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78豚似と少年達
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闇夜の中で、上陸艇はゆっくりと、
寒村とも呼べない僅かな住居がまばらにあるだけの海岸沿いを避ける様に、峰の裏側の砂浜に降り立った。
鹿島とトーマスにヤンとポールたちは、
上陸艇から日出国の砂浜に降り立った。
外は真っ暗であるが、
鹿島は、懐かしい潮の香りが漂っている匂いを嗅いでいた。
上陸艇からエミューに引かれた、二台のホロ付き荷車も下ろされてくる。
塩生産工場は、既にコーA.Iからの指示で場所は確定されていて、
鹿島達は、既に農地改革を成し遂げている日出国に興味が湧いていたので、
鹿島は三人を伴い、日出国の漫遊を計画した。
今日は、その資材と施工計画の打ち合わせに便乗してきた。
四頭のエミューに引かれたホロ付き二台の荷車には、
既にサーチライトが設置されているので、闇夜の移動は可能であった。
作戦本営部は、闇夜の中を日出国の都に向かって出発した。
海岸沿いには、防潮風の松似の針葉樹木が延々と植えられている。
内陸は耕作地のようであるが、夜のとばりに隠されている。
内陸部には星を遮るように、
所々に丘か山並みか分からないが、平原の地平線の星を隠している。
日が差し始めて、道は遥か遠くの丘まで真っ直ぐに伸びている。
丘の向こうには、日出国の都が見えるはずである。
雑木林の丘を越えてそろそろ陽が真上に掛かる頃、
コーA.Iから子供達を含んだグループが、
豚似コヨーテに襲われだしたとの連絡が入った。
距離は、ほんの三百メートル先の雑木林脇の開けた草原らしい。
ヤンとポールは、
それぞれ四頭のエミューに鞭を当て続けながら全速力で向かった。
四人は、今回の漫遊にはレーザーガンと甲冑は不要と思い、
荷車の奥にしまい込んであるので、
持っている武器は、手榴弾と波動尾刃剣だけである。
襲われている現場は、
粗末な囲いの中で円形陣内にけが人と子供達を庇う様に、
剣を持った二人の大人と少年たちが、
豚似コヨーテからの攻撃を防いでいる。
子供達を庇う少年たちもかなり怪我をしているが、
少年達の気迫は、豚似コヨーテを圧迫している。
しかしながら、豚似コヨーテの数は、少年たちよりも上回っている。
番長姫君達は、
ヒトコブ兎捕獲の為の囲い柵を設置している最中に豚似コヨーテが現れた。
最初、豚似コヨーテは、数頭であったのだが、
段々と増えていく中でけが人が出始めたので柵の中に逃げ込んで行った。
戦うにはまだ幼すぎる者たちを円の中に集めながらも、
柵を防御に何とか豚似コヨーテを防いでいた。
豚似コヨーテは、いつの間にか番長姫君達の倍になっていて、
柵の防衛線はとっぱされてしまい、
最早逃げだすこともできない状態に陥った。
最早、目の前にいる豚似コヨーテの攻撃を防ぐだけの絶望的な状況になった。
豚似コヨーテは、大きく口を開けて鋭い牙で嚙みつこうとするが、
何とかその牙を避ける事はできても、
時間とともに増えていく豚似コヨーテの多さに、対応は難しいと思えていた。
番長姫君達は、鋭い牙と爪を指南役の助けで何とか防いでいるが、
全ての鋭い足の爪を避けるのは段々難しくなりだした。
番長姫君は、
足と腕を豚似コヨーテの鋭い爪によって引っかかれてしまった時、
突然に、
番長姫君の見知らぬ者たちが、豚似コヨーテの群れの中に現れていた。
豚似コヨーテの群れの中に飛び込んだのは、鹿島達四人である。
鹿島達は、荷車を粗末な囲いに接岸すると、
豚似コヨーテの密集しているあたりを選んで飛び込んでいた。
番長姫君は、何人かの剣士が救援に飛び込んで来てくれたのだと思った。
だが、剣士等は、
