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7章 組織の暗躍
108.画策
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そもそも俺が集めるべき情報は姉さんについてだ。
すでに分かっているのは、姉さんがこの世界の神によって地球から転移もしくは転生していると言う事だけ。
なので、第一に調べるべきは過去に転移や転生してきた異世界人がいるのか、という点だろう。
過去の事例があれば、それをもとに姉さんに辿り着けるかも知れない。
ただ、そう言った情報は国の重要機密だったりするので、城や図書館の書庫などに保管されているだろう。
とすれば、自ずと警備も厳しくなる。
侵入するにしても、建物の構造くらいは知っておかねばなるまい。
という訳で、俺はガドラス王国の王都に来ていた。
この世界には4つの国があるが、ガドラス王国はその中では情報が乏しい国だろう。
人間の数だけで言えば、隣国のリートア帝国の方が多いため、情報はそちらに集まりやすいだろう。
更に、個人の身体能力や魔力量の高さで、獣人や精霊族は人間より勝っているため、より重要な情報は彼らが保管している可能性が高い。
特にフィーリア王国は魔力探知の魔導具を扱える点で、非常に警備には適性が高い。
つまりこの国にはそこまで重要な機密はないと思うのだ。それは言い換えれば警備が薄いということでもある。
組織として最初の狙いにするにはピッタリだろう。
「まずは図書館からだな」
俺は最初の目的地を図書館に決める。
図書館は一般公開している場所なので建物に入るのは簡単だ。
入り口を通って普通に中へ入った。
中はまばらに人がいて魔法の本やら歴史の本やらを読み耽っている。
上を見ると天井が高く、二階と三階まで吹き抜けになっていた。
二階と三階は本棚が隙間なく置かれている。
どうやら一階は本を持ってきて読むスペースらしい。
ただ、建物の構造的に書庫が入るような空間は一階から三階までにはなさそうだった。
書庫は別の建物か地下にあるのだろうか。
一階を見渡せる位置に司書が座っているのが見えたので、あの人に聞いてみよう。
「すいません。探してる本が見つからないんですけど、書庫はどこにありますか?あれば見せて欲しいのですが……」
直球で聞くと怪しまれるので、少し遠回しに聞く。
「書庫は地下にありますが、一般公開はしていません。よろしければ私がお探ししましょうか?」
「いえ結構です。ありがとうございました」
目当ての情報は得られたのでその場を後にする。
地下に書庫があるのは分かったが、大事なのはどうやって侵入するかだ。
「とりあえず夜を待って警備の様子を観察してみるか」
普通に本を読んだり王都を観光したりしながら時間を潰して夜になるのを待った。
そして夜になり、一般公開する時間を過ぎて図書館から人が出て行った。
外から見える範囲には人はいない。
そこで俺は魔力探知を展開する。
図書館全体を覆うほどの範囲を調べると、建物の入り口とは反対側の建物内部に2人の衛兵が立っているのが分かった。
図書館を巡回する訳でもなく、何かの前で立ち尽くしている。
おそらく地下に続く階段がそこにあり、それを見張っているのだろう。
観察を続けること3時間ほど。
その間、2人はトイレ以外ではその場を動かなかった。
しかし、ちょうど日付が変わる頃、新たな2つの反応が現れ、入り口の反対側から建物の内部に入ってきた。
見張りの交代が行われたらしく、元いた2人は入り口から建物の外に出た。
これで分かったのは裏口があること。
それから真夜中に見張りの交代が行われること。
昼に建物の周りを一周した限り、裏口は見当たらなかったので、何かしらの手段で隠してるのだろう。
それが分かれば侵入出来そうだ。
ある程度、建物の構造は分かったので観察をやめてシェルターに転移で戻る。
今回の作戦は組織としては初めての諜報活動となるので俺、スー、ヒアの3人でやろうと考えている。
万が一、何かトラブルがあっても俺がいれば対処できるのでついていくが、基本はスーとヒアの2人にやってもらうつもりだ。
万全を期すために俺が偵察をしたが、ゆくゆくは偵察も俺抜きで出来るようにしたい。
シェルターに帰って来てスーとヒアに偵察の結果を伝える。
