2 / 26
第1段階 part2
しおりを挟む
さて、皆様こんにちは!ユナです。ひとつ質問!婚約者が自分の世界にのめり込んで、周りが全く見えてないんだけど…私どうすりゃいいの?
今目の前にいるのは、私の婚約者のクリスト。乙女ゲームの攻略対象のひとり。でも……実は自己中心的、残念な王子様だった。もういいかげんうんざりだ。自慢話が終わらない。よくもまぁ、こんなにも自慢話が続くものだ。でも、そろそろ…ねぇ…
「あのぉ、クリスト様?」
「俺の父親が……だから俺は……」
「あのぉ、ちょっと私の話しを」
「それがさ……ほんとに……なぁ」
「ちょっと!ねぇってば!」
あぁーダメだこいつ全然聞いてない。ちょっとは周りを見ろっての。使用人が心配して顔を出しているじゃない。そろそろ、どっか移動しないとヤバいってば!うぅ。終わりそうにない。あぁもうっ!イラつく。ユナはどうしてこんなやつ好きになったの?わからない。まぁ……もういっか。もともと、婚約なんて破棄してもらうつもりだし。この自己中心的な性格を理由にお父様に相談しよう。あーあばからし。
バイバイ。クリスト。私じゃなくてもあんたを選んでくれる人はいくらでもいるよ。私は無理だけどね。
私は、自分の世界に入り込んだクリストを残してその場を後にした。だって、足が痛いんだもん。メイドはぎょっとした顔をしていたが、優しく足の手当てをしてくれた。靴ずれで赤く腫れていたからだ。ちなみに、このメイドさん、モナというらしい。優しくてお母さんみたいで。私はモナが好きだ。お父様には、その後すぐに話をつけにいった。私があんまりにもズバズバというのでしぶしぶ承諾してくれた。どうやら、娘に弱いらしい。
それからは、スローライフとはいかないもののそれなりに自由に過ごしていた。生活自体もそこまで問題なく会話も文字も全然困ってない。前世を思い出す前の記憶もしっかりあるから特に問題なく今を過ごしている。ユナの記憶に前世の私がプラスされただけだ。クリストといえば、何度か会いに来たが私がことごとく、突っぱねるので最近はあきらめて来なくなった。そのうちに婚約もめでたく破棄され、私の『スローライフ計画』第1段階は見事達成されたのだった。クリストには申し訳ないことをしたとも思うがこればかりはしょうがない。許してね!クリスト!
「お嬢様。ほんとによろしかったんですか?クリスト様との婚約破棄。あんなに慕っておられたではありませんか!」
まぁ、モナが納得いかないのも分かる。王子様にご執心だった令嬢が、ある日突然興味をなくし、婚約破棄にまでもっていったのだから。
「いいんだよ。モナ。他にも王子を見てくれる人はたくさんいるから。」
「ですが……納得できません!!お嬢様も人が変わられたようだし。何がなんだかもう……」
アハハハハ。ご名答。人変わってるから。しょうがないでしょ!私もわかんないよ!
「私、そんなに変……かなぁ?」
モナは私を見てほほえんだ。
「いいえ。ちょっと話し方は崩れた感じですけど。私は今のお嬢様も大好きですよ。雰囲気も柔らかくなられて。」
「そっか……ありがとう。」
「いいえ。そんな。あたりまえです。」
中身はユナと私の2人分の性格と記憶がつまっている。雰囲気が変わったり、性格が違っているのは多少は仕方ないだろう。お父様に言ったら新しい婚約の話しはしばらく、先送りにしてくれるようだし。『スローライフ計画』は着実に進んでいる。
「ところでお嬢様?お勉強の方は……もちろん進んでますよね?」
「アハハハ。も……もちろん。進んでますとも。ねぇ」
怖い怖い、モナっ!笑顔がすっごく怖いよ!
「もうっ。もうすぐ魔法学院に入学なされるんでしょ?試験、通りませんよ?」
「魔法学院?」
「えぇ。お嬢様のお母様の母校ですよ。お嬢様は魔法に長けていらっしゃいますからね。楽しみですね!」
あ。あれぇー。私のスローライフ……お預けってこと!?えぇー。
「ちなみに……学院にいかないってことは?できちゃったり……」
「しません!」
「ですよねー」
あぁ。私のスローライフが遠くに……ん?待てよ。魔法学院……確か乙女ゲームにもそんな場面あったような。待って待ってちょっとストップ。今は、ストーリーのどこらへん?クリストとの婚約破棄のことばかりしか頭に入ってなかったけど。乙女ゲームの舞台は魔法学院……。って…えっ!?もしかして、ストーリーすらまだ始まってない?そんな段階なわけ!?て…てことは。私が魔法学院にはいるとして……もしかしなくても
アナベル来るじゃん!!普通に初恋追って入学して来るじゃん!!クリストもいたっけ。あぁ気まずい!いや、それよりアナベル!さて……どうしたもんかなぁ……はぁ。
ということで結局、婚約破棄無駄でした。まぁ、クリストとは別れるいいきっかけになったけど。事前解決の意味なし。アナベルと出会いますよっと。
私の『スローライフ計画』第2段階。魔法学院編スタートです!
