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第二章:現実という名の迷宮
015話『名と誓い、そして繋がる絆』
魔法陣の光がゆっくりと消え、静けさだけが残った。
空気がわずかに温かい。まだ、血の契約の余韻がこの場に漂っている。
ふと見ると、クラウディア――いや、“彼女”の顔に淡い赤みがさしていた。
白磁のような肌に滲む温度。今まで見たどんな表情よりも、生きている気配だった。
「……そんな顔も、できるんだな」
思わず漏れた僕の声に、彼女が瞬きする。
そして、小さく笑った。
「だって、嬉しいもの。こんなにも長い間、誰とも“対等に”会話したことなんてなかったのよ」
その声には、力ではなく柔らかい誇りが宿っていた。
孤独を生きてきた者の声だ。
だからこそ、僕はあえて少しだけ、軽い調子で返した。
「……なあ、今さらなんだけどさ。もう一回、名前をちゃんと聞いてもいいか?」
クラウディアの銀の瞳が、不思議そうに瞬く。
「ふふ、もう名乗ったはずよ?」
「いや、覚えてるんだけど……あの時は正直、緊張しててな。目の前で“始祖”を名乗られたら、頭が真っ白になるって」
照れ隠しの笑いを交えながら言うと、クラウディアは小さく吹き出した。
「たしかに、あの時は少し脅かしすぎたかもしれないわね。改めて――私はクラウディア=ノクティア・ブラッドヴェイン。覚えられるかしら?」
「うん、今回はちゃんと刻み込む。……でも、やっぱり長いな」
思わず本音がこぼれる。
「ふふっ、言われてみれば、そうかもね」
クラウディアは口元を押さえながら微笑んだ。
「じゃあ、“ディア”って呼んでもいいか?」
「……ディア?」
彼女はその響きを試すように口にした。
数回、ゆっくりと。
そして、指先で髪をすくいながら、柔らかく笑う。
「ディア……ふふ、いい響きね。呼ばれるの、悪くないわ」
その無邪気な笑顔に、胸の奥がふっと温かくなる。
まるで、初めて友達ができた子どものように。
彼女にとって“呼ばれること”は、それだけ特別なことなのだろう。
「僕は時任秀人。こっちは――」
「コユキよ」
隣から淡々と割り込むように声がした。
軽く尻尾を揺らしながらも、どこか得意げな表情だ。
ディアは二人の名をゆっくりと繰り返し、静かに頷いた。
「……いいわね。時任秀人、コユキ。私のことも、これからは“ディア”って呼んで。友達として」
小さな約束が、言葉ではなく呼び名として刻まれた気がした。
一息ついてから、僕は少し真面目な口調に戻った。
「……なあ、ディア。ここって、どこなんだ? 他に誰かいるのか?」
「もう、誰もいないわ」
ディアの声は静かで、それでいて深かった。
「かつては使用人も、守りのモンスターもいたけれど……今はみんな、私の血で作った存在。」
その言葉に、胸の奥が締めつけられるような感覚が走る。
長い年月、たった一人だったのだろう
寂しさや孤独を、どれだけ抱え込んできたのか……想像もつかない。
「そして、ここは新大阪ゲートの第94階層。」
「94階層……?」
軽い眩暈がした。
「……俺たち、そんなに深くまで来てたのか」
足元の石の冷たさが、ようやく現実感を伴って戻ってくる。
そして、思わず尋ねた。
