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第二十八話 暗殺者の記憶
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マリアはイデアルとの会話を進める。
『服などから分かりませんか?』
『そうだなぁ、幸い動物に荒らされてはないから、私が直接彼に聞いてみよう。』
『はい?え、生きているのですか?』
『いや、もう生きてはいないよ、ただ、この体に残る記憶を探ることは出来る。』
『お、お願いいたします。』
『では一度彼に聞く事に集中するから暫くしてからまた意識を繋げて欲しい。』
『はい。お願いいたします。では、また。』
………………。
「ふう、アドレー、イデアルさんが、暗殺者の記憶を探ってくれるそうよ。」
「は?記憶を?……何でもありだなイデアル………。」
「ね、すごいよね……。私もビックリした。」
「本当にそうだな!………なぁ、そおいえば、……今…アドレーって……。」
「え、ええ……客車の中、二人だし、…………良いかなって……駄目なら止めます。」
「い、いや、止めないでくれ。ああ、やっと君とこうして会話出来るのが幸せだ。敬語では距離を感じていたんだ。」
「だって、今までは必ず誰かがそばにいたし、ランシッグは長く滞在して慣れてはいたけど、他国だったしね……。緊張は解けないでしょ?」
「ん?そうなのか?まぁ、俺はアーサーとは親友の様な間柄で、この間まで留学していたからな………マリア、気付けなくてゴメン。」
「い、いえ…そう言って貰えてうれしい。」
「はぁ、マリアと、こうして、隔たりなくする会話は、幸せだな……。愛してるよ。」
「は、はい……私も………。」
『う~~~、ゴホン!すまない、シリアスな展開の後にすぐいちゃつくとは思わず、意識を繋げてしまって、悪いんだがね、幾つかわかった事があるよ。』
「い、イデアルさん、すみません!」
マリアは慌てて、指輪に意識を向けるのではなく、声を発する!
「ん?もう何かわかったのか?」
「あ、アドレーさん、今、イデアルさんと話すから、意識を向けるね。」
バタバタと慌てて、イデアルに意識を向けるマリア、
「あ、ああ、頼む。」
『ご、ごめんなさい、イデアルさん、それで、何がわかったのですか?』
『ああ、こいつは、どうやら何者かに雇われて、アドレー王子の命を奪いに来たらしいな、記憶の中の手紙にあった、差出人の名は、読み取れなかった、何か暗号の様なものだったからな……。しかし、こいつは、麻薬を売りさばく団体に所属していて、その麻薬は、リッチ侯爵領地で製造されているようだ。』
『リッチ侯爵!……それは、冗談ですよね?』
『お、どうした?知り合いか?』
『はい……義理の妹が嫁いだ先です。』
『そうなのか……まぁ、冗談ではなくこれが私が読み取った全てだ。この情報をどう使うかは、君しだいだ。では、また何かあったら連絡しなさい。』
「……。」
「どうだ?何かわかったか?」
「はい、犯人は多分………」
エネローワへの道中、マリアはイデアルから得た情報をそのまま伝えたのでした。
『服などから分かりませんか?』
『そうだなぁ、幸い動物に荒らされてはないから、私が直接彼に聞いてみよう。』
『はい?え、生きているのですか?』
『いや、もう生きてはいないよ、ただ、この体に残る記憶を探ることは出来る。』
『お、お願いいたします。』
『では一度彼に聞く事に集中するから暫くしてからまた意識を繋げて欲しい。』
『はい。お願いいたします。では、また。』
………………。
「ふう、アドレー、イデアルさんが、暗殺者の記憶を探ってくれるそうよ。」
「は?記憶を?……何でもありだなイデアル………。」
「ね、すごいよね……。私もビックリした。」
「本当にそうだな!………なぁ、そおいえば、……今…アドレーって……。」
「え、ええ……客車の中、二人だし、…………良いかなって……駄目なら止めます。」
「い、いや、止めないでくれ。ああ、やっと君とこうして会話出来るのが幸せだ。敬語では距離を感じていたんだ。」
「だって、今までは必ず誰かがそばにいたし、ランシッグは長く滞在して慣れてはいたけど、他国だったしね……。緊張は解けないでしょ?」
「ん?そうなのか?まぁ、俺はアーサーとは親友の様な間柄で、この間まで留学していたからな………マリア、気付けなくてゴメン。」
「い、いえ…そう言って貰えてうれしい。」
「はぁ、マリアと、こうして、隔たりなくする会話は、幸せだな……。愛してるよ。」
「は、はい……私も………。」
『う~~~、ゴホン!すまない、シリアスな展開の後にすぐいちゃつくとは思わず、意識を繋げてしまって、悪いんだがね、幾つかわかった事があるよ。』
「い、イデアルさん、すみません!」
マリアは慌てて、指輪に意識を向けるのではなく、声を発する!
「ん?もう何かわかったのか?」
「あ、アドレーさん、今、イデアルさんと話すから、意識を向けるね。」
バタバタと慌てて、イデアルに意識を向けるマリア、
「あ、ああ、頼む。」
『ご、ごめんなさい、イデアルさん、それで、何がわかったのですか?』
『ああ、こいつは、どうやら何者かに雇われて、アドレー王子の命を奪いに来たらしいな、記憶の中の手紙にあった、差出人の名は、読み取れなかった、何か暗号の様なものだったからな……。しかし、こいつは、麻薬を売りさばく団体に所属していて、その麻薬は、リッチ侯爵領地で製造されているようだ。』
『リッチ侯爵!……それは、冗談ですよね?』
『お、どうした?知り合いか?』
『はい……義理の妹が嫁いだ先です。』
『そうなのか……まぁ、冗談ではなくこれが私が読み取った全てだ。この情報をどう使うかは、君しだいだ。では、また何かあったら連絡しなさい。』
「……。」
「どうだ?何かわかったか?」
「はい、犯人は多分………」
エネローワへの道中、マリアはイデアルから得た情報をそのまま伝えたのでした。
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