30 / 35
第二十七話 一度エネローワへ帰ろうか
アドレーとマリアは、ランシッグの王都で1週間程、アーサー王と共にドルイダスの研究の為に、滞在した。
ドルイダスの力を生活に活かす研究は進んだが、アドレーのランシッグ訪問は今回、急に決めたものだった為、一度帰って王と話す必要が出てきた。
「アーサー、まだまだ研究の途中だが、一度帰る事にするよ。」
「そうなのか?まぁ、今回はエネローワの書庫で見つけた書物の信憑性を確かめる為の訪問だったからな………本来は。」
「ああ、でも、それがこんなにも色々と事態が変わり、エネローワ王へ報告しなくては行けないことが山のように溜まってしまった。」
「そうだな。しっかりと婚約の報告をしてこい!」
アーサーがアドレーの背中を叩く!
「う!痛いな。まぁ、そうやって勢いをつけて王には報告しようとは思うが、本当は国民にも婚約を知らせたいんだよな…………でも、ドルイダスの汚名をそそぐ事と、ザスベエリ真教会の教えを変えないと、マリアの立場が危うくなるからな……本来は教会を解体できれば良いんだけど、300年続いたものをなくすのは、国民の手前、さすがに無理があるだろう……。マリア、すまない。」
「いいえ、アドレーさんがそう思うならその通りされるのが良いと思いますよ。何より国民を思われる貴方を誇りに思います。」
「マリア、ありがとう。でも、思うところがあるなら言ってくれよ?私は君の事も国と同じくらい大事なんだから。」
「分かりました。そうします。」
「おい、おい、私の前で、いちゃつくのは止めてもらおう。」
「す、すみません。ランシッグ陛下。」
「ハハハハハハハ!このくらい許せよ、アーサー、これからはお互いにドルイダスの技術を使って、豊かに暮らす為に共に研究する仲間になるんだからな。」
「ああ、その為にも王へ話すときは慎重にな。」
「分かってる。」
こうしてアドレーとマリアはランシッグ王国に一度、別れを告げ王都を後にするのでした。
エネローワへと向かう馬車の中、アドレーは思い出したように、マリアに訪ねる。
「なぁ、その指輪を通すと、イデアルと会話できたんだよな?」
「ええ、何か聞きたい事でも?」
「本当に今さらだけど、あの暗殺者の身元が分からないか、聞いて欲しいんだ。」
「分かりました。」
マリアは指輪に意識を向け、語りかける。
『イデアルさん、聞こえますか?』
『ん?ああ、マリアか、どうかしたかい?』
『あの、イデアルさんそばに、暗殺者が倒れていると思うのですが、何か遺品など、ありませんか?アドレーさんが、身元を知りたいそうなんです。』
ドルイダスの力を生活に活かす研究は進んだが、アドレーのランシッグ訪問は今回、急に決めたものだった為、一度帰って王と話す必要が出てきた。
「アーサー、まだまだ研究の途中だが、一度帰る事にするよ。」
「そうなのか?まぁ、今回はエネローワの書庫で見つけた書物の信憑性を確かめる為の訪問だったからな………本来は。」
「ああ、でも、それがこんなにも色々と事態が変わり、エネローワ王へ報告しなくては行けないことが山のように溜まってしまった。」
「そうだな。しっかりと婚約の報告をしてこい!」
アーサーがアドレーの背中を叩く!