「いったい……何階層まであるんだろう?」
「106階層までよ」
その声が割り込んだのは、コユキだった。
僕とディアが同時に振り返ると、彼女自身が少し驚いたように瞬きをしていた。
「……今、わかったの。“ここが94階層”って聞いた瞬間、頭の中の靄が一気に晴れた。本来なら85階層あたりで少しずつ情報が開放されるはずだったのに、一気に飛ばしたせいで、まとめて開いた感じね」
「私も今、初めて知ったわ」
ディアが小さく笑う。その笑みには、達観と少しの驚きが混じっていた。
僕は心の中で苦笑した。
——まるで、フロアボスをスキップして最終盤にワープした気分だ。
ズルをして、知らないうちに物語の裏側に来てしまったような。
けれど、その表情は複雑に揺れる。
コユキが、視線を落としたまましっぽをわずかに揺らしていた。
その様子に、胸の奥がざわつく。
「……どうした? 何か気になることでもあるのか?」
声をかけると、コユキは少しの間、言葉を探すように沈黙した。
やがて、小さく息を吐いて口を開く。
「……血の契約を結んだせいで、この階層のボス――つまりディアを倒せなくなったの。だから、第95階層には進めない」
ようやく、彼女が血の契約の儀式のときに浮かべた複雑な表情の理由を理解した。
「……そうか」
しばらく黙ったあとで、僕はゆっくりと息を吐いた。
そして、言葉を慎重に整えた。
「でも、悪くないと思うよ」
二人が同時にこちらを見た。
僕は笑みを添えたまま、続けた。
「もしこれが3階層とかだったら焦ったと思う。でも94階層なら――この場所を拠点にして、準備を整える時間をもらえたと思えばいい。無理に動くより一回整える方が結果が出ること、あるだろ?時間はある。だったら、その間に何か方法は見つかるさ」
コユキが苦笑して肩をすくめた。
「……言い方だけ聞けば、ポジティブシンキングの見本ね」
ピンチのときこそ、前を向くほうがいい。
後ろを向いていても、打開策なんて浮かばない。
追い詰められた頭で考えるより、一度呼吸を整えて“次の手”を探した方が、きっと精度は上がる。
ネガティブな空気は、判断を曇らせるだけだ。
どんな仕事でもそうだった――混乱している現場ほど、まず心の温度を下げる人間が強い。
焦らず整える。それが、僕のやり方だ。
ディアは、胸元で手を握りしめながら俯いた。
「……ごめんなさい。本当は、気づいてたの。
契約を結べば、あなたたちが先に進めなくなるって。
でも……友達ができたのが嬉しくて、止められなかったの」
その声は、消えてしまいそうなほど小さかった。
僕はすぐに首を振った。
「違う。ディアのせいじゃない。僕が言い出したんだ。“友達になろう”って」
言葉の温度を落とさず、まっすぐに伝える。
「今はこれでいいと思う。階層は進めなくても、それ以上に大事なものを手に入れたから」
ディアの銀の瞳が、ゆっくりと瞬く。
そして、咲くように笑った。
その笑みを見た瞬間、胸の奥が熱くなる。
理性が危うくなるほどに、綺麗だった。
……危険だ。この人は。
理屈ではなく、存在そのもので心を揺さぶってくる。
戦闘よりもタチが悪い。
(落ち着け。これは、ただの美的衝撃だ。うん、きっとそれだ)
隣を見ると、コユキがじと目をしていた。
(やっぱりバレてる!?)
