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番外編
ただの後輩を好きになってしまった件3
「川崎さん、このままじゃ辞めるかもしれないですよ」
そう彼女の上司に警告すると、手のひらを返したように彼女への対応が変わった。
彼女のためなのか、自分のためなのか──
これで止まってくれればいいが。
もしかしたらそれでも辞めるかもしれない。
モタモタしてる場合じゃない。
俺は彼女に近づく決心をした。
──が
その日、定時に仕事が終わって、ビルから出ると──
川崎さんがいた。
「川崎さん」
声をかけた。
しかし彼女は誰かと一緒だった。
『男』だった。
ただ、かなり若い。
どういう関係だ?
「その子は?」
彼女が気まずそうにしている。
「えーと……」
なぜ躊躇う?
二人を見てると違和感しかない。
もしかして……
「弟?」
似てはいないが。
その時、その男が前に出た。
「夫です」
「夫……?」
夫──
頭が真っ白になった。
なんだその冗談。
「はい。俺と七海さんは夫婦です。結婚しています」
彼女が慌てている。
「あの、これには深い事情が……」
なんだ、事情って。
夫婦……結婚?
なんだよそれ。
やっと、やっと、動き出そうとしたのに。
見た目社会人じゃないだろ。
何なんだよ、どこで何があってそうなったんだよ。
でも、そんな事を言える状態じゃない。
「そうか。おめでとう」
そう言うのが精一杯。
何とか笑顔を取り繕った。
「ありがとうございます」
彼女は頭を下げた。
マジかよ。
きつ。
もう問答無用で諦めるしかないし、これ。
そんな空虚な心を必死に立て直して、彼女に言った。
「あ、俺言っておいたよ。川崎さんにこれ以上無理させるなって」
「え?」
彼女は驚いた後、また頭を下げた。
「ありがとうございます……」
何だその他人行儀な態度。
彼女にとって俺はただの会社の人間で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
それを突きつけられた。
「じゃあ、また明日」
やってられねぇ……。
帰り道、悶々と考えていた。
川崎さんがフリーだったとして、だから俺とどうにかなるって可能性はないかもしれない。
当たって砕けてしまうかもしれない。
でもやれる事はやりたかった。
ただただ後悔。
そのまま帰る気にもなれず、よく行く居酒屋に直行した。
──翌日
彼女と廊下でばったり会ってしまった。
目も合ってしまい、逃げられず。
「あ、川崎──今はなんだっけ?」
なんとか平静を装う。
「旧姓のままでいいですよ」
いやでものしかかる現実。
「いやーびっくりした」
「え?」
「いつの間にか結婚してて」
ついでてしまった本音。
「私もびっくりしてます」
──は?
「なんで?」
「初めて会った次の日に結婚──」
初めて会った次の日?
「え?どういうこと?」
「あ、なんでもないです!」
その時、ふとあの男の顔が頭をよぎった。
既視感がある。
「あの子見た事あるんだよね」
「え!」
「前飲み会の時にいたような気がするんだよ」
いた。そうだ。
女子社員が絡んでいた。
気の毒だと思っていた。
「勘違いですよ。全然違いますよ」
「今日あの居酒屋行ってみようかな」
彼女が焦りだした。
「あ、あの、今日一緒に別の所に食べに行きませんか!?」
──は?
「いいけど。なんで?」
「森川さんと話してみたかったんです~」
話してみたい?
なんで今更……。
なんだその作り笑顔。
「わかった。じゃあ、川崎さんのおごりね」
「わかりました!ありがとうございます!」
なんなんだよいったい……。
これ以上追い討ちをかけられたくない。
でも、二人で飯を食べに行ける事が、不覚にも嬉しかった。
もう人妻なのに。
そう彼女の上司に警告すると、手のひらを返したように彼女への対応が変わった。
彼女のためなのか、自分のためなのか──
これで止まってくれればいいが。
もしかしたらそれでも辞めるかもしれない。
モタモタしてる場合じゃない。
俺は彼女に近づく決心をした。
──が
その日、定時に仕事が終わって、ビルから出ると──
川崎さんがいた。
「川崎さん」
声をかけた。
しかし彼女は誰かと一緒だった。
『男』だった。
ただ、かなり若い。
どういう関係だ?
「その子は?」
彼女が気まずそうにしている。
「えーと……」
なぜ躊躇う?
二人を見てると違和感しかない。
もしかして……
「弟?」
似てはいないが。
その時、その男が前に出た。
「夫です」
「夫……?」
夫──
頭が真っ白になった。
なんだその冗談。
「はい。俺と七海さんは夫婦です。結婚しています」
彼女が慌てている。
「あの、これには深い事情が……」
なんだ、事情って。
夫婦……結婚?
なんだよそれ。
やっと、やっと、動き出そうとしたのに。
見た目社会人じゃないだろ。
何なんだよ、どこで何があってそうなったんだよ。
でも、そんな事を言える状態じゃない。
「そうか。おめでとう」
そう言うのが精一杯。
何とか笑顔を取り繕った。
「ありがとうございます」
彼女は頭を下げた。
マジかよ。
きつ。
もう問答無用で諦めるしかないし、これ。
そんな空虚な心を必死に立て直して、彼女に言った。
「あ、俺言っておいたよ。川崎さんにこれ以上無理させるなって」
「え?」
彼女は驚いた後、また頭を下げた。
「ありがとうございます……」
何だその他人行儀な態度。
彼女にとって俺はただの会社の人間で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
それを突きつけられた。
「じゃあ、また明日」
やってられねぇ……。
帰り道、悶々と考えていた。
川崎さんがフリーだったとして、だから俺とどうにかなるって可能性はないかもしれない。
当たって砕けてしまうかもしれない。
でもやれる事はやりたかった。
ただただ後悔。
そのまま帰る気にもなれず、よく行く居酒屋に直行した。
──翌日
彼女と廊下でばったり会ってしまった。
目も合ってしまい、逃げられず。
「あ、川崎──今はなんだっけ?」
なんとか平静を装う。
「旧姓のままでいいですよ」
いやでものしかかる現実。
「いやーびっくりした」
「え?」
「いつの間にか結婚してて」
ついでてしまった本音。
「私もびっくりしてます」
──は?
「なんで?」
「初めて会った次の日に結婚──」
初めて会った次の日?
「え?どういうこと?」
「あ、なんでもないです!」
その時、ふとあの男の顔が頭をよぎった。
既視感がある。
「あの子見た事あるんだよね」
「え!」
「前飲み会の時にいたような気がするんだよ」
いた。そうだ。
女子社員が絡んでいた。
気の毒だと思っていた。
「勘違いですよ。全然違いますよ」
「今日あの居酒屋行ってみようかな」
彼女が焦りだした。
「あ、あの、今日一緒に別の所に食べに行きませんか!?」
──は?
「いいけど。なんで?」
「森川さんと話してみたかったんです~」
話してみたい?
なんで今更……。
なんだその作り笑顔。
「わかった。じゃあ、川崎さんのおごりね」
「わかりました!ありがとうございます!」
なんなんだよいったい……。
これ以上追い討ちをかけられたくない。
でも、二人で飯を食べに行ける事が、不覚にも嬉しかった。
もう人妻なのに。
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