【続編】ダイヤの指輪─先生と私の歩む未来─

七転び八起き

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第29話

 とうとう大学院の入学試験の日がきた。

 卒論と同時進行で試験勉強をしてきた。
 大変だった。

 苦手で苦しんだ英語。
 久々に先生に教えてもらった。
 また生徒の頃に戻ったようだった。

 私の勉強を見てくれていた先生は、心理学に詳しくなった。
「面白いな」と難しい本をじっくり読んだりしていた。

 先生は、私が教員の道を自分から辞退したにもかかわらず、私のこっちの試験勉強にも付き合ってくれた。

「先生、今日までありがとうございました」
「よく頑張ったなここまで。……でもまだ終わってない」

 先生が会場近くまで送ってくれて、額を合わせて祈ってくれた。

「先生、いってきます!」

 私は試験会場に向かった。

 ◇ ◇ ◇

 受付をしたあと、筆記試験、休憩、面接と続いて終わった頃には夕方だった。

 やれるだけの事はやった。

 大学の門の近くに先生が立っていた。

「お疲れ」

 優しく微笑んでくれた。

 私は小走りに駆け寄って、先生と手を繋いだ。

「どうだった?」

「たぶん大丈夫だと思います」

「自信あるのか」

「先生がサポートしてくれたんですから当然です!」

「なんで威張るんだよ」

 私も何かしてあげられる事があれば──

「先生、お礼に何かします!」

 先生は考えた後、私の目をじっと見た。

「何でもいいの?」

 その時の先生の瞳は、また何かを企んでいるようで、嫌な予感しかしなしなかった。

「そういえば、誕生日の日は帰ってすぐに白乃が寝てしまって、お願い聞いてもらえなかったしな……」

「その節はすみませんでした……」

「じゃあ、楽しみにしている」

 そう告げると、すぐに家に連れていかれた。

 普通のお礼をさせて欲しい!

 ◇ ◇ ◇

 ──帰宅後

「な、なんですかこれ……」
「お礼をしたいと言ったのはお前だろ」

 確かにそうだけど……これは想像の斜め上をいっていた。

 ソファの上に置かれた箱に入っていたのは──

 メイド服だった。

「これを着るんですか……?」
「あたりまえだろ」

 先生の顔を見たら真剣だった。
 それが逆に怖かった。

 どうしよう……こんな事定期的に要求されたら。
 先生は元からこういうのが好きなの?
 まさかそういうお店にも行ってるの?

 考えがどんどん変な方向にいってしまう。

「とりあえず着て」

 すごく嫌だけど──

「わかりました」

 お礼をすると言った手前、引くに引けなかった。
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