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2章 幼女な神様と2人旅
10.金を貯めたいんだが①
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街外れまで歩いて来ると、周りの建物もまばらになってきた。
依頼書によると、この辺に工房があるらしい。
「おっ、あれか」
「うむ、工房っぽいのだ」
それっぽい建物を見つけて声を上げる。
建てられてから相当経っているのか、古びた壁には蔦が生えている。
しかし、工房は動いているらしく、カーン!カーン!という音が外まで響いている。
入り口らしき所から中へ入り、人を探す。
すると、いかにも職人らしい格好の男に声を掛けられた。
「兄ちゃん達、新入りか?随分と若い子だな」
オレはともかく、ふつうスヴィエートを見て新入りだと思うだろうか。
幼女だぞ。
内心で疑問に思いつつ返答する。
「いや、紹介屋で仕事を斡旋してもらったんだ」
オレは紹介屋で受け取った依頼書を、男に見せながら言った。
「そうだったか。やる事は書いてある通りだが、何か質問はあるか?」
オレは少し考えて答える。
「2つあるな。まず一つ、運んだ鉱石はどこに置けば良い?」
「あそこに炉が見えるだろ?あそこの近くに置いてくれれば助かる」
そう言って男は工房の端を指差す。
確かに、そこには炉のような装置があった。
「分かった。もう一つ、この幼女が出来る仕事は何かないか?もし、なければ見学させてやって欲しい」
スヴィエートの頭の上に手をおきながら尋ねた。
男は工房を見渡して考える仕草をする。
「うーん、嬢ちゃんにできる仕事か……。生憎、今日はなさそうだな。好きに見て貰って構わないが、炉の近くは危ないから近寄らない方が良いぞ」
「だってよ。オレが鉱石を運んでる間は大人しくしとけよ」
「分かったのだ!」
「なら兄ちゃん、ついて来てくれ。リアカーの場所と鉱山までの行き方を教えておかないとな」
男はそう言って工房の外に向かう。
スヴィエートに「後でな」と告げて男の後を追う。
ついて行くと、工房の裏に案内された。
「この道を真っ直ぐ進めば鉱山に出る。そこに人がいるからリアカーに乗せる鉱石は、そいつらに任せれば良い」
一本道なら、道に迷うことはなさそうだ。
男は倉庫のような所からリアカーを持って来る。
「少し古いが、これを使ってくれ」
「分かった」
男の言う通り古そうだが、穴が空いたりしている訳ではないので、今日一日使う分には問題ないだろう。
「じゃあ行ってくる」
「ああ、よろしく頼む」
オレは男に一言だけ告げてリアカーを引き始める。
木々に囲まれた一本道をオレは進んでいく。
行きは空のリアカーを引くだけなので気楽だ。
あまり景色の変わらない道を10分ほど歩いていると、鉱山が見えて来た。
「おっ、来た!今日は運搬役が見つかったんだね」
ガラガラとリアカーを引く音に気づいた作業着の女が、作業を止めて声をかけてきた。
二十くらいの若い女だ。
女がいる事を少し意外に思いながら返答する。
「鉱石を積むのは任せれば良いって聞いてるんだが、リアカーはどこに置けばいい?」
「そこで良いよっ」
女はそう言いながら、持っていたツルハシを地面に突き刺す。
「ちょっとリアカーから離れてくれる?」
すぐ側まで来るとオレにそう言う。
指示通り離れて、何をするのかと見ていると、女は少し離れた所にある地面に積まれた鉱石の山に手を向けた。
「《ハイウィンド》!」
女の詠唱と共に手の前に魔法陣が現れ、風魔法が発動した。
すると、風で重たそうな鉱石が宙に浮いて、どんどんとリアカーに積まれていく。
あっという間にリアカーが鉱石で一杯になった。
凄いなと感心する。
「……凄い魔法だな。そんな魔法があるならオレは要らないんじゃないか?」
リアカーで運ぶよりよっぽど効率が良いだろう。
しかし、それは出来ないと女は否定する。
「魔力の消費が激しくて、精々一日に2、3回しか使えないの。それにこれ位の距離が限界なんだ」
なるほど、便利なだけにデメリットもあるのか。
「結構、重いと思うけどひとりで大丈夫?」
女は心配そうに言う。
確かに結構な量がある。
少し不安になってきたので、リアカーを試しに引いてみる。
ズッズッ!ゴロゴロゴロ………
「大丈夫そうだ」
「えッ!?身体強化した?」
女が驚きの表情でオレを凝視する。
「身体強化?それは魔法か何かだったりするのか?」
「魔力を身体に纏わせて運動能力を上げる技術のこと!力仕事をする時は使うのが当たり前だよ!?」
「使ったことないな……」
「うそ……生身で動かせる重さじゃないよね、これ」
女は確かめるようにリアカーを引こうとするがビクともしない。
「やっぱり動かない……」
「昔から剣を振ってたから力が強いのかもな」
「そう言う問題じゃない気もするけど、そんな人もいるって事よね、うん」
女は自分に言い聞かせるように、無理やり納得する。
「とにかく、これを工房に持ってくだけで良いんだよな?」