「う!痛いな。まぁ、そうやって勢いをつけて王には報告しようとは思うが、本当は国民にも婚約を知らせたいんだよな…………でも、ドルイダスの汚名をそそぐ事と、ザスベエリ真教会の教えを変えないと、マリアの立場が危うくなるからな……本来は教会を解体できれば良いんだけど、300年続いたものをなくすのは、国民の手前、さすがに無理があるだろう……。マリア、すまない。」
「いいえ、アドレーさんがそう思うならその通りされるのが良いと思いますよ。何より国民を思われる貴方を誇りに思います。」
「マリア、ありがとう。でも、思うところがあるなら言ってくれよ?私は君の事も国と同じくらい大事なんだから。」
「分かりました。そうします。」
「おい、おい、私の前で、いちゃつくのは止めてもらおう。」
「す、すみません。ランシッグ陛下。」
「ハハハハハハハ!このくらい許せよ、アーサー、これからはお互いにドルイダスの技術を使って、豊かに暮らす為に共に研究する仲間になるんだからな。」
「ああ、その為にも王へ話すときは慎重にな。」
「分かってる。」
こうしてアドレーとマリアはランシッグ王国に一度、別れを告げ王都を後にするのでした。
エネローワへと向かう馬車の中、アドレーは思い出したように、マリアに訪ねる。
「なぁ、その指輪を通すと、イデアルと会話できたんだよな?」
「ええ、何か聞きたい事でも?」
「本当に今さらだけど、あの暗殺者の身元が分からないか、聞いて欲しいんだ。」
「分かりました。」
マリアは指輪に意識を向け、語りかける。
『イデアルさん、聞こえますか?』
『ん?ああ、マリアか、どうかしたかい?』
『あの、イデアルさんそばに、暗殺者が倒れていると思うのですが、何か遺品など、ありませんか?アドレーさんが、身元を知りたいそうなんです。』
あなたにおすすめの小説
見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました
黒木 楓
恋愛
モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。
先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。
国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。
どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。
ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。
その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。
必要ないと言われたので、元の日常に戻ります
黒木 楓
恋愛
私エレナは、3年間城で新たな聖女として暮らすも、突如「聖女は必要ない」と言われてしまう。
前の聖女の人は必死にルドロス国に加護を与えていたようで、私は魔力があるから問題なく加護を与えていた。
その違いから、「もう加護がなくても大丈夫だ」と思われたようで、私を追い出したいらしい。
森の中にある家で暮らしていた私は元の日常に戻り、国の異変を確認しながら過ごすことにする。
数日後――私の忠告通り、加護を失ったルドロス国は凶暴なモンスターによる被害を受け始める。
そして「助けてくれ」と城に居た人が何度も頼みに来るけど、私は動く気がなかった。
妹と違って無能な姉だと蔑まれてきましたが、実際は逆でした
黒木 楓
恋愛
魔力が優れていた公爵令嬢の姉妹は、どちらかが次の聖女になることが決まっていた。
新たな聖女に妹のセローナが選ばれ、私シャロンは無能な姉だと貴族や王子達に蔑まれている。
傍に私が居たからこそセローナは活躍できているも、セローナは全て自分の手柄にしていた。
私の力によるものだとバレないよう、セローナは婚約者となった王子を利用して私を貶めてくる。
その結果――私は幽閉されることとなっていた。
幽閉されて数日後、ある魔道具が完成して、それによって真実が発覚する。
セローナが聖女に相応しくないと発覚するも、聖女の力を継承したから手遅れらしい。
幽閉しておいてセローナに協力して欲しいと私に貴族達が頼み始めるけど、協力する気は一切なかった。
水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います
黒木 楓
恋愛
伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。
異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。
そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。
「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」
そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。
「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」
飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。
これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。
婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
兄にいらないと言われたので勝手に幸せになります
毒島醜女
恋愛
モラハラ兄に追い出された先で待っていたのは、甘く幸せな生活でした。
侯爵令嬢ライラ・コーデルは、実家が平民出の聖女ミミを養子に迎えてから実の兄デイヴィッドから冷遇されていた。
家でも学園でも、デビュタントでも、兄はいつもミミを最優先する。
友人である王太子たちと一緒にミミを持ち上げてはライラを貶めている始末だ。
「ミミみたいな可愛い妹が欲しかった」
挙句の果てには兄が婚約を破棄した辺境伯家の元へ代わりに嫁がされることになった。
ベミリオン辺境伯の一家はそんなライラを温かく迎えてくれた。
「あなたの笑顔は、どんな宝石や星よりも綺麗に輝いています!」
兄の元婚約者の弟、ヒューゴは不器用ながらも優しい愛情をライラに与え、甘いお菓子で癒してくれた。
ライラは次第に笑顔を取り戻し、ベミリオン家で幸せになっていく。
王都で聖女が起こした騒動も知らずに……
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