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3章 ルルの故郷と恋〜主人公無双が止まらない〜
39.魔物集合!
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俺はまず、村全体にさっきのバリアを張り、安全を確保した。
これでどこから魔物が来ても村は守られる。
その作業が終わり、俺とルルは戦闘に向かう。
「では、行ってきます」
「ああ、悪いな全部任せることになってしまった」
「いえ、魔物退治は冒険者の仕事ですから」
「ルルも気をつけるんだぞ」
「はい!」
俺たちはそんな言葉を交わして、村を離れた。
見送りが村長ひとりなのは寂しいものだ。
こういうのは、村人総出で見送るものだというイメージがあったから尚更だ。
食料不足で村人が寝込んでるのだからしょうがない。
絶対にこの村の活気を取り戻してやろう、と心に決めた。
俺とルルは村から北に2キロほど離れた小山に来た。
さて、一度魔物の群れについて、情報を整理しておくか。
まず、魔物は今いるこの小山を挟んですぐの森にいる。
規模は約千体、魔物の種類はバラバラで、強さはそれこそピンキリだ。
こういう群れは大抵、頭ひとつ抜けた強い魔物が率いていることが多い。
今回も例に漏れず、強い奴がいる。
ドラゴン種。
魔物の頂点に君臨する種族である。
その一角であるワイバーンがこの群れを率いているみたいだ。
ドラゴン種の魔物ランクは低くてもBを下回ることはない。
過去にはSランク以上、つまり人の手には負えないレベルのドラゴンが街を襲ったこともある。
それくらいドラゴン種は、他の魔物と別格の強さを誇る。
それに、探知魔法ではワイバーンの他にも厄介な魔物の存在も捉えていた。
「さて、どこから攻めたものか・・・」
俺は小山の山頂から魔物が集結している森を見下ろしながら呟いた。
「ラウトさん、訓練場で見せてくれた『インフェルノ』って魔法があるじゃないですか。あれは使わないのですか?」
ルルが思い出したように言った。
ルルが言う通り、あの魔法なら一気に殲滅することも可能だが、それをすると問題が起きる。
インフェルノは約1万度を超える炎の塊である。
そんなものを森に放とうものなら、一瞬で森は灰に変わるだろう。
出来るだけ生態系に影響を与えたくはないのだ。
「あれは、威力が強すぎるよ。もう少し森にダメージがない魔法が理想だね」
となると、使える属性は風、水、土、などがある。
闇と光の属性は植物にとってはダメージになり得るので、大事をとって控えるつもりだ。
しかし、風と水は相性が良くない。
同時に使うと相殺してしまうのだ。
「土と水の組み合わせがベストかな。となると、魔物を一箇所に集めたいな」
俺はそう呟いた。
土と水の組み合わせは基本的に局所的な攻撃が多い。
なので、次に考えるべきはどうやって魔物を集めるかだ。
魔物達は食料を求めてきているから、餌でおびき寄せるのが手っ取り早いが、それだと集められる数に限りがある。
なので、もっと効率的に魔物を集める方法が必要だ。
そう俺が思案していると、ルルが思わぬ良案を出してくれた。
「魔物を集めるなら、大きな音を出すのが良いって教えてもらったことがあります」
なるほど音か・・・
確かに、音は森に影響はない。
しかし、音で集まるのだろうか。
地球で音に敏感なのは超音波とか使ってるコウモリとかイルカとかだろうが、あれは自分が出した音の反響をキャッチしてるに過ぎない。
まあ、異世界と言うくらいなのだし、地球とは違う習性があってもおかしくないか・・・
という結論に至り、ほかに案もなかったので、ルルの意見に従うことにした。
「音ならあの魔法だな」
俺はそう呟くと、天に片手を向けて魔法を発動した。
すると、青空から突如、稲妻がラウトの頭上に高速で落ちてきた。
それをラウトは当たる寸前、バリアで直撃を防いだ。
だが、稲妻のもう一つの恐ろしさは音だろう。
バリバリと空気を裂く音と、落下した時の腹を揺するようなドーンという音が森全体に響き渡った。
すると、すぐにゾワッとするような殺気が帰ってきた。
