完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

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第二十六話 ランシッグ王への報告。

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マリアは約一週間ぶりにランシッグの王都に戻ってきた。この一週間の濃密な出来事を思いだし、マリアは感慨に耽っていた。 

「おい、マリア?なにをぼ~っとしてるんだ?今回は早馬を走らせて無いからな……少し待たされるかも知れんぞ?」

「あ、そうなんですね。でも、それもいいのではないですか?このところ、色々な事が、起こりすぎているので、少し休みをとっていると、考えてみてはいかがですか?」

「ふ、そうだな。アーサーも私と会ったら……いや、マリアと会ったら色々と忙しくなるのは見えているからな。ここではドルイダスは迫害されていないから大丈夫だよ。そして、すまないが私達に協力して欲しい。」

「ええ、分かりました。……って、何で私に気を遣うのですか?」

「もとより、君を好きなこともあるが、何より今は私の婚約者だからな。大事にするさ。」

「あ、ありがとうございます。」

そんな風に二人の世界で話していると、

「す、すみません……。王との謁見準備が出来ましたので……」

「お、すまんな!ありがとう。よし、マリア、行こうか。」

「はい。」

マリアは以前とは違い、緊張感をもって、謁見の間へと入る。

「お?何か雰囲気変わったな?何かあったのか?」

ランシッグ王は前回と変わらず砕けた雰囲気で話しかけてくる。 

「ああ、簡単に話すと、私が死にかけて、マリアと婚約して、新たなドルイダスを見つけたからな。」

「ん?は!へ?おい、おい、おい、おい、おい、おい!」

「ん?どうした?アーサー、落ち着け。」

「お前、それだけ大量の情報を一気に伝えやがって、理解できるか!」

「ハハハハハハハ!悪い、悪い。色々とあったんだよ。本当に……。」

「だろうな。」

「まず、お前が死にかけたって?」

「ああ、何故かは分からないが、黒ずくめの奴に襲われてな、まあそいつは倒したが……あっそのまま死体を置いてきた!」

「そ、そうか……では、誰の差し金かは分からないな……。」

「そうだな……。それで、倒したは良いが、私も腹に剣が突き刺さって死にそうになったんだ。」

「腹に?良く無事だったな。」

「それが、ここにいるマリアがドルイダスでな、その治癒の力で私を助けてくれたんだ。」

「そうか、マリアさん、貴女はドルイダスだったんですね。」

「ええ、過去の話などはエーファさんから聞いていますので、後でお話します。」

「ああ、よろしく頼む。それで?」

「ん?ああ、私が死にそうな時に帰ったら結婚だぞって、迫ったら、マリアが良いって言うから婚約した。」

「お前、それは普通死ぬヤツな……帰ったら結婚って言うのは……。」

「そおなのか?でも、私は生きている!ハハハハハハハ!」

「まぁ、結果オーライと言うことで……。ではマリアさん、アドレーとこちらの会議室で詳しい話を聞かせて欲しい。」

その後、別室でマリアは、ドルイダスの過去の話をランシッグ王に話すのでした。

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