9 / 46
第9話 不思議な関係
しおりを挟む
羽山さんと、ビルの屋上に行った。
緊張する……。
屋上に着いて、手すりのあたりまで羽山さんと歩いて行った。
「……黙っててごめん」
羽山さんは俯きながら呟いた。
これはつまり──
「羽山さん、私が"あまる"だったって知ってたんですね……」
知ってたのに、黙って遊んでたのか……。
正確には、遊んでくれてたというか。
助けてもらってばかりだった。
暫くお互い何も言えなかった。
「……嫌か?俺とゲームするのは。上司だし」
「いえ…びっくりしましたけど、嫌ではないです」
羽山さんは少し驚いた後、安心したような表情をした。
「できれば今まで通り、一緒にゲームをしたいと思っている」
え?
「私とですか?」
「……"あまる"とだよ」
"あまる"
"ハヤテ"と"あまる"はフレンド。
でも羽山さんと私は──
同じ会社の、同じ部署で、上司と部下。
大して話もしていない。
お互いよくわからない。
「あそこだったら、リアルでどうだとか、関係ないだろ」
羽山さんのポーカーフェイスは相変わらずだけど、目は優しかった。
「私なんかでよければ、これからも"あまる"として、宜しくお願いします。"ハヤテ"さん」
胸が少し暖かくなった。
「ユーザー名。本名から作ったんだな」
そうだけど、でも……。
「羽山さんもそうでしょう?」
首からぶら下がる羽山さんの社員証に、"羽山哲治"と堂々と書いてある。
羽山さんは少し笑った。
「確かに」
羽山さんが笑った……!
ハヤテの正体より、そっちの方に驚いてしまった。
笑った顔が、今までの雰囲気と全然違って、キュンとしてしまった。
ハヤテの事は、結構衝撃的な事実だったけど、リアルはリアル、ゲームはゲーム。
ここで私は天川瑠美と羽山哲治で、ゲームでは"あまる"と"ハヤテ"。
これからもゲームで遊べるのは嬉しかった。
"ハヤテ"とストーリー進めたかったし。
そのあと私達はオフィスに戻った。
その時、私たちの間に芽生えた、新しい繋がりに、ほんのりと喜びを感じていた。
緊張する……。
屋上に着いて、手すりのあたりまで羽山さんと歩いて行った。
「……黙っててごめん」
羽山さんは俯きながら呟いた。
これはつまり──
「羽山さん、私が"あまる"だったって知ってたんですね……」
知ってたのに、黙って遊んでたのか……。
正確には、遊んでくれてたというか。
助けてもらってばかりだった。
暫くお互い何も言えなかった。
「……嫌か?俺とゲームするのは。上司だし」
「いえ…びっくりしましたけど、嫌ではないです」
羽山さんは少し驚いた後、安心したような表情をした。
「できれば今まで通り、一緒にゲームをしたいと思っている」
え?
「私とですか?」
「……"あまる"とだよ」
"あまる"
"ハヤテ"と"あまる"はフレンド。
でも羽山さんと私は──
同じ会社の、同じ部署で、上司と部下。
大して話もしていない。
お互いよくわからない。
「あそこだったら、リアルでどうだとか、関係ないだろ」
羽山さんのポーカーフェイスは相変わらずだけど、目は優しかった。
「私なんかでよければ、これからも"あまる"として、宜しくお願いします。"ハヤテ"さん」
胸が少し暖かくなった。
「ユーザー名。本名から作ったんだな」
そうだけど、でも……。
「羽山さんもそうでしょう?」
首からぶら下がる羽山さんの社員証に、"羽山哲治"と堂々と書いてある。
羽山さんは少し笑った。
「確かに」
羽山さんが笑った……!
ハヤテの正体より、そっちの方に驚いてしまった。
笑った顔が、今までの雰囲気と全然違って、キュンとしてしまった。
ハヤテの事は、結構衝撃的な事実だったけど、リアルはリアル、ゲームはゲーム。
ここで私は天川瑠美と羽山哲治で、ゲームでは"あまる"と"ハヤテ"。
これからもゲームで遊べるのは嬉しかった。
"ハヤテ"とストーリー進めたかったし。
そのあと私達はオフィスに戻った。
その時、私たちの間に芽生えた、新しい繋がりに、ほんのりと喜びを感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜
葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」
そう言ってグッと肩を抱いてくる
「人肌が心地良くてよく眠れた」
いやいや、私は抱き枕ですか!?
近い、とにかく近いんですって!
グイグイ迫ってくる副社長と
仕事一筋の秘書の
恋の攻防戦、スタート!
✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼
里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書
神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長
社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい
ドレスにワインをかけられる。
それに気づいた副社長の翔は
芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。
海外から帰国したばかりの翔は
何をするにもとにかく近い!
仕事一筋の芹奈は
そんな翔に戸惑うばかりで……
【完結】僕ら二度目のはじめまして ~オフィスで再会した、心に残ったままの初恋~
葉影
恋愛
高校の頃、誰よりも大切だった人。
「さ、最近はあんまり好きじゃないから…!」――あの言葉が、最後になった。
小島久遠は、新たな職場で、元カレとまさかの再会を果たす。
若くしてプロジェクトチームを任される彼は、
かつて自分だけに愛を囁いてくれていたことが信じられないほど、
遠く、眩しい存在になっていた。
優しかったあの声は、もう久遠の名前を呼んでくれない。
もう一度“はじめまして”からやり直せたら――そんなこと、願ってはいけないのに。
それでも——
8年越しのすれ違いは、再会から静かに動き出す。
これは、終わった恋を「もう一度はじめる」までの物語。
先輩、お久しぶりです
吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社
秘書課
×
藤井昂良 大手不動産会社
経営企画本部
『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。
もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』
大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。
誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。
もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。
――それも同じ会社で働いていた!?
音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。
打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……
ケダモノ、148円ナリ
菱沼あゆ
恋愛
ケダモノを148円で買いました――。
「結婚するんだ」
大好きな従兄の顕人の結婚に衝撃を受けた明日実は、たまたま、そこに居たイケメンを捕まえ、
「私っ、この方と結婚するんですっ!」
と言ってしまう。
ところが、そのイケメン、貴継は、かつて道で出会ったケダモノだった。
貴継は、顕人にすべてをバラすと明日実を脅し、ちゃっかり、明日実の家に居座ってしまうのだが――。
ソツのない彼氏とスキのない彼女
吉野 那生
恋愛
特別目立つ訳ではない。
どちらかといえば地味だし、バリキャリという風でもない。
だけど…何故か気になってしまう。
気がつくと、彼女の姿を目で追っている。
***
社内でも知らない者はいないという程、有名な彼。
爽やかな見た目、人懐っこく相手の懐にスルリと入り込む手腕。
そして、華やかな噂。
あまり得意なタイプではない。
どちらかといえば敬遠するタイプなのに…。
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる