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2章 幼女な神様と2人旅
17.夜が来たんだが
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ナイトを拾った後、オレ達は森を目指して歩き始めた。
スヴィエートが起きているので、あまり退屈せずに済む。
他愛もない会話をしていると、あっという間に森に着いた。
聞いた話によると、この森は強い魔物がほとんど住みついていないらしい。
隣街への道はいくつかあったが、スヴィエートがいるので多少、遠回りでも安全な道を選んだのだ。
気楽に歩きながら気になった事を口にする。
「そう言えば、もうすぐ昼ご飯だが、ナイトの食事はどうする?肉はそんなにたくさん持ってきてないぞ」
ウルフは基本的に肉食だし、足りるか心配なところがある。
スヴィエートは頭に乗ったナイトに意識を向ける。
読心術を使っているのだろう。
「まだ子供なのと、我の頭に乗っているおかげでエネルギーはほぼ消費しないみたいなのだ。3日くらいなら食事もしなくて問題ないらしい」
スヴィエートは視線をオレに向けるとそう言う。
「そうか、それは助かるな。それなら余った肉を食べさせる感じにするか」
「うむ、それで良いと思うのだ」
そんな会話をしつつ少し歩くと、良さげな倒木を見つけたのでオレ達は、それに腰掛けて街で買っておいたサンドウィッチなどの軽食を口にする。
オレ達が食べているのを、ナイトが羨ましそうに見ていたので、生ハムを少し分けてあげたりもした。
そうして昼食を終えると、再び歩き出したオレ達は何度か休憩を挟みながら森を進んだ。
そうして日が傾き始めた頃に森を抜け、また草原に出た。
さらに歩みを進めると、だんだんと暗くなってくる。
「そろそろ野営する場所を探さないとな」
「野営する場所?適当に決めるのではないのか?草原なら、どこも同じな気がするのだ」
「まあ、それも間違ってはいないが、野営する場所を決める時は条件がある。まず今回なら水辺は避けるべきだな」
水辺を避けると聞いて、スヴィエートは意外そうな顔をする。
「そうなのか?」
「水は十分に用意してきたからな。水辺には動物とか魔物が集まりやすいから、水が用意できてる時は避けた方がいいんだ」
「ふむ、確かに言われてみれば納得なのだ」
スヴィエートは何度も頷いて言った。
「それから見晴らしの良い場所にするのも鉄則だな」
「それは分かるのだ。魔物の接近に気づきやすいからなのだ!」
スヴィエートは、それは知っていると主張する。
だが、それだと不十分だ。
「もちろんそれもあるが、今回はどちらかと言うと、魔物にこちらの存在を知らせるためだな」
「存在を知らせる?」
スヴィエートは首を傾げて考える仕草をした。
頭を傾けた事でナイトが落ちそうになったが、慌ててスヴィエートが手で支えた。
突然のことに驚いて、身体をビクッとさせるナイトは少し可愛かった。
それはともかく、スヴィエートの疑問に答えてやる。
「ああ、意外かもしれないが、弱い魔物は人がいると分かっていれば、あまり近づいて来ないんだ。人と同じように、魔物も命がけの戦いは避けたいんだろうな」
「そうだったのか」
「だから野営する場所は状況によって変える必要がある」
説明してやるとスヴィエートは、尊敬の眼差しを向けてくる。
「ディランは博識なのだ」
「伊達に5年も深淵の森で暮らしてねぇよ」
「うむ、我はとても良い家来を持ったのだ」
「あ?誰が家来だ!!保護者だ、保護者!!」
「我は神様なのだッ!」
「あー、はいはい」
もはや、お決まりになってきたやり取りをして、オレ達は野営に適した場所を探し始めた。
スヴィエートが起きているので、あまり退屈せずに済む。
他愛もない会話をしていると、あっという間に森に着いた。
聞いた話によると、この森は強い魔物がほとんど住みついていないらしい。
隣街への道はいくつかあったが、スヴィエートがいるので多少、遠回りでも安全な道を選んだのだ。
気楽に歩きながら気になった事を口にする。
「そう言えば、もうすぐ昼ご飯だが、ナイトの食事はどうする?肉はそんなにたくさん持ってきてないぞ」
ウルフは基本的に肉食だし、足りるか心配なところがある。
スヴィエートは頭に乗ったナイトに意識を向ける。
読心術を使っているのだろう。
「まだ子供なのと、我の頭に乗っているおかげでエネルギーはほぼ消費しないみたいなのだ。3日くらいなら食事もしなくて問題ないらしい」
スヴィエートは視線をオレに向けるとそう言う。
「そうか、それは助かるな。それなら余った肉を食べさせる感じにするか」
「うむ、それで良いと思うのだ」
そんな会話をしつつ少し歩くと、良さげな倒木を見つけたのでオレ達は、それに腰掛けて街で買っておいたサンドウィッチなどの軽食を口にする。
オレ達が食べているのを、ナイトが羨ましそうに見ていたので、生ハムを少し分けてあげたりもした。
そうして昼食を終えると、再び歩き出したオレ達は何度か休憩を挟みながら森を進んだ。
そうして日が傾き始めた頃に森を抜け、また草原に出た。
さらに歩みを進めると、だんだんと暗くなってくる。
「そろそろ野営する場所を探さないとな」
「野営する場所?適当に決めるのではないのか?草原なら、どこも同じな気がするのだ」
「まあ、それも間違ってはいないが、野営する場所を決める時は条件がある。まず今回なら水辺は避けるべきだな」
水辺を避けると聞いて、スヴィエートは意外そうな顔をする。
「そうなのか?」
「水は十分に用意してきたからな。水辺には動物とか魔物が集まりやすいから、水が用意できてる時は避けた方がいいんだ」
「ふむ、確かに言われてみれば納得なのだ」
スヴィエートは何度も頷いて言った。
「それから見晴らしの良い場所にするのも鉄則だな」
「それは分かるのだ。魔物の接近に気づきやすいからなのだ!」
スヴィエートは、それは知っていると主張する。
だが、それだと不十分だ。
「もちろんそれもあるが、今回はどちらかと言うと、魔物にこちらの存在を知らせるためだな」
「存在を知らせる?」
スヴィエートは首を傾げて考える仕草をした。
頭を傾けた事でナイトが落ちそうになったが、慌ててスヴィエートが手で支えた。
突然のことに驚いて、身体をビクッとさせるナイトは少し可愛かった。
それはともかく、スヴィエートの疑問に答えてやる。
「ああ、意外かもしれないが、弱い魔物は人がいると分かっていれば、あまり近づいて来ないんだ。人と同じように、魔物も命がけの戦いは避けたいんだろうな」
「そうだったのか」
「だから野営する場所は状況によって変える必要がある」
説明してやるとスヴィエートは、尊敬の眼差しを向けてくる。
「ディランは博識なのだ」
「伊達に5年も深淵の森で暮らしてねぇよ」
「うむ、我はとても良い家来を持ったのだ」
「あ?誰が家来だ!!保護者だ、保護者!!」
「我は神様なのだッ!」
「あー、はいはい」
もはや、お決まりになってきたやり取りをして、オレ達は野営に適した場所を探し始めた。
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