【完結】意地っ張りで口の悪い受けと、拗らせて執着する攻めの日常

ハリエニシダ・レン

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進路〜春休み

獣人プレイ1 ※

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数日後、東雲から紙袋を手渡された。

「これ着て」って。

何かと思って開けてみたら、そこにはケモミミのカチューシャと尻尾と、ピチッとしたTシャツにホットパンツ。それと靴下が入っていた。
あからさま過ぎる意図に、顔に血がのぼる。

「おまっ…こんなの着れっかよ!」

なんて破廉恥な!
怒る俺に東雲は、

「あ、入れ忘れてた」

と、細い鎖の付いた首輪を手渡そうとした。

ふざけんな!エッチ過ぎるだろ!

差し出されたそれを、パシッと床にはたき落とす。
なんだよ、つけ耳と尻尾と首輪って!

紙袋を握りしめて、羞恥に震える俺に奴は言いやがった。

「つけてあげる」

って。
顎を指でつかまれて、唇を塞がれる。つい、いつもの癖で口を開けば奴の舌が入ってきて、口の中を舐め回される感覚に、ヤバいと思いながらも力が抜けた。
指先だけでしがみつく俺を、奴はベッドへと横たえた。

最初からこのつもりで寝室に呼んだのかよ!

耳をくすぐられ脇腹を撫でられ、どんどん体に力が入らなくなっていく。
そんな俺の服を、東雲はなんなく脱がせた。
いつもなら次は、胸あたりを触ってくるのに、今日はさっき渡された服を着せられる。
力が抜けてロクに抵抗もできない俺に、東雲はTシャツと脚がむき出しなズボンを履かせ、耳も尻尾も首輪までつけやがった。

「ふざ…けんな…」

に対する奴の返事は、

「とっても可愛いよ。似合ってる」

だった。
マジでふざけんな。こんなものが似合ってたまるか!

そう言いたいのに、奴に首を舐められただけで、まともに声がでなくなった。
首輪と肌の境界を丹念に舐められると、首輪の存在を強く意識させられてゾクゾクが止まらない。
もぞもぞと腰を揺らす俺を、東雲は笑った。

「気持ちいい?」

カッと頰に血が上ってそっぽを向いた。
無理やりこんな格好させられて、素直に気持ちいいとか言えるわけねぇだろ!
そう思うのに、奴の手は止まらない。ぴったりと肌に張り付く薄い生地のTシャツを撫で回す。

「乳首、立ってる」

笑いを含んだ声で指摘され、Tシャツの上からつままれた。

「っ!」

腰が跳ねた。
反対側の乳首を、Tシャツの上から舐められる。
奴の唾液がTシャツに染みて、肌に生地を貼り付かせる。
いつもと違う感触が、俺を追いつめていく。

なんだよこれ。すげーエロい…。

恥ずかしくて嫌なのに、俺の下半身はズボンの下でパンパンに膨れ上がっていて。
いつの間にか両手は、首輪の先についていた小さめの輪っかに手錠のようにまとめられ、頭側のベッドの柵に引っ掛けられていた。
腕を上に無理やり上げさせられたような格好で、自由に動かせない。

「っやっ!んっ…」

抗議の言葉は、奴の唇の中に消えた。

「可愛いよ。すごく可愛い」

奴は、ギラギラと興奮しきった目で俺を見ている。
こいつにこういう目で見られるの、嫌いじゃねぇけど、この状況は恥ずかし過ぎる。

「これ…外せよ…」

力の入らない口でなんとか要求したが

「ダメ」

とにっこり笑って却下された。
あんまり暴れると、手枷と繋がっている首輪が締まって苦しい。
涙目で睨みつける俺を楽しそうに見つめながら、奴はズボンの上から俺のモノを撫で回した。
腰が跳ねて、奴の手に自分のモノを押しつけるような格好になってしまう。

「今日は積極的だね?藤堂」

そんなことを言う東雲が憎たらしいのに、体はどんどん高ぶらされていく。
ズボン越しの鈍い感覚がもどかしくて、腰が動くのを止められない。

「ズボンっ…嫌っ…」

「直接触って欲しい?」

東雲は、めちゃくちゃ嬉しそうに聞いてきた。
このSがっ。
悔しいけど、頷く。もう、余裕がない。
そしたら、

「して欲しいことがあるなら、ちゃんと言葉でおねだりして」

って言いやがった!
この野郎、後で覚えておけよ。
そう思うけど、でも今は体の欲求に逆らえず口を開いた。

「直接…触って…」

死にたくなるほど甘えた声が出た。
奴は、とてもいい笑顔で笑った。

「わかった」

って。
で、俺のズボンのボタンを外してチャックに手をかけたんだけど、なんか変だった。
後ろの方までチャックを引っ張り下ろされる感覚がした。急に下半身が楽になったのはいいんだけど、これ、もしかして履いたままできる『ソレ用』のやつじゃねぇ?
しかもこれ履かせる時に下着は脱がされて直履きだったみたいだし…

なんて物を着せるんだ!

って頭にきたけど、今はもうそれどころじゃなかった。

「早く、触って…」

あきらかにソレ用とわかるズボンの切れ端を身につけて、興奮したモノを剥き出しにして腰を揺らす自分の姿は、ひどくいやらしいとわかっていたけれど止められない。

東雲の大きな手に自分のソレをつかまれて、それだけで暴発しそうになる。
自ら腰を振る俺を、奴は的確に追いつめていく。

「んっ…あぁっ…」

自分のものだとは認めたくないくらいに甘ったるい声が、俺の口から漏れる。毎度のこととはいえ、居た堪れない。
東雲の指は、そんな俺を容赦なく追いつめていく。

「可愛いよ」

耳元で囁かれた瞬間、東雲の手の中に出してしまっていた。

この瞬間に「可愛い」って言われるのが一番嫌だ。まるで可愛いって言われたのを喜んでるみたいに見えるから。

東雲のバリエーションはたいてい決まっていて、「可愛い」か「好き」か「愛してる」のどれかだ。
素面の時に「「可愛い」は嫌だ」って言ってみたけど、「無意識だからどうしようもない」って言いやがった。


荒い息を吐く俺を、東雲は触り続ける。

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