僕は慌てて視線を逸らし、わざとらしく咳払いした。
その間にも、ディアは表情を明るくし、唐突に言った。
「そうだわ。友好の証として、あなたに“力”を貸すわ。——スキルを三つ、貸与する」
「スキルを……?」
驚く僕に、ディアは自信たっぷりに頷いた。
「あなた、技能共有結でスキルを共有しているでしょう?血の契約なら、似た仕組みで共有できるはずよ。制限はあるけれど」
ディアは手を差し出した。
「貸与の媒体が必要だから、何か身につけているものを」
僕は腕の数珠型ブレスレットを外して差し出す。
彼女が指先を滑らせ、そこに一滴の血を垂らした。
淡い赤い光が走り、刻印のような紋が浮かぶ。
「まず一つ目。《再生》――自然回復の促進よ。切り傷や打撲なら短時間で治る。戦闘中の立て直しに役立つはず」
「二つ目。《不老幻姿》――老いを拒み、必要に応じて見た目年齢を変えられるスキル。長期的には、身体の劣化を抑える“時間の防御膜”みたいなものね」
コユキが小声で呟いた。
「美容業界が泣いて喜びそうね」
「三つ目。《影縫い》――影を固定し、対象を数秒拘束する。直接の物理拘束ではないけれど、決定機会を作るには十分よ」
僕は息を呑んだ。
どれも強力で、戦況を左右するスキルだ。
特に《再生》は、命を救う局面が必ずある。
「……こんな強力なのを、貸していいのか?」
ディアはくすりと笑う。
「当然よ。すぐ死なれたら困るもの。それに、老いぼれても困るわ。友達には、できるだけ長く元気でいてほしいから」
その言い方があまりに自然で、思わず言葉が詰まる。
こういうとき、彼女は本当に年齢不詳のまま可愛い。
けれど――人が歳を取らないということには、やっぱりどこか引っかかる。
命の有限さが、人を前に進ませる原動力でもあるからだ。
でも、今それを考えても答えは出ない。
すぐに解けない問題は、一度横に置いておく。
仕事でもそうだが、焦って結論を出すより、進みながら考えた方が建設的なことも多い。
だから僕は、今はただ彼女の笑顔を見ていることにした。
ディアは続けた。
「このブレスレットを通じて、私はあなたたちのそばにいることができる。世界を感じることができる。見守るだけ。友達だから監視じゃないわ。——外の風を、少し分けてね」
「……“そばにいる”って、いい言葉だな」
妙に意識してしまって、耳がじんわりと熱くなる。
「じゃあ、始めるわね」
ディアが小さく呟くと、赤い紋様が宙に広がる。
その光がブレスレットへ吸い込まれ、静かに消えた。
「これで完了。ブレスレットを媒介に、スキルが共有される。そして、私も少しだけ、外の世界を“見る”ことも“行動”もできる。」
その笑顔は、まるで夜明けを迎えた誰かのように優しかった。
僕はその光を見ながら、静かに息を整えた。
胸の奥に、微かな鼓動が響く。
“契約”という言葉ではなく、
——“絆”という言葉が、今はしっくりくる。
空気がわずかに温かい。まだ、血の契約の余韻がこの場に漂っている。
ふと見ると、クラウディア――いや、“彼女”の顔に淡い赤みがさしていた。
白磁のような肌に滲む温度。今まで見たどんな表情よりも、生きている気配だった。
「……そんな顔も、できるんだな」
思わず漏れた僕の声に、彼女が瞬きする。
そして、小さく笑った。
「だって、嬉しいもの。こんなにも長い間、誰とも“対等に”会話したことなんてなかったのよ」
その声には、力ではなく柔らかい誇りが宿っていた。
孤独を生きてきた者の声だ。
だからこそ、僕はあえて少しだけ、軽い調子で返した。
「……なあ、今さらなんだけどさ。もう一回、名前をちゃんと聞いてもいいか?」
クラウディアの銀の瞳が、不思議そうに瞬く。
「ふふ、もう名乗ったはずよ?」
「いや、覚えてるんだけど……あの時は正直、緊張しててな。目の前で“始祖”を名乗られたら、頭が真っ白になるって」
照れ隠しの笑いを交えながら言うと、クラウディアは小さく吹き出した。
「たしかに、あの時は少し脅かしすぎたかもしれないわね。改めて――私はクラウディア=ノクティア・ブラッドヴェイン。覚えられるかしら?」
「うん、今回はちゃんと刻み込む。……でも、やっぱり長いな」
思わず本音がこぼれる。
「ふふっ、言われてみれば、そうかもね」
クラウディアは口元を押さえながら微笑んだ。
「じゃあ、“ディア”って呼んでもいいか?」
「……ディア?」
彼女はその響きを試すように口にした。
数回、ゆっくりと。
そして、指先で髪をすくいながら、柔らかく笑う。
「ディア……ふふ、いい響きね。呼ばれるの、悪くないわ」
その無邪気な笑顔に、胸の奥がふっと温かくなる。