人技と思えない速さで肉を骨ごと断ち切る真っ赤な剣で、
豚似コヨーテの血吹雪を周りに雨のように降り注がせている者達の光景に恐怖した。
番長姫君は、傷の痛さにへたり込むと同時に、
面先の豚似コヨーテは、
大きく口を開き鋭くとがった牙で襲い掛かろうとジャンプして来たが、
その首は、口を開いたまま胴から離れて番長姫君の足元に転がり落ちた。
番長姫君は、鋭くとがった牙を避けきれないと感じて恐怖に襲われたが、誰かの手助けで救われたようである。
番長姫君は、自分に向かってきた豚似コヨーテを、
一撃の下に倒したヤンと目が合った。
ヤンの眼は、鋭いまなざしであったが、
直ぐに番長姫君に大した怪我がないのを確信すると、
やさしさで溢れるようににこりと微笑み、
ヤンは、
指南役二人の前にいる豚似コヨーテ三頭の首を瞬時に難無くはね終えると、番長姫君のそばに駆け寄った。
ヤンは、腕と足のひっかき傷周りの服布を引き裂くと、
傷薬を塗りたくって白い布を重ね合わせて押し当てだした。
番長姫君は、まだ戦闘中であるのに、
自分だけに治療をしてくれることに戸惑っていると、蘭丸の叫びが聞こえた。
ヤンは、番長姫君を治療中であったが、
無言で番長姫君の腕をつかんで白い布を抑えさせると、
蘭丸にかけよって行った。
ヤンは、蘭丸の太ももに嚙みついた豚似コヨーテの頭を掴むと、
口を切り裂いて下あごを落としたが、既に蘭丸の太ももは齧られていた。
豚似コヨーテの攻撃は単調で、常に爪で切り込むと同時に、
牙でかみ砕こうとするだけなので、
常に急所をさらしだしているだけであった。
鹿島は、二十頭近くも倒しただろうか、
豚似コヨーテの立っている姿は見えなくなった。
ヤンの甲高い声が響いた。
「隊長。かなりの怪我人がいます。例の治療法をお願いします。」
との声で、
鹿島は、反射的にヤン傍にかけ飛んで少年の横にかがみこむと、
少年の口の中に赤い微粒子を押し込んだ。
えぐり取られた太ももに万能傷薬を塗り込むと、
てんこ盛りにした微粒子を両手で太ももに被せた。
太ももに被せた赤い微粒子は、騒ぎ出したように暴れだしたが、
血の流れは止まったようなので、
そのまま抑えていると温かい皮膚の感じがしだした。
無我夢中であった為か、
確信などない行為をしたのは、ヤンからの要請にこたえるためであった。
静まり返った周りの気配を感じて、
我に返った番長姫君は、
治療してくれた男に礼を述べるために周りを見渡すと、
密集していた全ての豚似コヨーテは、全て倒されているのには驚かされたが、身二つにされた豚似コヨーテのその中に、
仁王立ちしている者たちの中から一人の男が駆けて来て、
掌に精霊を集めて蘭丸の口へ押し込む光景を唖然としながら見とれていた。
なおも番長姫君は、蘭丸の太ももから血がとどめなく流れているが、
男は、流れ出ている血を押し戻すように塗り薬をこすりつけた後に、
再度両手にかなりの精霊を集めると、
それを太ももに被せる行為に驚愕していた。
番長姫君は、何度となく、
王室に呼ばれた医術者の癒し回復治療を見てきたが、
こんな多くの精霊を集めきれる癒し回復治療師などこれまでは見たことがなかった。
柵の中の皆も、重症の蘭丸の治療行為に鎮静し、
その行為只一点に注目しているだけである。
トーマスとポールも肩掛けバッグから、
万能回復薬と万能傷薬を取り出すと、皆に配り始めていた。
あちらこちらで傷の治療は行われていて、
みんなは回復しているかのようで笑顔になったときに、
番長姫君も自分の傷に気が付き、痛みを感じない引っかかれた傷跡を見ると、いつの間にか血だらけになっていた肌は完治していた。
あれほどの傷が跡形もなく、
短時間のうちに傷跡もなく元の肌のままである。
完治した傷に驚きと共に、
突然に表れた者達への得体の知れない恐怖を再び感じた。