それは、間違いなく魔物がこちらを敵と認識した証拠であった。
これでどこから魔物が来ても村は守られる。
その作業が終わり、俺とルルは戦闘に向かう。
「では、行ってきます」
「ああ、悪いな全部任せることになってしまった」
「いえ、魔物退治は冒険者の仕事ですから」
「ルルも気をつけるんだぞ」
「はい!」
俺たちはそんな言葉を交わして、村を離れた。
見送りが村長ひとりなのは寂しいものだ。
こういうのは、村人総出で見送るものだというイメージがあったから尚更だ。
食料不足で村人が寝込んでるのだからしょうがない。
絶対にこの村の活気を取り戻してやろう、と心に決めた。
俺とルルは村から北に2キロほど離れた小山に来た。
さて、一度魔物の群れについて、情報を整理しておくか。
まず、魔物は今いるこの小山を挟んですぐの森にいる。
規模は約千体、魔物の種類はバラバラで、強さはそれこそピンキリだ。
こういう群れは大抵、頭ひとつ抜けた強い魔物が率いていることが多い。
今回も例に漏れず、強い奴がいる。
ドラゴン種。
魔物の頂点に君臨する種族である。
その一角であるワイバーンがこの群れを率いているみたいだ。
ドラゴン種の魔物ランクは低くてもBを下回ることはない。
過去にはSランク以上、つまり人の手には負えないレベルのドラゴンが街を襲ったこともある。
それくらいドラゴン種は、他の魔物と別格の強さを誇る。
それに、探知魔法ではワイバーンの他にも厄介な魔物の存在も捉えていた。
「さて、どこから攻めたものか・・・」
俺は小山の山頂から魔物が集結している森を見下ろしながら呟いた。
「ラウトさん、訓練場で見せてくれた『インフェルノ』って魔法があるじゃないですか。あれは使わないのですか?」
ルルが思い出したように言った。
ルルが言う通り、あの魔法なら一気に殲滅することも可能だが、それをすると問題が起きる。
インフェルノは約1万度を超える炎の塊である。
そんなものを森に放とうものなら、一瞬で森は灰に変わるだろう。
出来るだけ生態系に影響を与えたくはないのだ。
「あれは、威力が強すぎるよ。もう少し森にダメージがない魔法が理想だね」
となると、使える属性は風、水、土、などがある。
闇と光の属性は植物にとってはダメージになり得るので、大事をとって控えるつもりだ。
しかし、風と水は相性が良くない。
同時に使うと相殺してしまうのだ。
「土と水の組み合わせがベストかな。となると、魔物を一箇所に集めたいな」
俺はそう呟いた。
土と水の組み合わせは基本的に局所的な攻撃が多い。
なので、次に考えるべきはどうやって魔物を集めるかだ。
魔物達は食料を求めてきているから、餌でおびき寄せるのが手っ取り早いが、それだと集められる数に限りがある。
なので、もっと効率的に魔物を集める方法が必要だ。
そう俺が思案していると、ルルが思わぬ良案を出してくれた。
「魔物を集めるなら、大きな音を出すのが良いって教えてもらったことがあります」
なるほど音か・・・
確かに、音は森に影響はない。
しかし、音で集まるのだろうか。
地球で音に敏感なのは超音波とか使ってるコウモリとかイルカとかだろうが、あれは自分が出した音の反響をキャッチしてるに過ぎない。
まあ、異世界と言うくらいなのだし、地球とは違う習性があってもおかしくないか・・・
という結論に至り、ほかに案もなかったので、ルルの意見に従うことにした。
「音ならあの魔法だな」
俺はそう呟くと、天に片手を向けて魔法を発動した。
すると、青空から突如、稲妻がラウトの頭上に高速で落ちてきた。
それをラウトは当たる寸前、バリアで直撃を防いだ。
だが、稲妻のもう一つの恐ろしさは音だろう。
バリバリと空気を裂く音と、落下した時の腹を揺するようなドーンという音が森全体に響き渡った。
すると、すぐにゾワッとするような殺気が帰ってきた。
それは、間違いなく魔物がこちらを敵と認識した証拠であった。
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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