世界最強だけど我が道を行く!!

ぶちこめダノ

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3章 ルルの故郷と恋〜主人公無双が止まらない〜

54.魔物が捕まえやすいわけ

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俺の考えでは、ここらには強い魔物があまり寄ってこない。
でなければ、これほど小規模で戦力も乏しい村が存命しているはずがない。

その理由はいくつか目星が付いている。

一つにはここが山に囲まれた土地であることだ。
山に囲まれている事は様々なデメリットがある。
例えば日没が早い事だ。
日照時間が少なければ大木や巨大な植物が育ち辛い。
そうなると、草食の動物があまり集まって来ないので、それに伴って肉食の生き物も寄って来ないのだ。

もう一つの理由が絶対的な支配者がいる事だ。
今まで触れて来なかったが、ここからそう遠くない所に強大な存在が眠っている。

何がいるのかと言うと魔物の卵だ。
しかもただの魔物ではなくレッドドラゴンの卵なのだ。
レッドドラゴン、つまり火竜である。

火竜は単体で、先日戦ったワイバーンよりも強い。
そんな魔物の卵があるのだ。

卵が何だと言うのだと思ったのなら、それは大きな間違いだ。

卵があると言う事は成竜がいると言う事だ。

今は狩りにでも行っているのか、この近くには親竜らしき反応はないが、いつ現れても不思議ではない。

ドラゴン種は人間にとっても脅威だが、それ以上に魔物にとっても凄まじい脅威だ。
何せ、獲物としているものが同様なので競争が生まれるからだ。

先日のワイバーン襲来もレッドドラゴンが孵化する前に卵を潰してしまおうとして、ここに来たと俺は考えている。


このように乱暴なイメージのある火竜だが、実はそんな事もなかったりする。

火竜は魔物の中でも飛び抜けて強く、そして長寿なのだ。
火竜の成竜は高い知能を持ち、会話が成立することも珍しくない。
なので、火竜と遭遇して生還すると言う例は少なくない。
街がドラゴンに襲われたなんて事件の時に、真っ先に犯人候補から外れるのが火竜だったりする。
勝負を挑むような真似をすれば、即粉々にされるかも知れないが、火竜の気に触る行動さえしなければ、高い確率で逃してくれるらしい。
それくらい温厚な性格なのだ。


結局、何が言いたかったかといえば、ここらは魔物の調達に適していると言う事だ。
さっきも言ったように、強い魔物がいないここ周辺は、弱い魔物の隠れ家のような場所になっている。

村人に魔物を捕らえろと言うのは酷だが、罠などを作って渡せば、村人だけでも十分に捕まえられるくらいの弱い魔物がたくさんいる。

なので、俺はこれから周辺の魔物が集まりやすい、つまり罠を設置するための場所などをルルと共に下見に行こうと思う。


その時、ルルにあの事も聞くつもりだ。


俺はルルとダンさんにその辺りの説明をして外に出た。
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