サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第五章・ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ

サバイティー、南方上座部仏教国の夕陽 175

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      二十五話


 2009年12月29日、あと三日で年も明けるというのに、僕は中国の雲南地方にある小都市・景洪(ジンホン)にのバスターミナルに佇んでいた。

 高速道路で荷物のように降ろされた僕を拾ってくれた素敵なマイクロバスの運転手に、急いでメモ帳に書いた「宿 格安」という文字を見せた。

 すると運転手は右斜め後方を指差して何やら言った。その指差し方向に目をやると、「平安宴館」と大きく書かれた3階建てのホテルが見えた。

 平安宴館




 こりゃ高そうだな・・と思いながらもすぐ近くなので行ってみることにした。

 運転手に別れを告げた。

 「平安宴館」は大きなホテルに見えたが、フロントは小さく、若い男性従業員が一人いるだけだった。

「いくら?」と言っても分かるはずもないだろうから、試しに「Do you have a single room?」と訊いてもやっぱり分からないようだった。

 途中のバスの窓から眺めていても、欧米人の姿は一人も見かけなかったし、もちろん日本人らしき旅行者の姿も見なかったから、めったに外人は泊まらないのかもしれない。

 この時もメモ帳に「1泊 料金?」とすばやく書いて見せた。

 すると彼は自分の手元の紙に50元と書いた。650円程度だ。

 これは意外に安いので部屋を見せて欲しいと言うと、2階の窓から静かな公園が見える部屋に案内された。

 広い部屋にダブルベッドが置かれ、大きなTVまであり、バスタブこそないが、トイレと兼用の広いバスルームは「熱湯」と注意書きが書かれていたので、当然ホットシャワーも出る。

 50元(650円の部屋)-快適でした




 

 フロントに下りてチェックインをした。

 デポジットとしてもう50元預けたが、これは翌日のチェックアウト時に、ミネラルウオーター1本の料金2元を引かれて48元きっちり戻ってきた。(ミネラルウオーターが26円ってことだね)

 部屋に戻り、シャワーを浴びることにした。

 もう時刻は夜6時を過ぎていた。

 気温は15度程度だろうか?或いは20度近くか、僕はTシャツに綿のジャケットを引っ掛けているだけだが、少し肌寒い。

 シャワーはすぐに熱湯が出て、少し調節しないと火傷をするくらいだったが、熱いお湯が石鹸の泡とともに、しゃがみ式のトイレの穴から流れ落ちていく光景は、ちょっとなんとも表現しがたい気持ちになった。

 穴を覗くと、かなり下方ではあるが、排泄物がたまっている様子が窺え、そこにシャボンのお湯が流れ落ちていく。

 排泄物の臭さは解消されるかもしれないが、おかしな納得し難い気分であった。

 さて、体もきれいサッパリとして食事と街歩きに出た。

 国境近くで遅めの朝食兼早目の昼食を摂ってから何も口にしていなかったので、かなり空腹になっていたのだが、高速道路の路肩で降ろされたことからそれさえも忘れてしまっていた。

 ホテルから出てバスターミナルの並びを少し歩くと、店の前で大きな鍋で料理をしている小さな食堂があった。

 周りを見渡すと、大勢の人々が夕食を求めてさ迷い歩いているかのように感じた。

 僕は足の向くまま躊躇なく、その食堂に飛び込んだ。


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