サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第五章・ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 168

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        十八話


 景洪(ジンホン)という都市は、中国雲南地方、西双版納(シーサンパンナ)自治区にあり人口は約40万、少数民族が6割以上を占め、その中でもタイ族が占める割合が多いとされるが、近年は漢族がハバを利かせているとか。

 夏が長く冬が短い地域で、年間平均気温が37.1度とあるが、これが本当ならあまり快適な都市とはいえないと感じる。
 でもまあともかく行ってみるか。

 35万Kip(3000円少々)を支払いチケットを購入、一旦宿に戻りバックパックを整理する。
 
 バスは午後二時には出発するらしい。

 二日分の宿代16万Kipを支払い、仙人さんの泊まるMOゲストハウスを訪れて一階のソファーにてしばらく待ったが誰も来ない。

 フロントの人にひげの長老の部屋はどこかを尋ねるとすぐに教えてくれた。

 二階の仙人さんの部屋をノックした。

 しばらく待つが反応がない。
 
 さらにコンコンコンとノックをすると、ようやく返答がありドアが開き、一昨日ノンカイで一旦お別れした仙人さんが疲れきった表情で立っていた。

 部屋に招き入れられてベッド横の椅子を勧められた。
 ツインの部屋にM氏と泊まっているとのことであった。

 「やはり体調がすぐれないですか?」

 「ああ、これは藤井さん、今度はちょっと風邪気味でしてね。今回は中国からラオスに入った頃からずっと調子が悪いですわ」

 いつもは長身の背筋をピンと張り、シャキッとされている仙人さんであるが、やはりよほど体調がお悪いのだろう。

 顔色も良くなく、心なしか一昨日よりもやつれたように感じられる。

 「若い人たちがバンビエンで年越しするというものだから、ノンカイでジッとしててもつまらんですから出てきたのじゃが、ちょっと無理かもしれんです」

 語り口調はしっかりしているが、目に元気がない。

 僕が雲南方面に行くことを話すと、同行に少し心が動いた様子だったが、無理をせずノンカイのM氏のゲストハウスで療養して、病院で診てもらったほうが良いと思った。

 階下に集まることになっていたので仙人さんと降りてみると、既にM氏と若い男女がソファーに座っていた。

 男性の方は二十代前半、若いが礼儀正しい印象。

 女性の方はA子さん、三十代半ばになるが、数年働いてお金を貯めて長期旅行に出るというスタイルを繰り返しているという。

 アジアンアクセサリーを手や首に装い、大変魅力的な女性である。

 仙人さんとは前から旅先での知り合いらしく、しきりに体調を気遣っていた。

「バンビエンには行かないほうがいいよ、無理したらダメだよ。ノンカイに戻って病院で診てもらおうよ。体調が悪い原因が分かってから決めた方がいいからさぁ」

 A子さんとM氏にも同様の意見を浴びた仙人さんはようやく気持ちを決めたようで、「それじゃノンカイでじっくり体調を整えましょうかな」と今後のことがまとまった。

 さて、昆明行きのバスが出る時刻が近づいた。

 僕は皆さんにお別れを告げ、仙人さんに再度「年明けの4日あたりにはノンカイに戻りますから、無理をせずに療養してください。病院へも必ず行ってくださいね」と言葉を残した。

 北バスターミナルへは片道3万Kip(270円程度)のトゥクトゥックしか手段はない。

 重いバックパックを荷台に投げ入れた。

 これまでルアンパバーンからビエンチャンの12時間バスや、サワナケートからフエの16時間バスは経験しているが、28時間のバスは初めてである。

 しかも中国のバスだ。不安が少しずつ広がっていった。

◆旅行記に登場する仙人さんは現在85歳前後で、今も交流があります。

下の画像は今月初旬から名古屋の家を出て、2週間ほどかけて近畿、四国、北九州区域、山陽地方を野宿をされながら、先日帰って来られました。

原付バイクに小さなリヤカーをくくり付けての旅、驚きです😃










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