でも、なぜだか気になった。

 俺は彼女がいた。
 大学時代から付き合っていた彼女だった。
 仲はよかったが、だんだんと仕事で会う時間も減って別れた。

 そのあと、職場の同僚に誘われて行った合コンで気が合う子がいて付き合ってみた。
 でも、結婚をしたいというほどでもなかった。

 フリーでいる時間も割りと楽しめてはいた。

 ──だけど

 あの女が気になる。

『川崎七海』

 割と理不尽な要求を言われても、文句も言わず、ただこなしている。
 残業が多い。
 表情も乏しい。
 大丈夫か?
 病んで来なくなるんじゃないか?

 心配している自分もいた。

 自販機の前に行くと──

 いた。

 虚ろな目でエナドリを一気飲みしていた。

 その時目が合った。

「お疲れ様です」

 彼女は小さな声で呟いた。

「お疲れ」

 そう返すとすぐにデスクに戻ってしまった。

 ◇ ◇ ◇

 気にはなるものの、特に話すことはない。

 だから、あくまで同じオフィスで働く人間ってことでそれ以上でもそれ以下でもなかった。

 ──でもある日
 彼女が俺の同僚と話していた。
 仕事の話だろうけど、その時、彼女の顔から笑みがこぼれた。

 その瞬間、心が動いた。
 嫉妬した自分に気づいてしまった。

 気づいたら厄介だ。
 気持ちがどんどん加速するからだ。

 ◇ ◇ ◇

 部署の飲み会。
 定期的に開かれる。

 俺はずっと待っていた。
 彼女が来るのを。

 でも、いつまで経っても来ない。
 時計を見ながら落ち着かない。

 もうそろそろいったんお開きになるか──

 というところで彼女は来た。

 作り笑顔を浮かべて、疲れた体をひきずって、座敷に座る。
 少しだけビールを飲んで、残ったつまみを食べている。

 それを見ていて無償に声をかけたい衝動にかられた。

「お疲れ」

 声をかけてしまった。
 彼女の瞳が俺を捉える。
 でも、俺に興味はなさそうだ。

「お疲れ様です。森川さん」

 それだけ言った。

 俺の名前、さすがに何年も同じ職場なら知っていて当たり前だけど、名前を言ってくれたことが、嬉しくてたまらなかった。
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