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婚約者
しおりを挟む「兄には婚約者がいるんです。」
ある日、アーサーに呼び出されていつものマリーナに来ると、彼は唐突にそう切り出した。
「婚約者・・・?」
ミノアは、また面倒なことに巻き込まれるという嫌な予感でいっぱいになりながら、目の前で微笑む綺麗な顔立ちの男を見つめる。
「それはそうでしょう?兄の身分を考えれば、わかることですよね。」
それはそうだ。
ミノアのことを一途に思っていると伝えてくれたスメラギ公爵の言葉。
心底嬉しかったけれど、ミノアと彼は身分が違いすぎる。
「火遊びなら話は別ですけど、結婚となるとどこの馬の骨かわからない女性とは難しい。」
回りくどい彼の言い方に、イライラする。
(結局何が言いたいわけ・・・この男は・・・)
先日の一件で、ミノアはアーサーに対してただならぬ憎しみを抱くようになっていた。
スメラギ公爵との仲を脅かすような、彼の態度。
彼はミノアが苦しむ姿を見て、心底楽しんでいるのだ。
「兄さんは、あなたを妾にするつもりなんですよ。」
身分の違いは、痛いほどわかっている。
だからこそミノアは、自分に夢中になり追いかけてくる彼に、中毒になりそうな程の強い優越感を覚えているのだから。
優越感は、身体に毒だ。
いつの間にか身体中を蝕んで、脳を犯している。
この刺激無しでは、もはや快楽を感じられない身体になっているのだ。
(あれほど誠実なお方が、私を妾にしようとしている・・・・?)
ミノアは疑心暗鬼になりながら、彼が言ってくれた言葉を思い出す。
「あなたの言うことを、いちいち本気にしていられないわ。」
「僕の言っていることが、嘘だと?」
「・・・何が言いたいの?」
「あなたは二番手で良いんですか?兄さんはあなたを好きだと言いながら、他の女とヤりまくっているんですよ。」
「そんなはず・・・っ」
無い、と言い切れるだろうか?
彼を好きだと言いながら、彼の弟であるアーサーと寝ている自分が。
男を平気で裏切るくせに、ミノアは自分が男に裏切られるということをどうしても許容できない。
「婚約者の名前は、エミリー。とても可愛らしい、可憐な女性ですよ。」
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