ヒアが暗殺者としての経験をもとに的確に計画を立てていく。
俺は2人がどんな作戦を立ててくれるのか期待して見ていた。
すでに分かっているのは、姉さんがこの世界の神によって地球から転移もしくは転生していると言う事だけ。
なので、第一に調べるべきは過去に転移や転生してきた異世界人がいるのか、という点だろう。
過去の事例があれば、それをもとに姉さんに辿り着けるかも知れない。
ただ、そう言った情報は国の重要機密だったりするので、城や図書館の書庫などに保管されているだろう。
とすれば、自ずと警備も厳しくなる。
侵入するにしても、建物の構造くらいは知っておかねばなるまい。
という訳で、俺はガドラス王国の王都に来ていた。
この世界には4つの国があるが、ガドラス王国はその中では情報が乏しい国だろう。
人間の数だけで言えば、隣国のリートア帝国の方が多いため、情報はそちらに集まりやすいだろう。
更に、個人の身体能力や魔力量の高さで、獣人や精霊族は人間より勝っているため、より重要な情報は彼らが保管している可能性が高い。
特にフィーリア王国は魔力探知の魔導具を扱える点で、非常に警備には適性が高い。
つまりこの国にはそこまで重要な機密はないと思うのだ。それは言い換えれば警備が薄いということでもある。
組織として最初の狙いにするにはピッタリだろう。
「まずは図書館からだな」
俺は最初の目的地を図書館に決める。
図書館は一般公開している場所なので建物に入るのは簡単だ。
入り口を通って普通に中へ入った。
中はまばらに人がいて魔法の本やら歴史の本やらを読み耽っている。
上を見ると天井が高く、二階と三階まで吹き抜けになっていた。
二階と三階は本棚が隙間なく置かれている。
どうやら一階は本を持ってきて読むスペースらしい。
ただ、建物の構造的に書庫が入るような空間は一階から三階までにはなさそうだった。
書庫は別の建物か地下にあるのだろうか。
一階を見渡せる位置に司書が座っているのが見えたので、あの人に聞いてみよう。
「すいません。探してる本が見つからないんですけど、書庫はどこにありますか?あれば見せて欲しいのですが……」
直球で聞くと怪しまれるので、少し遠回しに聞く。
「書庫は地下にありますが、一般公開はしていません。よろしければ私がお探ししましょうか?」
「いえ結構です。ありがとうございました」
目当ての情報は得られたのでその場を後にする。
地下に書庫があるのは分かったが、大事なのはどうやって侵入するかだ。
「とりあえず夜を待って警備の様子を観察してみるか」
普通に本を読んだり王都を観光したりしながら時間を潰して夜になるのを待った。
そして夜になり、一般公開する時間を過ぎて図書館から人が出て行った。
外から見える範囲には人はいない。
そこで俺は魔力探知を展開する。
図書館全体を覆うほどの範囲を調べると、建物の入り口とは反対側の建物内部に2人の衛兵が立っているのが分かった。
図書館を巡回する訳でもなく、何かの前で立ち尽くしている。
おそらく地下に続く階段がそこにあり、それを見張っているのだろう。
観察を続けること3時間ほど。
その間、2人はトイレ以外ではその場を動かなかった。
しかし、ちょうど日付が変わる頃、新たな2つの反応が現れ、入り口の反対側から建物の内部に入ってきた。
見張りの交代が行われたらしく、元いた2人は入り口から建物の外に出た。
これで分かったのは裏口があること。
それから真夜中に見張りの交代が行われること。
昼に建物の周りを一周した限り、裏口は見当たらなかったので、何かしらの手段で隠してるのだろう。
それが分かれば侵入出来そうだ。
ある程度、建物の構造は分かったので観察をやめてシェルターに転移で戻る。
今回の作戦は組織としては初めての諜報活動となるので俺、スー、ヒアの3人でやろうと考えている。
万が一、何かトラブルがあっても俺がいれば対処できるのでついていくが、基本はスーとヒアの2人にやってもらうつもりだ。
万全を期すために俺が偵察をしたが、ゆくゆくは偵察も俺抜きで出来るようにしたい。
シェルターに帰って来てスーとヒアに偵察の結果を伝える。
ヒアが暗殺者としての経験をもとに的確に計画を立てていく。
俺は2人がどんな作戦を立ててくれるのか期待して見ていた。
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