鹿島は、暫くすると温かい皮膚の感じしかしなくなったので、
やんわりにそーっと掌の影から太ももの傷を覗き込んだら、
そこには薄らと赤い皮膚が有り、すでに傷が治っているようにも思えた。
鹿島が驚いて太ももから手をどかすと、
何事かと覗いていた皆が驚きの声を上げたが、
一番驚いて声を出したいのは鹿島であった。
鹿島と同様に驚いているのは、
太ももの肉をえぐり取られていた少年であるようで、
口を動かしているが声が出ない様である。
混乱の中、番長姫君は、
いつの間にか豚似コヨーテは全滅していて、
全ての怪我人は、全員回復している事に未だに現実感がなかった。
豚似コヨーテとの戦闘中に、
刃の刃先が速くて刃の動きを見切れさせなかった男は、
今は、蘭丸の齧られた太ももに、手を添えたままであったが、
まさかの奇跡を起こしていた。
蘭丸の太ももは、大量の精霊を吸収したためか、完治していたのである。
「あなた様達は、どなたでしょうか?」
と、番長姫君は、鹿島に敬畏を込めて声掛けした。
「ただの商人です。」
と、鹿島は、自分が行った行為結果に驚いている心を隠すように返事した。
鹿島が周りを見渡すと、
大人二人に少年たち十五、六人に、子供達は六人であったが、
皆は、鹿島に向かって両手の指を絡ませて合掌して跪き、
ガイア様へ感謝の言葉を述べている。
「ただの商人が回復魔法を使えるのですか?」
「エルフ種族から買った万能薬のおかげです。」
「回復魔法を使えることを、秘密にしろと。」
鹿島が大きく頷くと、ヤンは、
「お願いします。」
と、男の服装をした長身の番長姫君に頭を下げた。
「しかしお礼をしなければなりません。望みのものがありますか?」
「何もありません。もし何か困ったことが起きたときは、
お願いするかもしれませんが、
今は、すべて事足りていますので、要求は何もないです。」
男の服装をした長身の番長姫君以外の者は、
鹿島達に恐怖顔をしながらも奇跡を見た思いで、感謝の思いを伝えたいが、何をどうすれば良いのか理解しがたい様子である。
寒村とも呼べない僅かな住居がまばらにあるだけの海岸沿いを避ける様に、峰の裏側の砂浜に降り立った。
鹿島とトーマスにヤンとポールたちは、
上陸艇から日出国の砂浜に降り立った。
外は真っ暗であるが、
鹿島は、懐かしい潮の香りが漂っている匂いを嗅いでいた。
上陸艇からエミューに引かれた、二台のホロ付き荷車も下ろされてくる。
塩生産工場は、既にコーA.Iからの指示で場所は確定されていて、
鹿島達は、既に農地改革を成し遂げている日出国に興味が湧いていたので、
鹿島は三人を伴い、日出国の漫遊を計画した。
今日は、その資材と施工計画の打ち合わせに便乗してきた。
四頭のエミューに引かれたホロ付き二台の荷車には、
既にサーチライトが設置されているので、闇夜の移動は可能であった。
作戦本営部は、闇夜の中を日出国の都に向かって出発した。
海岸沿いには、防潮風の松似の針葉樹木が延々と植えられている。
内陸は耕作地のようであるが、夜のとばりに隠されている。
内陸部には星を遮るように、
所々に丘か山並みか分からないが、平原の地平線の星を隠している。
日が差し始めて、道は遥か遠くの丘まで真っ直ぐに伸びている。
丘の向こうには、日出国の都が見えるはずである。
雑木林の丘を越えてそろそろ陽が真上に掛かる頃、
コーA.Iから子供達を含んだグループが、
豚似コヨーテに襲われだしたとの連絡が入った。
距離は、ほんの三百メートル先の雑木林脇の開けた草原らしい。
ヤンとポールは、
それぞれ四頭のエミューに鞭を当て続けながら全速力で向かった。
四人は、今回の漫遊にはレーザーガンと甲冑は不要と思い、
荷車の奥にしまい込んであるので、
持っている武器は、手榴弾と波動尾刃剣だけである。
