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番外編
そんな気持ちはいらない6
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業務が終わった後、父が勇凛と彼女を呼び出したのを聞いた。
二人に一体何を話したのか──
聞きたい。
聞いても何も得はない。
ただ、あの二人の未来が知りたかった。
俺が叶えられなかった関係のその先を。
だから待っていた。
二人が来るのを。
ところが出てきたのは彼女だけだった。
「おい」
彼女が驚いて振り返った。
「お疲れ様です」
ちょうど帰ろうとしていた様子だった。
「父と会ったのか?」
「……はい」
「そうか。今から時間をもらっていいか?」
「え?」
「そんなに時間は取らせない、ついて来い」
連れて行ったところは、たまに一人で行くホテルのバー。
ここに女を連れてきたのは初めてだ。
「体調は回復されましたか?」
「……ああ」
本当は、悟られたくない。
俺の本心を。
でもなぜか、この時自分は素直だった。
「社長は俺の事を何か言っていたか?」
彼女が戸惑っている。
「君が何を言っても何の支障もないから安心しろ」
「社長は自分が経営のセンスがなくて、勇輝さんに迷惑をかけたと後悔していました」
──後悔。
何も考えていなかった訳ではなかった。
「そうか」
「あと……社長を退任する意向があるようです……」
意外だった。
そこまで父が考えていたことに。
「大変な時に、とても頑張られてたんですね」
そんな言葉を彼女に言われる情けなさと同時に、もう強がるのも疲れた。
「私も社畜だよ」
事実だ。
彼女が初めて会った時に言った言葉を思い返していた。
俺はボンボンかもしれないが、全て会社に捧げた。
過去を捨てて。
「あの会社の利益のことしか考えこなかった。ずっと」
でも、もうそろそろ解放されたい。
正直限界だ。
◇
「タクシーで帰りなさい」
「勇輝さんはどうされるんですか?」
「私はここに泊まる」
「……女の人が来るんですか?」
「あれは取引先で関わった人間が寄ってきて、都合がいいからああしているだけだ」
「そ、そうなんですね……」
「もうそこまでする気もなくなった。今日は一人でゆっくりしたい。それだけだ」
この時、父も、過去の自分も、今の自分も、赦そうと思った。
二人に一体何を話したのか──
聞きたい。
聞いても何も得はない。
ただ、あの二人の未来が知りたかった。
俺が叶えられなかった関係のその先を。
だから待っていた。
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ところが出てきたのは彼女だけだった。
「おい」
彼女が驚いて振り返った。
「お疲れ様です」
ちょうど帰ろうとしていた様子だった。
「父と会ったのか?」
「……はい」
「そうか。今から時間をもらっていいか?」
「え?」
「そんなに時間は取らせない、ついて来い」
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ここに女を連れてきたのは初めてだ。
「体調は回復されましたか?」
「……ああ」
本当は、悟られたくない。
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でもなぜか、この時自分は素直だった。
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彼女が戸惑っている。
「君が何を言っても何の支障もないから安心しろ」
「社長は自分が経営のセンスがなくて、勇輝さんに迷惑をかけたと後悔していました」
──後悔。
何も考えていなかった訳ではなかった。
「そうか」
「あと……社長を退任する意向があるようです……」
意外だった。
そこまで父が考えていたことに。
「大変な時に、とても頑張られてたんですね」
そんな言葉を彼女に言われる情けなさと同時に、もう強がるのも疲れた。
「私も社畜だよ」
事実だ。
彼女が初めて会った時に言った言葉を思い返していた。
俺はボンボンかもしれないが、全て会社に捧げた。
過去を捨てて。
「あの会社の利益のことしか考えこなかった。ずっと」
でも、もうそろそろ解放されたい。
正直限界だ。
◇
「タクシーで帰りなさい」
「勇輝さんはどうされるんですか?」
「私はここに泊まる」
「……女の人が来るんですか?」
「あれは取引先で関わった人間が寄ってきて、都合がいいからああしているだけだ」
「そ、そうなんですね……」
「もうそこまでする気もなくなった。今日は一人でゆっくりしたい。それだけだ」
この時、父も、過去の自分も、今の自分も、赦そうと思った。
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