まるで、初めて友達ができた子どものように。
彼女にとって“呼ばれること”は、それだけ特別なことなのだろう。
「僕は時任秀人。こっちは――」
「コユキよ」
隣から淡々と割り込むように声がした。
軽く尻尾を揺らしながらも、どこか得意げな表情だ。
ディアは二人の名をゆっくりと繰り返し、静かに頷いた。
「……いいわね。時任秀人、コユキ。私のことも、これからは“ディア”って呼んで。友達として」
小さな約束が、言葉ではなく呼び名として刻まれた気がした。
一息ついてから、僕は少し真面目な口調に戻った。
「……なあ、ディア。ここって、どこなんだ? 他に誰かいるのか?」
「もう、誰もいないわ」
ディアの声は静かで、それでいて深かった。
「かつては使用人も、守りのモンスターもいたけれど……今はみんな、私の血で作った存在。」
その言葉に、胸の奥が締めつけられるような感覚が走る。
長い年月、たった一人だったのだろう
寂しさや孤独を、どれだけ抱え込んできたのか……想像もつかない。
「そして、ここは新大阪ゲートの第94階層。」
「94階層……?」
軽い眩暈がした。
「……俺たち、そんなに深くまで来てたのか」
足元の石の冷たさが、ようやく現実感を伴って戻ってくる。
そして、思わず尋ねた。
「いったい……何階層まであるんだろう?」
「106階層までよ」
その声が割り込んだのは、コユキだった。
僕とディアが同時に振り返ると、彼女自身が少し驚いたように瞬きをしていた。
「……今、わかったの。“ここが94階層”って聞いた瞬間、頭の中の靄が一気に晴れた。本来なら85階層あたりで少しずつ情報が開放されるはずだったのに、一気に飛ばしたせいで、まとめて開いた感じね」
「私も今、初めて知ったわ」
ディアが小さく笑う。その笑みには、達観と少しの驚きが混じっていた。
僕は心の中で苦笑した。
——まるで、フロアボスをスキップして最終盤にワープした気分だ。
ズルをして、知らないうちに物語の裏側に来てしまったような。
けれど、その表情は複雑に揺れる。
コユキが、視線を落としたまましっぽをわずかに揺らしていた。
その様子に、胸の奥がざわつく。
「……どうした? 何か気になることでもあるのか?」
声をかけると、コユキは少しの間、言葉を探すように沈黙した。
やがて、小さく息を吐いて口を開く。
「……血の契約を結んだせいで、この階層のボス――つまりディアを倒せなくなったの。だから、第95階層には進めない」
ようやく、彼女が血の契約の儀式のときに浮かべた複雑な表情の理由を理解した。
「……そうか」
しばらく黙ったあとで、僕はゆっくりと息を吐いた。
そして、言葉を慎重に整えた。
「でも、悪くないと思うよ」
二人が同時にこちらを見た。
僕は笑みを添えたまま、続けた。
「もしこれが3階層とかだったら焦ったと思う。でも94階層なら――この場所を拠点にして、準備を整える時間をもらえたと思えばいい。無理に動くより一回整える方が結果が出ること、あるだろ?時間はある。だったら、その間に何か方法は見つかるさ」
コユキが苦笑して肩をすくめた。
「……言い方だけ聞けば、ポジティブシンキングの見本ね」
ピンチのときこそ、前を向くほうがいい。
後ろを向いていても、打開策なんて浮かばない。
追い詰められた頭で考えるより、一度呼吸を整えて“次の手”を探した方が、きっと精度は上がる。
ネガティブな空気は、判断を曇らせるだけだ。
どんな仕事でもそうだった――混乱している現場ほど、まず心の温度を下げる人間が強い。
焦らず整える。それが、僕のやり方だ。
ディアは、胸元で手を握りしめながら俯いた。
「……ごめんなさい。本当は、気づいてたの。
契約を結べば、あなたたちが先に進めなくなるって。
でも……友達ができたのが嬉しくて、止められなかったの」
その声は、消えてしまいそうなほど小さかった。
僕はすぐに首を振った。
「違う。ディアのせいじゃない。僕が言い出したんだ。“友達になろう”って」
言葉の温度を落とさず、まっすぐに伝える。
「今はこれでいいと思う。階層は進めなくても、それ以上に大事なものを手に入れたから」
ディアの銀の瞳が、ゆっくりと瞬く。
そして、咲くように笑った。
その笑みを見た瞬間、胸の奥が熱くなる。
理性が危うくなるほどに、綺麗だった。
……危険だ。この人は。
理屈ではなく、存在そのもので心を揺さぶってくる。
戦闘よりもタチが悪い。
(落ち着け。これは、ただの美的衝撃だ。うん、きっとそれだ)
隣を見ると、コユキがじと目をしていた。
(やっぱりバレてる!?)
