R18完結)夫は私のことが好きだったようです

ハリエニシダ・レン

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本編

13 君は私のモノなのだから

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お風呂から出てきたザーク様が、一瞬部屋の入り口で立ち止まった気配がした。
毛布を被って丸くなる私に、戸惑ったのかもしれない。

「ルーシー?」

返事は、しない。
ただ、毛布を握る手に力を込めた。
その動きで、私が起きていることに気づいたのか、ザーク様が近づいてきた。

「どうした?ルーシー。何かあったのか?」

何か…は、あった。
夫が女性の香水の匂いをつけて帰ってきた。上着に残る匂いは薄いのに、内側のシャツにははっきりと分かるほどに濃く。

上着…脱いだんですか…?その人の前で。
…なんの為に…?
…その人と…何を…してきたんですか…?

妻以外の女性と関係を持つくらい、きっと政略結婚なら当たり前のことなのだ。
ザーク様は毎日帰ってきて、帰りが遅くならない限りは私と一緒に眠る。蔑ろにされたと感じたこともない。
きっと「いい夫」なのだ。他人から見れば。

でも…嫌だった。
ザーク様が私以外の女性に触れる。私に対してのように妻だから、義務だからではなく。その人を抱きたいから…愛して…いるから。
そんなのは、想像するだけでも嫌だった。

「ルーシー。黙っていては分からない」

ザーク様の少し困惑したような声。次いで毛布をあっさり剥ぎ取られる。反動でコロンと仰向けになった私の肩にザーク様の大きな手が触れた。
その瞬間、思わず力一杯振り払っていた。その手で他の人に触れたところを想像してしまって。

「触らないでくださいっ!」

パチンと、私の手がザーク様の手を叩く音が静かな部屋に響いた。
…ザーク様の顔が強張った。

「「触らないで」とは、どういう意味だ?」

低い声を出して、ザーク様が私を睨みつけた。強い視線に身体が震える。

「ルーシー。君は私の妻だ」

私に、自分に言い聞かせるような呟き。
私の両脇に手を突き、覆い被さるように私を見下ろして。

「君は私のモノだ」

「っ…!」

あなたは私のモノじゃないのにですか!?

カッと頭に血が上り、思わずそう叫びそうになった。
妻は夫の付属品。そんなのわかってる。
でも悔しくて、黙って精一杯睨み返した。私の視線を受けたザーク様の唇が皮肉気に歪んだ。

「つまり君の夫である私は、妻である君に何をしたっていいんだよ」

ザーク様の手が、バスローブの腰紐を解いて、それで私の両腕を後ろ手に縛りつけた。

「こんなことをしたって、何も問題はないんだ。許されてしまう」

耳元で囁いたザーク様の手が、乱暴に私の寝巻きをたくし上げ、下着を引きずり下ろす。

「君は私の妻なのだから」


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