「そう、よろしくね!」
「戻るか……」
オレはリアカーを反転させて来た道を引き返した。
依頼書によると、この辺に工房があるらしい。
「おっ、あれか」
「うむ、工房っぽいのだ」
それっぽい建物を見つけて声を上げる。
建てられてから相当経っているのか、古びた壁には蔦が生えている。
しかし、工房は動いているらしく、カーン!カーン!という音が外まで響いている。
入り口らしき所から中へ入り、人を探す。
すると、いかにも職人らしい格好の男に声を掛けられた。
「兄ちゃん達、新入りか?随分と若い子だな」
オレはともかく、ふつうスヴィエートを見て新入りだと思うだろうか。
幼女だぞ。
内心で疑問に思いつつ返答する。
「いや、紹介屋で仕事を斡旋してもらったんだ」
オレは紹介屋で受け取った依頼書を、男に見せながら言った。
「そうだったか。やる事は書いてある通りだが、何か質問はあるか?」
オレは少し考えて答える。
「2つあるな。まず一つ、運んだ鉱石はどこに置けば良い?」
「あそこに炉が見えるだろ?あそこの近くに置いてくれれば助かる」
そう言って男は工房の端を指差す。
確かに、そこには炉のような装置があった。
「分かった。もう一つ、この幼女が出来る仕事は何かないか?もし、なければ見学させてやって欲しい」
スヴィエートの頭の上に手をおきながら尋ねた。
男は工房を見渡して考える仕草をする。
「うーん、嬢ちゃんにできる仕事か……。生憎、今日はなさそうだな。好きに見て貰って構わないが、炉の近くは危ないから近寄らない方が良いぞ」
「だってよ。オレが鉱石を運んでる間は大人しくしとけよ」
「分かったのだ!」
「なら兄ちゃん、ついて来てくれ。リアカーの場所と鉱山までの行き方を教えておかないとな」
男はそう言って工房の外に向かう。
スヴィエートに「後でな」と告げて男の後を追う。
ついて行くと、工房の裏に案内された。
「この道を真っ直ぐ進めば鉱山に出る。そこに人がいるからリアカーに乗せる鉱石は、そいつらに任せれば良い」
一本道なら、道に迷うことはなさそうだ。
男は倉庫のような所からリアカーを持って来る。
「少し古いが、これを使ってくれ」
「分かった」
男の言う通り古そうだが、穴が空いたりしている訳ではないので、今日一日使う分には問題ないだろう。
「じゃあ行ってくる」
「ああ、よろしく頼む」
オレは男に一言だけ告げてリアカーを引き始める。
木々に囲まれた一本道をオレは進んでいく。
行きは空のリアカーを引くだけなので気楽だ。
あまり景色の変わらない道を10分ほど歩いていると、鉱山が見えて来た。
「おっ、来た!今日は運搬役が見つかったんだね」
ガラガラとリアカーを引く音に気づいた作業着の女が、作業を止めて声をかけてきた。
二十くらいの若い女だ。
女がいる事を少し意外に思いながら返答する。
「鉱石を積むのは任せれば良いって聞いてるんだが、リアカーはどこに置けばいい?」
「そこで良いよっ」
女はそう言いながら、持っていたツルハシを地面に突き刺す。
「ちょっとリアカーから離れてくれる?」
すぐ側まで来るとオレにそう言う。
指示通り離れて、何をするのかと見ていると、女は少し離れた所にある地面に積まれた鉱石の山に手を向けた。
「《ハイウィンド》!」
女の詠唱と共に手の前に魔法陣が現れ、風魔法が発動した。
すると、風で重たそうな鉱石が宙に浮いて、どんどんとリアカーに積まれていく。
あっという間にリアカーが鉱石で一杯になった。
凄いなと感心する。
「……凄い魔法だな。そんな魔法があるならオレは要らないんじゃないか?」
リアカーで運ぶよりよっぽど効率が良いだろう。
しかし、それは出来ないと女は否定する。
「魔力の消費が激しくて、精々一日に2、3回しか使えないの。それにこれ位の距離が限界なんだ」
なるほど、便利なだけにデメリットもあるのか。
「結構、重いと思うけどひとりで大丈夫?」
女は心配そうに言う。
確かに結構な量がある。
少し不安になってきたので、リアカーを試しに引いてみる。
ズッズッ!ゴロゴロゴロ………
「大丈夫そうだ」
「えッ!?身体強化した?」
女が驚きの表情でオレを凝視する。
「身体強化?それは魔法か何かだったりするのか?」
「魔力を身体に纏わせて運動能力を上げる技術のこと!力仕事をする時は使うのが当たり前だよ!?」
「使ったことないな……」
「うそ……生身で動かせる重さじゃないよね、これ」
女は確かめるようにリアカーを引こうとするがビクともしない。
「やっぱり動かない……」
「昔から剣を振ってたから力が強いのかもな」
「そう言う問題じゃない気もするけど、そんな人もいるって事よね、うん」
女は自分に言い聞かせるように、無理やり納得する。
「とにかく、これを工房に持ってくだけで良いんだよな?」
「そう、よろしくね!」
「戻るか……」
オレはリアカーを反転させて来た道を引き返した。
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