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第四章 タイ・ラオス・ベトナム駆け足雨季の旅
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 124
しおりを挟む第八話
ナンプ広場を抜けて通りに出て、目的のチャンターゲストハウスに向かったが、この通りは目下のところ道路工事中だった。
道路自体が深く掘られて、その状態がずっと通りの果てまで続いている感じ。
人々は両サイドの僅かな歩道を少しよろけながら歩いていた。
当然、車両通行は不可になっているのだが、人間も両サイドを歩くといっても、掘り起こした土や瓦礫が道を覆っており、さらに道路は少しぬかるんでいて、かなり歩きにくい状態だった。
何とかチャンターゲストハウスにたどり着き、バックパックを降ろす。
◆チャンターゲストハウス
目の前はワットミーサイ
チャンターGHは、記憶が間違いなければ、2011年当時はまだS野さんが経営していましたがその後帰国され、2015年に訪れた時はJICAの関係のラオス人女性が引き継がれていました。
スタッフのラオス人の男女も変わらず働いていましたが、残念ながら2019年には全く別のゲストハウスになってしまっていました。
さて、隣に併設しているレストランからS野さんが現れ、「あれ?昨日到着とメールに書かれていたので、どうされたのかなと思っていたのです」とおっしゃる。
日付間違いでメールを送っていたようなのでお詫びしたが、「いえいえこの時期はフルになる日は少ないので大丈夫ですよ」とのことだった。
部屋は10ドルのツインを一人で使う。
テレビとエアコンにホットシャワー付、道路側でないので窓からは裏のお宅の駐車場と物干し程度しか見えないが、まずまず快適である。
ゲストハウスのレストランでカオピャック(クイッティアオ)の朝食、そしてコーヒーを注文。コーヒーが美味しい。
S野さんの話では、前の道路はかなり前から工事をしているらしいが、雨の日が多いこととラオス人特有(?)のいい加減さで、なかなか終わらないのだとか。
おかげで来客も少し減り気味らしいのだが、「ま、雨季ですから仕方がないですよ」とあまり気にしていない様子。
ネットでメールチェックをしてから、タラートサオへ歩いた。
何の用事かというと他でもない、行きのトゥクトゥクに乗ってきた超ラオス美女を探すため。
途中、郵便局に立ち寄って、知人と友人に「またラオスに来てしまった」ことを簡単に書いたエアメールを送った。
知人の女性は、四十半ばにもなってしまった僕に海外個人旅行というものを教えてくれた恩師なのだが、ここ三年ほど音沙汰がない。
「いったいどうしたというのだろう?」と思ったりしていたら、目の前にタラートサオ・モールが目に入った。
ビエンチャンでこんな大きなショッピングモールが果たして流行るのか、それともまさかまさかの中国資本が経営しているのか、個人的には以前からある二階建てのショッピングセンターや煩雑とした市場が好きなのだ。
一階から二階へとゆっくりと店舗を見て回るが、この当時はまだテナントが入っていない店もあった。
記憶では四階建のあまり大きくないモールだがエスカレーターも設置され、中央部分は吹き抜けになっていて、広々としている。
結局、あの超ラオス美女を探すことはできなかった。
考えてみれば、ここに勤めているとは限らない。
いったい僕は何をしているのだ?
フランスパンサンドイッチのハーフ(7000Kip、100円くらいかな)を買い、この年の正月に伺ったカフェ・ビエンチャンの前を通ったが、店は閉まっている様子で看板もなくなっていた。
黒田さんは日本に帰っているのかもしれない。
(黒田信一さんという「カフェビエンチャン大作戦」という著書で有名な作家さんが、このころビエンチャンでカフェビエンチャンという居酒屋を営んでいてこの年の正月にお会いしました)
※この部分の旅行記は、メインwebの三度目の突撃!アンコールワットのこの部分に記述しています⇒ http://perorin.sakura.ne.jp/3totu5.html
さて、ゲストハウスに戻り、レストランの書棚にたくさんある本の中から適当に数冊借りて部屋でくつろいだ。
外は小雨が降り出した。曇天がますます暗くなってきた。
時間は極めてゆっくり流れる。
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