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再びの説明タイム
その後も色々されてベッドから出られなくなってしまった私に、シュウが飲み物を持ってきてくれた。
「…ありがと」
一応、お礼を言った。
………完全に彼の所為なんだけどねっ…!
なんかもう、出されたのがあそこから溢れてきてるし、でもまだ中にもたっぷり入ってる気がするし……
「…………まだ説明必要?」
って、当たり前!
私ほぼ何も理解できてないからっ!
睨むと「しょうがないなぁ」と肩を竦めたシュウがベッドに腰掛けた。
そして遂にとうとう、まともな説明が始まった。
それによると、ここはやっぱり異世界らしい。…どうりで車もバイクも自転車も走っていないはずだ。
それに人間の手は、聖職者だろうと普通発光したりはしない……
ベッドの上に突然現れた私を見て、シュウはすぐに異世界人だと気づいたそうだ。
私にはよくわからないけど、異世界から来た私は、シュウの世界の人とは雰囲気が違うらしい。
「じゃなきゃ泥棒として捕まえてた」
それはそうか。
で、元の世界に戻るつもりも無さそうだから結婚した、と。
待って!
今、重要な説明がサラッと飛んだから!
「戻るつもり」って言った!
異世界転移って一通だと思い込んでたけど…
「私……帰れるの…?」
思わず期待を込めて見上げた。
でも
「………もう、帰れないよ」
サクッと否定された。
…一瞬、期待したのに。
落ち込む私を見るシュウの目は、何故か不機嫌そうだった。それはそれで気になったけど、言い方に含みを感じたので聞き返した。
「…………もう?」
「…うん。来たばっかりの時なら帰れたけど、今はもう無理」
「………そうなんだ」
やっぱり帰れないらしい。
はっきりそう言われたら、悲しくなった。別に、毎日が凄く楽しかった訳ではないけれど…
でももう、二度と触れることができないんだ。楽しみにしてた小説やマンガの続きも、時間とお金を取られまくるソシャゲも、ダラダラ見続けちゃう動画も、仕事……はどうでもいいか。
慣れ親しんだものを思い浮かべてしょんぼり俯いたら、優しく抱き寄せられた。
「うん。…君は元の世界にはもう絶対に二度と帰れないけど……でも大丈夫だよ。僕がずっと側にいるから…」
温かい腕の中で涙ぐむ。
帰れない……もう二度と……
その言葉が、とても重く心にのしかかる。
突然の事で心細い。凄く。
でも現実なら受け入れなきゃ…
ぎゅっと抱きつくと、更に強く抱きしめてくれた。
…これは現実の温もりだ。
確かな人の温もり。
……一人じゃないなら……シュウが居てくれるなら……それなら……きっと……
顔をシュウの胸にきつく押しつけて泣いた。
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