サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第三章 バンコク近郊・意外展開旅行記

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 89

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 ★第三話★ワット・ファウロンワ その3

「ワット・ファウロンワ!」僕は相変わらず念仏のように叫んだ。

 Hさんはアホの一つ覚えのような僕の言動に呆れた顔をして、「Do you know ワット・ファウロンワ?」と屋台の娘さんに問いかけた。

 するとその娘さんは、ちょっと考え込んでややどぎまぎした感じであったが、「I know it’s 16km distance.」と言うのだ。

「ここから16キロもあるって言ってますよ。どうします?」

「タクシーもトゥクトゥクも走っている様子はないからね。ここの人誰か送ってくれないかなぁ」

 屋台レストランにたむろしている男性数人はバイクと車で来ているようで、レストランの外の敷地には車が一台とバイクが2、3台止まっていた。

 しかし彼らは不意の訪問者を怪しげには見るが、何か困っている様子はないかなどと興味は持たないようで、すぐに仲間と賭け事に戻るのだった。

 ともかくバスから降ろされた大通りに戻ってみようということになり、僕達は道路を反対側に渡ったところにあるバスの待合場所のようなところに立った。

  すると屋台の娘さんもあとをついて来てくれて、僕達を心配そうに見守ってくれるのだった。

「How many buses come in one hour?」

 娘さんはちょっと首をかしげていたが、数秒間考えてから、「It hardly comes.」と言うのだった。

 訊くと彼女は十五才で、学校で英語は少しだけ習っているとのことで、片言なら通じるのだった。

◆娘さんとHさん、Hさんの顔はこの旅行記でさんざん公開しているのですが、この画像は顔を消してしまっています。😂




 殆どバスは来ないと聞いて、僕とHさんは愕然としたが、ともかく策を考えないといけない。
 こんな田舎のど真ん中で降ろされて、目的地まで16キロも歩いては行けない。

「じゃあ、こうなったらヒッチハイクをしましょう!」

 Hさんは元気よく言うのだった。【強い人だ】

 この道路は路線バスが走っているから国道になるのかもしれないが、いくらバンコクの郊外といっても周りは農地ばかりのド田舎だから、車自体が頻繁には往来しない。

 大体二~三分に一台が通過する程度である。

 僕は男らしくトップバッターで、車が近づいてきたら右手を少し上げて、親指をピン!と立てて数台に合図をしてみた。

 しかし車は僕がヒッチハイクの合図をしているのを分かっているのか分かっていないのか、スピードを緩めることもなく通り過ぎてしまうのだった。

「止まってくれませんか?」

 Hさんはしばらく娘さんと話をしていたが、僕が一向に車を止めないので痺れを切らして道路に出てきた。

「私がやってみましょう。ペロ吉さんはちょっと隠れていてください」

 女性一人ならもしかしたら下心のある男性が車を止めるかもしれない、という狙いだ。

 止まってから僕が現れて交渉をするという段取りを考えた。
 僕はしばらく娘さんとバスの待合場所で待機してHさんの様子を見ていた。

 しかし、無情にも五~六台の車が通過したが、キュートで可愛い彼女にもかかわらず、まったく止まる気配はない。
 タイの男性は女性の魅力が分からないのだろうか?

 一体どうなってんだ?と思っていたら、娘さんがトトトっと道路に出て行き、あっという間に一台のワゴン車を止めた。
 
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