【完結・番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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番外編

ただの後輩を好きになってしまった件5

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「なんかフクザツ」
「はい?」
「突然現れた王子様に拐われたような」
「誰がですか?」
「誰でしょう」

 気づけよ。

「森川さん、なんか言いたいことあるならハッキリ言って欲しいんですが……。私は鈍感だからわからないです」

 あー、めんどくさ。

「俺、川崎さんのこと、狙ってたんだけど」

 彼女は驚いて目を見開いている。

「え!?」
「モタモタしてた自分が悪い……。次からは気をつけよう」

 隠すのも疲れた。
 というか、もうこの気持ちを精算したかった。

「じゃあ俺帰るわ」

 そのまま二人で何も話さず駅に。
 なんでついてくるんだ?

「あ、今日はありがとうございました」

 彼女が頭を下げた。
 二人の時間は、呆気なく終わった。

「俺の言った事、あまり気にしないで。今まで通りで」

 ただの先輩と後輩でいるしかない。
 もう。

 ◇ ◇ ◇

 ──翌朝

 会社に入ろうとすると、見覚えのある姿が。

 あの子だ。
 川崎さんの『旦那』。

 その後ろに隠れている何か。
 わかっている。
 なんで隠れているんだよ。

「おはよ~」

 と、旦那の肩越しに覗いてみた。
 旦那、めっちゃ嫌そうな顔をしている。
 その顔を見たら、なぜか凹んでた気持ちがやや浮上した。

「なんで二人ともそんな元気ないの?」

 ──って、昨日と同じ服着てるじゃねーか。

「朝から仲がいいことで。じゃあまた後でね~」

 また凹む。

 ◇ ◇ ◇

 ──数日後

 オフィスの廊下を歩いていると、川崎さんが暗い表情をしてフラフラと歩いていた。

「……どうしたの?」
「なんでもないです……」
「いや、明らかになんかあったでしょ」
「まあ、色々あるんですよ……」
「色々って?」

 嫌そうな顔をしている。
 聞きすぎたか?いやでも気になる。

「もしかして、あの子のこと?」
「勇凛くんのことですか?」
「勇凛くんっていうのね」

 名前を聞いてまたダメージをくらう。

「私の夫なんで、あの子とか言うのやめてください」

 俺を鋭い目で見た。
 ただでさえどうしようもない状況なのに、嫌われたらおしまいだ。

「……ごめん」

 これ以上距離を置かれたくない。

「話したら少し楽になるかもよ?」

 でも、引き下がることもできず。

「誰にも言わないでくださいよ……?」
「うん」
「勇凛くんは……勇凛くんの家族は、林ホールディングスの経営者なんです」

 ──まじか

「……それはハードだな」
「はい……」

 出会った次の日に結婚して、実は相手が大手企業の社長の息子だったとか、ファンタジーすぎるだろ。

「どうなるかわからないけど、とりあえず挨拶して帰ればいいんじゃないの?」
「それだけで済めばいいんですが……」

 深刻な顔をしている。
 そういう顔をすると、放っておけなくなるだろ……。

「じゃあ、気晴らしに飲みに行く?」
「いえ、お酒はもうこりごりです」
「俺となんかあったら大変だからな」
「え?」
「じゃあ頑張って」

 虚勢を張るしかない。
 惨めだ。

 また凹む。
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