素質なし剣士の僕だけど勇者になりたい!

紅ちゃん

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プロローグ:勇者になりたい

剣の素質のない剣士

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「どうして君は教えた事も出来ないんだ!!」
「...ごめんなさい...」
教官はため息をつくと「もういい」と言い残してその場を去った。
「また叱られたのか?ハロルド」
「エドには...関係ない...」
ハロルドの事を気にかけるエドをどかし、寮へ戻った。
「はぁ...僕はどうしてこうも...剣の才能が無いんだろう...」
ハロルドは自分の才能の無さに嘆いていた。そんな中コンコンと部屋の扉が叩かれた。
「今開けます...」
気だるそうにハロルドは立ち上がり部屋の扉を開けた。
「急にごめ...どうしたのまたそんなしょんぼりした顔して」
「なんだ...エマか...エマもすごい不安そうな顔してるじゃん...」
「エドからハロルドの様子がいつもと違うから見て来てやってくれーって言われたから不安で...また才能がないとかで教官に叱られたんでしょ...?」
ハロルドはエマにまた自分の剣の才能が無い事で叱られている事を知られている事をを知ってガクッと膝を落とした。
「ごめん...僕は...僕が...こんなんで...」
膝を落とし泣き始めたハロルドにエマは寄り添うように屈んだ。
「大丈夫。勇者になれなくたってハロルドはハロルドだし、私はハロルドと一緒にいる事が不幸だなんて思ったりしないよ。」
ハロルドが顔を上げるとエマはニコッと微笑み抱きしめた。
「勇者になりたいって夢を私は知ってる。ハロルドが血のにじむような努力をして、剣士になった事も知ってる。才能なんか無くても、ハロルドは剣士になれてるんだから勇者にだってきっと...いや必ずなれる。だからもう才能が無い事を嘆かないで。」
ハロルドはエマからそっと離れた。
「ありがとう...でも...扉のとこでこんな話しないでよ...恥ずかしい...」
エマは寮の通路でハロルドを抱きしめた事や慰めていた事が周りに見られていたかと思い、赤面した。
「あっ...ちょっ...もう!先に言ってよバカ!!」
「はは...ごめん...」
「もう大丈夫そうだね。ハロルドならきっとすごい勇者になれるよ。」
「わざわざありがとう、エマ。明日からまた頑張るよ。」
「うん!頑張ってね!」
そう言うとエマは小走りで自分の部屋に戻った。ハロルドは扉を閉め、腕を額に当て、扉によりかかった。
「はぁ...もっと...もっと強くならなきゃ...」
ハロルドは体の力を抜き、扉に寄りかかったまま装備の置いてある棚を見る。
「...ダンジョン...行かなきゃ」
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