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『失恋』(SIDE 小椋 由)
しおりを挟む~~~~登場人物~~~~
♡小椋 由(おぐら ゆう) 26歳
赤い髪、短髪、スポーツ万能。小児科の医師。
単細胞で人懐っこい後輩キャラ。上司の三条冬紀に思いを寄せている。
♡三条 冬紀(さんじょう ふゆき) 34歳
無表情で無口。淡々と喋る。
子ども相手にもにこりともしないポーカーフェイス。
いつも冷静で、素早い診断と的確な治療で信頼されている小児科医。
同僚の小児科医、鶴屋高貴が好き。
~~~~~~~~~~
『失恋』(SIDE 小椋 由)
心から願えば夢は叶うんだって、そう思っていた。
「由先生、午後の回診お願いしま~す。」
「はーい、今行きます!!」
願うだけじゃダメなんだって、痛感した。
努力するだけではどうにもならないことがある。認めるしかない。
「由、これ忘れてるぞ。」
パシッと頭を書類で押さえられて、我に返る。
「あ、三条先生、すみません。忘れてた~!」
精一杯の明るい声を出したところで、先生にはどうせ気付かれてしまうのに。
『由のことは、可愛い後輩だと思ってる。それ以上でも、それ以下でもない。ごめんな。』
沖縄から戻って、先週先生にそう告げられた。
失恋なんてよくあることだと理解しているのに、苦しくて息ができない。
一体みんなどうやって乗り越えているんだろう。
ダメだ。
繕おうと思っても、身体が追いつかない。
だって俺は、こんなに先生のことが好きなんだから。
好きで好きでたまらないのに、何も無かったことにして笑ったり出来ない。
「回診行ってきま~す!!」
足早に彼の元を立ち去る。
それしか出来ることがないなんて悔しいし悲しいけど、自分の感情には自分で折り合いをつけるしかなかった。
♢♢♢
失恋だけでも手一杯なのに、雨の夜はなんだか気が滅入ってしまう。
消化器外科の同期から住野先輩の容体が良くないという連絡が入って、俺は完全に落ちてしまった。
人の命に限りがあることは、もちろん知っている。
それでも・・・自分の目の前で誰かの命が救えずにこぼれ落ちていく瞬間が、いつも怖くてたまらなかった。
彼の生命力を信じて、祈るしかない。
せっかく医者になったのに、何もできない自分が情けなくて苦しい。
「由?まだ残ってたのか?」
「三条・・先生・・・ッ」
「由、どうした・・・?」
俺の名前を呼ぶ先生の声を聞いたら、押さえ込んでいたすべての感情が一気に溢れ出す。
「先生・・・ッ・・・・」
失恋なんてどうでもいい。
先生の顔を見たら、そう気付いた。
大切な人が明日この世界で笑っていてくれるなら、他のことはどうでもいい。
三条先生が俺のことを好きじゃなくても、他の誰かを愛していても、ただ生きて幸せでいてくれるなら、俺も幸せだから。
住野先輩も、三条先生も、みんなが幸せであってほしい。
俺はそう祈りながら、大好きな人の胸の中で静かに涙を流した。
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