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番外編
ただの後輩を好きになってしまった件16
勇哉さんの家から自宅に戻っている途中。
『どうですか……?』
川崎さんからのメッセージ。
停まった駅のホームに降りて、電話をかけた。
『お疲れ様です!大丈夫ですか?』
「うん。なんかあの人、マリッジブルー?みたいな感じだな」
あの人のあの状況をなんと例えればいいかわからなかったが、とりあえず無難そうな言い方にした。
『え……全くその言葉と勇哉さんが結びつかないんですけど』
「川崎さんと勇凛くんの事見て、羨ましいって言ってたし、たぶん色々あの人なりに悩んでるんだと思う」
『そうなんですね……』
「まあ、そんな感じだから、川崎さんはいつも通りで」
『あ、はい。教えて頂きありがとうございます』
「……勇凛くん。真っ直ぐで真面目な子だな」
『はい。勇凛くんはそういう人なんです』
「二人には幸せになってほしいよ」
『え……?』
「じゃあおやすみ」
──やばい
俺も勇哉さん堕ちしそうだ。
◇ ◇ ◇
──その後
林家の一番上のお兄さんが社長に就任することが発表された。
川崎さんがどうなるか心配していたが、そのまま秘書業務を続けるようで安心した。
勇哉さんは本当に世界一周旅行に行ってしまった。
行動力がすごいなと、俺もあれくらい振り切れる人間だったら、今きっとここにはいなかっただろう。
色々物思いに耽りながらオフィスの中を歩いていると──
物陰に隠れて中を覗いている女がいた。
川崎さんだ。
旦那を眺めている。
「何してるんだよ」
「わ!森川さん……?」
あの無表情な女が、こんなに表情豊かになるとは……。
恋とは恐ろしいな。
俺もこんなことをする人間だと思わなかった。
「ちょっと栄養補給を」
「自分の夫でか……。変な夫婦だな」
「いいんですこれで!」
「じゃあこれからもほどほどに頑張ってね、社長秘書サン」
今度は旦那の方。
「勇凛くん、今何してる?」
「あ、森川さん。ちょっとわからないことがあって聞いていました」
まだ大学生、でももう直ぐ社会人、そして妻がいる。
大変だ。
敵うわけでもない恋敵であり、後輩みたいなものであり、この会社の跡取りになるかもしれない男。
川崎さんを守るという謎の目的の中、ここに来てしまったけれど、もう俺は必要ないのかもしれない。
ならせめて、旦那の方の世話をするか。
その時スマホに通知があった。
──勇哉さん
今はオーストラリアにいるようだ。
カンガルーの写真を送ってきた。
俺も落ち着いたら世界一周旅行でもして、新しい恋でも探すか。
──fin
森川さんの番外編を読んで頂きありがとうございました。
次は勇凛のお兄さんであり、二人の敵役の勇輝の番外編をアップします。
『どうですか……?』
川崎さんからのメッセージ。
停まった駅のホームに降りて、電話をかけた。
『お疲れ様です!大丈夫ですか?』
「うん。なんかあの人、マリッジブルー?みたいな感じだな」
あの人のあの状況をなんと例えればいいかわからなかったが、とりあえず無難そうな言い方にした。
『え……全くその言葉と勇哉さんが結びつかないんですけど』
「川崎さんと勇凛くんの事見て、羨ましいって言ってたし、たぶん色々あの人なりに悩んでるんだと思う」
『そうなんですね……』
「まあ、そんな感じだから、川崎さんはいつも通りで」
『あ、はい。教えて頂きありがとうございます』
「……勇凛くん。真っ直ぐで真面目な子だな」
『はい。勇凛くんはそういう人なんです』
「二人には幸せになってほしいよ」
『え……?』
「じゃあおやすみ」
──やばい
俺も勇哉さん堕ちしそうだ。
◇ ◇ ◇
──その後
林家の一番上のお兄さんが社長に就任することが発表された。
川崎さんがどうなるか心配していたが、そのまま秘書業務を続けるようで安心した。
勇哉さんは本当に世界一周旅行に行ってしまった。
行動力がすごいなと、俺もあれくらい振り切れる人間だったら、今きっとここにはいなかっただろう。
色々物思いに耽りながらオフィスの中を歩いていると──
物陰に隠れて中を覗いている女がいた。
川崎さんだ。
旦那を眺めている。
「何してるんだよ」
「わ!森川さん……?」
あの無表情な女が、こんなに表情豊かになるとは……。
恋とは恐ろしいな。
俺もこんなことをする人間だと思わなかった。
「ちょっと栄養補給を」
「自分の夫でか……。変な夫婦だな」
「いいんですこれで!」
「じゃあこれからもほどほどに頑張ってね、社長秘書サン」
今度は旦那の方。
「勇凛くん、今何してる?」
「あ、森川さん。ちょっとわからないことがあって聞いていました」
まだ大学生、でももう直ぐ社会人、そして妻がいる。
大変だ。
敵うわけでもない恋敵であり、後輩みたいなものであり、この会社の跡取りになるかもしれない男。
川崎さんを守るという謎の目的の中、ここに来てしまったけれど、もう俺は必要ないのかもしれない。
ならせめて、旦那の方の世話をするか。
その時スマホに通知があった。
──勇哉さん
今はオーストラリアにいるようだ。
カンガルーの写真を送ってきた。
俺も落ち着いたら世界一周旅行でもして、新しい恋でも探すか。
──fin
森川さんの番外編を読んで頂きありがとうございました。
次は勇凛のお兄さんであり、二人の敵役の勇輝の番外編をアップします。
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