パチパチパチパチ……はぁ。全く。
どうしてこうなったんだか……
今目の前にいるのは、私の婚約者のクリスト。乙女ゲームの攻略対象のひとり。でも……実は自己中心的、残念な王子様だった。もういいかげんうんざりだ。自慢話が終わらない。よくもまぁ、こんなにも自慢話が続くものだ。でも、そろそろ…ねぇ…
「あのぉ、クリスト様?」
「俺の父親が……だから俺は……」
「あのぉ、ちょっと私の話しを」
「それがさ……ほんとに……なぁ」
「ちょっと!ねぇってば!」
あぁーダメだこいつ全然聞いてない。ちょっとは周りを見ろっての。使用人が心配して顔を出しているじゃない。そろそろ、どっか移動しないとヤバいってば!うぅ。終わりそうにない。あぁもうっ!イラつく。ユナはどうしてこんなやつ好きになったの?わからない。まぁ……もういっか。もともと、婚約なんて破棄してもらうつもりだし。この自己中心的な性格を理由にお父様に相談しよう。あーあばからし。
バイバイ。クリスト。私じゃなくてもあんたを選んでくれる人はいくらでもいるよ。私は無理だけどね。
私は、自分の世界に入り込んだクリストを残してその場を後にした。だって、足が痛いんだもん。メイドはぎょっとした顔をしていたが、優しく足の手当てをしてくれた。靴ずれで赤く腫れていたからだ。ちなみに、このメイドさん、モナというらしい。優しくてお母さんみたいで。私はモナが好きだ。お父様には、その後すぐに話をつけにいった。私があんまりにもズバズバというのでしぶしぶ承諾してくれた。どうやら、娘に弱いらしい。
それからは、スローライフとはいかないもののそれなりに自由に過ごしていた。生活自体もそこまで問題なく会話も文字も全然困ってない。前世を思い出す前の記憶もしっかりあるから特に問題なく今を過ごしている。ユナの記憶に前世の私がプラスされただけだ。クリストといえば、何度か会いに来たが私がことごとく、突っぱねるので最近はあきらめて来なくなった。そのうちに婚約もめでたく破棄され、私の『スローライフ計画』第1段階は見事達成されたのだった。クリストには申し訳ないことをしたとも思うがこればかりはしょうがない。許してね!クリスト!
「お嬢様。ほんとによろしかったんですか?クリスト様との婚約破棄。あんなに慕っておられたではありませんか!」
まぁ、モナが納得いかないのも分かる。王子様にご執心だった令嬢が、ある日突然興味をなくし、婚約破棄にまでもっていったのだから。
「いいんだよ。モナ。他にも王子を見てくれる人はたくさんいるから。」
「ですが……納得できません!!お嬢様も人が変わられたようだし。何がなんだかもう……」
アハハハハ。ご名答。人変わってるから。しょうがないでしょ!私もわかんないよ!
「私、そんなに変……かなぁ?」
モナは私を見てほほえんだ。
「いいえ。ちょっと話し方は崩れた感じですけど。私は今のお嬢様も大好きですよ。雰囲気も柔らかくなられて。」
「そっか……ありがとう。」
「いいえ。そんな。あたりまえです。」
中身はユナと私の2人分の性格と記憶がつまっている。雰囲気が変わったり、性格が違っているのは多少は仕方ないだろう。お父様に言ったら新しい婚約の話しはしばらく、先送りにしてくれるようだし。『スローライフ計画』は着実に進んでいる。
「ところでお嬢様?お勉強の方は……もちろん進んでますよね?」
「アハハハ。も……もちろん。進んでますとも。ねぇ」
怖い怖い、モナっ!笑顔がすっごく怖いよ!
「もうっ。もうすぐ魔法学院に入学なされるんでしょ?試験、通りませんよ?」
「魔法学院?」
「えぇ。お嬢様のお母様の母校ですよ。お嬢様は魔法に長けていらっしゃいますからね。楽しみですね!」
あ。あれぇー。私のスローライフ……お預けってこと!?えぇー。
「ちなみに……学院にいかないってことは?できちゃったり……」
「しません!」
「ですよねー」
あぁ。私のスローライフが遠くに……ん?待てよ。魔法学院……確か乙女ゲームにもそんな場面あったような。待って待ってちょっとストップ。今は、ストーリーのどこらへん?クリストとの婚約破棄のことばかりしか頭に入ってなかったけど。乙女ゲームの舞台は魔法学院……。って…えっ!?もしかして、ストーリーすらまだ始まってない?そんな段階なわけ!?て…てことは。私が魔法学院にはいるとして……もしかしなくても
アナベル来るじゃん!!普通に初恋追って入学して来るじゃん!!クリストもいたっけ。あぁ気まずい!いや、それよりアナベル!さて……どうしたもんかなぁ……はぁ。
ということで結局、婚約破棄無駄でした。まぁ、クリストとは別れるいいきっかけになったけど。事前解決の意味なし。アナベルと出会いますよっと。
私の『スローライフ計画』第2段階。魔法学院編スタートです!
パチパチパチパチ……はぁ。全く。
どうしてこうなったんだか……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる