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if サイラスルート
僕の
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僕は、母上のことは別に好きじゃない
そう思ってた。
家族としては好きだけど。母上を父上たちと一緒に抱くのも楽しいけど。
でも父上や兄上のように、母上を特別な女性として好きな訳じゃない。他の誰も、特別には思えない。僕はきっと、一生そういう感情とは無縁なんだろうなって、ずっとそう思ってた。
なのに
あの日、母上は僕を選んだ。
罪悪感からか兄上を選べずに苦しむ母上に、発破をかけるつもりで言った「僕か兄上、どちらかを選んで」って台詞。
どうしてかは分からないけど、母上は僕を選んだ。
あんなに父上と兄上の間で揺れていたのに。あんなに彼らを想っていたのに。
もしかしたら疲れてしまったのかもしれない。父上を忘れられなくて。それなのに兄上に惹かれることも止められなくて。
父上の姿は見ることさえできず、兄上には真っ直ぐな想いをぶつけられて。
そんな状況に、疲れてしまったのかもしれない。
だから僕に逃げ場を求めた。そういうことなのかもしれない。
でも、もうどうでもいい。
理由なんて。
母上がどうして僕に縋ったのかなんて、もう知りたくない。
僕は…僕も…母上に心を囚われてしまったから。
父上や兄上と同じように。
この人しか要らないと。
そんな感情を、母上に対して抱いてしまったから。
あの時母上は、僕の手を取った。
僕を選んだのだ。
だから。
もう離したりしない。
僕から離れるなんて許さない。
僕にもあったのだ。
こんな感情が。
たった一人だけを強く求める感情が。
父上は…多分苦笑するだろうな。これを知ったら。
「おまえもか」って。肩をすくめて。
父上は、もう母上に触れることはできないから。兄上のものになろうが僕のものになろうが同じだろうから。
でも兄上は…僕を憎むかもしれない。
もう少しで手に入る筈だった母上を、いきなり僕に横取りされて。怒って泣いて憎むかもしれない。
決して…許してくれないかもしれない。
こんな気持ちを抱く前なら、母上を誘導して兄上との仲を取り持ってあげられただろう。
けど、今となってはもうダメだ。
だって僕も、母上がいい。
もう、母上じゃなきゃ嫌だ。
兄上にも、渡せない。
参ったな、と母上の細い身体に抱きついてため息を零した。
不思議そうな顔をする母上に苦笑して、なんでもないと首を横に振ってみせる。
「もう一回しようか、リィ」
そして、そんな言葉ひとつで未だに顔を赤くする、僕の大事な人に口づける。
しょうがない。
それでも僕は、この人がいいのだから。
そう思ってた。
家族としては好きだけど。母上を父上たちと一緒に抱くのも楽しいけど。
でも父上や兄上のように、母上を特別な女性として好きな訳じゃない。他の誰も、特別には思えない。僕はきっと、一生そういう感情とは無縁なんだろうなって、ずっとそう思ってた。
なのに
あの日、母上は僕を選んだ。
罪悪感からか兄上を選べずに苦しむ母上に、発破をかけるつもりで言った「僕か兄上、どちらかを選んで」って台詞。
どうしてかは分からないけど、母上は僕を選んだ。
あんなに父上と兄上の間で揺れていたのに。あんなに彼らを想っていたのに。
もしかしたら疲れてしまったのかもしれない。父上を忘れられなくて。それなのに兄上に惹かれることも止められなくて。
父上の姿は見ることさえできず、兄上には真っ直ぐな想いをぶつけられて。
そんな状況に、疲れてしまったのかもしれない。
だから僕に逃げ場を求めた。そういうことなのかもしれない。
でも、もうどうでもいい。
理由なんて。
母上がどうして僕に縋ったのかなんて、もう知りたくない。
僕は…僕も…母上に心を囚われてしまったから。
父上や兄上と同じように。
この人しか要らないと。
そんな感情を、母上に対して抱いてしまったから。
あの時母上は、僕の手を取った。
僕を選んだのだ。
だから。
もう離したりしない。
僕から離れるなんて許さない。
僕にもあったのだ。
こんな感情が。
たった一人だけを強く求める感情が。
父上は…多分苦笑するだろうな。これを知ったら。
「おまえもか」って。肩をすくめて。
父上は、もう母上に触れることはできないから。兄上のものになろうが僕のものになろうが同じだろうから。
でも兄上は…僕を憎むかもしれない。
もう少しで手に入る筈だった母上を、いきなり僕に横取りされて。怒って泣いて憎むかもしれない。
決して…許してくれないかもしれない。
こんな気持ちを抱く前なら、母上を誘導して兄上との仲を取り持ってあげられただろう。
けど、今となってはもうダメだ。
だって僕も、母上がいい。
もう、母上じゃなきゃ嫌だ。
兄上にも、渡せない。
参ったな、と母上の細い身体に抱きついてため息を零した。
不思議そうな顔をする母上に苦笑して、なんでもないと首を横に振ってみせる。
「もう一回しようか、リィ」
そして、そんな言葉ひとつで未だに顔を赤くする、僕の大事な人に口づける。
しょうがない。
それでも僕は、この人がいいのだから。
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