襲われている現場は、
粗末な囲いの中で円形陣内にけが人と子供達を庇う様に、
剣を持った二人の大人と少年たちが、
豚似コヨーテからの攻撃を防いでいる。
子供達を庇う少年たちもかなり怪我をしているが、
少年達の気迫は、豚似コヨーテを圧迫している。
しかしながら、豚似コヨーテの数は、少年たちよりも上回っている。
番長姫君達は、
ヒトコブ兎捕獲の為の囲い柵を設置している最中に豚似コヨーテが現れた。
最初、豚似コヨーテは、数頭であったのだが、
段々と増えていく中でけが人が出始めたので柵の中に逃げ込んで行った。
戦うにはまだ幼すぎる者たちを円の中に集めながらも、
柵を防御に何とか豚似コヨーテを防いでいた。
豚似コヨーテは、いつの間にか番長姫君達の倍になっていて、
柵の防衛線はとっぱされてしまい、
最早逃げだすこともできない状態に陥った。
最早、目の前にいる豚似コヨーテの攻撃を防ぐだけの絶望的な状況になった。
豚似コヨーテは、大きく口を開けて鋭い牙で嚙みつこうとするが、
何とかその牙を避ける事はできても、
時間とともに増えていく豚似コヨーテの多さに、対応は難しいと思えていた。
番長姫君達は、鋭い牙と爪を指南役の助けで何とか防いでいるが、
全ての鋭い足の爪を避けるのは段々難しくなりだした。
番長姫君は、
足と腕を豚似コヨーテの鋭い爪によって引っかかれてしまった時、
突然に、
番長姫君の見知らぬ者たちが、豚似コヨーテの群れの中に現れていた。
豚似コヨーテの群れの中に飛び込んだのは、鹿島達四人である。
鹿島達は、荷車を粗末な囲いに接岸すると、
豚似コヨーテの密集しているあたりを選んで飛び込んでいた。
番長姫君は、何人かの剣士が救援に飛び込んで来てくれたのだと思った。
だが、剣士等は、
人技と思えない速さで肉を骨ごと断ち切る真っ赤な剣で、
豚似コヨーテの血吹雪を周りに雨のように降り注がせている者達の光景に恐怖した。
番長姫君は、傷の痛さにへたり込むと同時に、
面先の豚似コヨーテは、
大きく口を開き鋭くとがった牙で襲い掛かろうとジャンプして来たが、
その首は、口を開いたまま胴から離れて番長姫君の足元に転がり落ちた。
番長姫君は、鋭くとがった牙を避けきれないと感じて恐怖に襲われたが、誰かの手助けで救われたようである。
番長姫君は、自分に向かってきた豚似コヨーテを、
一撃の下に倒したヤンと目が合った。
ヤンの眼は、鋭いまなざしであったが、
直ぐに番長姫君に大した怪我がないのを確信すると、
やさしさで溢れるようににこりと微笑み、
ヤンは、
指南役二人の前にいる豚似コヨーテ三頭の首を瞬時に難無くはね終えると、番長姫君のそばに駆け寄った。
ヤンは、腕と足のひっかき傷周りの服布を引き裂くと、
傷薬を塗りたくって白い布を重ね合わせて押し当てだした。
番長姫君は、まだ戦闘中であるのに、
自分だけに治療をしてくれることに戸惑っていると、蘭丸の叫びが聞こえた。
ヤンは、番長姫君を治療中であったが、
無言で番長姫君の腕をつかんで白い布を抑えさせると、
蘭丸にかけよって行った。
ヤンは、蘭丸の太ももに嚙みついた豚似コヨーテの頭を掴むと、
口を切り裂いて下あごを落としたが、既に蘭丸の太ももは齧られていた。
豚似コヨーテの攻撃は単調で、常に爪で切り込むと同時に、
牙でかみ砕こうとするだけなので、
常に急所をさらしだしているだけであった。
鹿島は、二十頭近くも倒しただろうか、
豚似コヨーテの立っている姿は見えなくなった。
ヤンの甲高い声が響いた。
「隊長。かなりの怪我人がいます。例の治療法をお願いします。」
との声で、
鹿島は、反射的にヤン傍にかけ飛んで少年の横にかがみこむと、
少年の口の中に赤い微粒子を押し込んだ。
えぐり取られた太ももに万能傷薬を塗り込むと、
てんこ盛りにした微粒子を両手で太ももに被せた。