僕は慌てて視線を逸らし、わざとらしく咳払いした。
その間にも、ディアは表情を明るくし、唐突に言った。
「そうだわ。友好の証として、あなたに“力”を貸すわ。——スキルを三つ、貸与する」
「スキルを……?」
驚く僕に、ディアは自信たっぷりに頷いた。
「あなた、技能共有結でスキルを共有しているでしょう?血の契約なら、似た仕組みで共有できるはずよ。制限はあるけれど」
ディアは手を差し出した。
「貸与の媒体が必要だから、何か身につけているものを」
僕は腕の数珠型ブレスレットを外して差し出す。
彼女が指先を滑らせ、そこに一滴の血を垂らした。
淡い赤い光が走り、刻印のような紋が浮かぶ。
「まず一つ目。《再生》――自然回復の促進よ。切り傷や打撲なら短時間で治る。戦闘中の立て直しに役立つはず」
「二つ目。《不老幻姿》――老いを拒み、必要に応じて見た目年齢を変えられるスキル。長期的には、身体の劣化を抑える“時間の防御膜”みたいなものね」
コユキが小声で呟いた。
「美容業界が泣いて喜びそうね」
「三つ目。《影縫い》――影を固定し、対象を数秒拘束する。直接の物理拘束ではないけれど、決定機会を作るには十分よ」
僕は息を呑んだ。
どれも強力で、戦況を左右するスキルだ。
特に《再生》は、命を救う局面が必ずある。
「……こんな強力なのを、貸していいのか?」
ディアはくすりと笑う。
「当然よ。すぐ死なれたら困るもの。それに、老いぼれても困るわ。友達には、できるだけ長く元気でいてほしいから」
その言い方があまりに自然で、思わず言葉が詰まる。
こういうとき、彼女は本当に年齢不詳のまま可愛い。
けれど――人が歳を取らないということには、やっぱりどこか引っかかる。
命の有限さが、人を前に進ませる原動力でもあるからだ。
でも、今それを考えても答えは出ない。
すぐに解けない問題は、一度横に置いておく。
仕事でもそうだが、焦って結論を出すより、進みながら考えた方が建設的なことも多い。
だから僕は、今はただ彼女の笑顔を見ていることにした。
ディアは続けた。
「このブレスレットを通じて、私はあなたたちのそばにいることができる。世界を感じることができる。見守るだけ。友達だから監視じゃないわ。——外の風を、少し分けてね」
「……“そばにいる”って、いい言葉だな」
妙に意識してしまって、耳がじんわりと熱くなる。
「じゃあ、始めるわね」
ディアが小さく呟くと、赤い紋様が宙に広がる。
その光がブレスレットへ吸い込まれ、静かに消えた。
「これで完了。ブレスレットを媒介に、スキルが共有される。そして、私も少しだけ、外の世界を“見る”ことも“行動”もできる。」
その笑顔は、まるで夜明けを迎えた誰かのように優しかった。
僕はその光を見ながら、静かに息を整えた。
胸の奥に、微かな鼓動が響く。
“契約”という言葉ではなく、
——“絆”という言葉が、今はしっくりくる。
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