太ももに被せた赤い微粒子は、騒ぎ出したように暴れだしたが、
血の流れは止まったようなので、
そのまま抑えていると温かい皮膚の感じがしだした。
無我夢中であった為か、
確信などない行為をしたのは、ヤンからの要請にこたえるためであった。
静まり返った周りの気配を感じて、
我に返った番長姫君は、
治療してくれた男に礼を述べるために周りを見渡すと、
密集していた全ての豚似コヨーテは、全て倒されているのには驚かされたが、身二つにされた豚似コヨーテのその中に、
仁王立ちしている者たちの中から一人の男が駆けて来て、
掌に精霊を集めて蘭丸の口へ押し込む光景を唖然としながら見とれていた。
なおも番長姫君は、蘭丸の太ももから血がとどめなく流れているが、
男は、流れ出ている血を押し戻すように塗り薬をこすりつけた後に、
再度両手にかなりの精霊を集めると、
それを太ももに被せる行為に驚愕していた。
番長姫君は、何度となく、
王室に呼ばれた医術者の癒し回復治療を見てきたが、
こんな多くの精霊を集めきれる癒し回復治療師などこれまでは見たことがなかった。
柵の中の皆も、重症の蘭丸の治療行為に鎮静し、
その行為只一点に注目しているだけである。
トーマスとポールも肩掛けバッグから、
万能回復薬と万能傷薬を取り出すと、皆に配り始めていた。
あちらこちらで傷の治療は行われていて、
みんなは回復しているかのようで笑顔になったときに、
番長姫君も自分の傷に気が付き、痛みを感じない引っかかれた傷跡を見ると、いつの間にか血だらけになっていた肌は完治していた。
あれほどの傷が跡形もなく、
短時間のうちに傷跡もなく元の肌のままである。
完治した傷に驚きと共に、
突然に表れた者達への得体の知れない恐怖を再び感じた。
鹿島は、暫くすると温かい皮膚の感じしかしなくなったので、
やんわりにそーっと掌の影から太ももの傷を覗き込んだら、
そこには薄らと赤い皮膚が有り、すでに傷が治っているようにも思えた。
鹿島が驚いて太ももから手をどかすと、
何事かと覗いていた皆が驚きの声を上げたが、
一番驚いて声を出したいのは鹿島であった。
鹿島と同様に驚いているのは、
太ももの肉をえぐり取られていた少年であるようで、
口を動かしているが声が出ない様である。
混乱の中、番長姫君は、
いつの間にか豚似コヨーテは全滅していて、
全ての怪我人は、全員回復している事に未だに現実感がなかった。
豚似コヨーテとの戦闘中に、
刃の刃先が速くて刃の動きを見切れさせなかった男は、
今は、蘭丸の齧られた太ももに、手を添えたままであったが、
まさかの奇跡を起こしていた。
蘭丸の太ももは、大量の精霊を吸収したためか、完治していたのである。
「あなた様達は、どなたでしょうか?」
と、番長姫君は、鹿島に敬畏を込めて声掛けした。
「ただの商人です。」
と、鹿島は、自分が行った行為結果に驚いている心を隠すように返事した。
鹿島が周りを見渡すと、
大人二人に少年たち十五、六人に、子供達は六人であったが、
皆は、鹿島に向かって両手の指を絡ませて合掌して跪き、
ガイア様へ感謝の言葉を述べている。
「ただの商人が回復魔法を使えるのですか?」
「エルフ種族から買った万能薬のおかげです。」
「回復魔法を使えることを、秘密にしろと。」
鹿島が大きく頷くと、ヤンは、
「お願いします。」
と、男の服装をした長身の番長姫君に頭を下げた。
「しかしお礼をしなければなりません。望みのものがありますか?」
「何もありません。もし何か困ったことが起きたときは、
お願いするかもしれませんが、
今は、すべて事足りていますので、要求は何もないです。」
男の服装をした長身の番長姫君以外の者は、
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