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スルースキル
結局、一睡もできなかった。
御影のことを傷つけてしまったかもという罪悪感と、久々に与えられた快感の余韻。
歯を磨こうと洗面所へ行くと、彼が鏡の前でネクタイを締めていた。
「おはよう。」
「おはようございます・・・・。」
彼の様子はいつもとまるで変わらない。
ホッとしたような、何か物足りないような、複雑な気持ちになる。
御影のスーツ姿は、エロイ。
昨夜の出来事のせいで色眼鏡で見ているせいではなく、元からずっとそう感じていた。
Yシャツの下、彼の身体を想像する。
細身だけれどしっかりとした男の骨格。広い肩幅。
あっという間に私を昇天させた、長く綺麗な指。
「何見てるの?」
「え?!」
さすがに露骨に見つめ過ぎたらしい。
「俺の身体に、興味あるんだ?」
彼は完全にいつもの調子だ。
傷つけてしまったのではないかと悶々としていた時間を返してほしい。
歯を磨く手を止めて、逡巡する。
「興味がない・・・って言ったら嘘になる・・・。」
「へぇ。それは光栄だな。」
彼がこちらへ、グイと体を寄せてきた。
「それは、男と別れて欲求不満だから・・・?」
私を試すような、彼の視線。
(これは本気なの・・?それともいつもみたいに揶揄っているだけ・・・?)
昨夜のことも結局、揶揄われただけなのだろうか
御影の真意がまるでわからない。
「それとも、相手が俺だから・・・?」
彼のドアップは、本当に心臓に悪い。
至近距離で見つめられて、彼の綺麗な顔立ちに息を飲む。
良い香りがふわりと鼻を掠めて、昨夜の熱が身体に戻ってきた。
後ろには洗濯機があり、逃げられない。
彼は私を間に挟むようにして、洗濯機に両手をついた。
「そ・・・それは・・・」
ガチャン!!と何かが落ちる音がして、私と御影は音の出処を同時に見る。
そこには真っ赤な顔をした浅葱が、立ち尽くしていた。
床にはスマホが落ちている。
「お・・お前ら朝から何して・・・っ」
彼は完全に動揺しきっている。
「浅葱、はい。スマホ。すごい音が鳴ったけど、画面割れてないみたいだな。」
恐ろしいほどの御影のスルースキル。
「時間だから、俺もう家出るな。じゃあ、行ってきます。」
腕時計を確認して、彼は何事もなかったかのように洗面所を出て行った。
真っ赤な顔の浅葱と目が合って数十秒見つめ合う。
「こ・・・公共の場で、こういうの・・・やめろよな・・・。」
ウブ過ぎる男子高校生の反応に、私も何故かめちゃくちゃ恥ずかしくなる。
私たち2人は、赤面したまま並んで歯を磨いた。
御影のことを傷つけてしまったかもという罪悪感と、久々に与えられた快感の余韻。
歯を磨こうと洗面所へ行くと、彼が鏡の前でネクタイを締めていた。
「おはよう。」
「おはようございます・・・・。」
彼の様子はいつもとまるで変わらない。
ホッとしたような、何か物足りないような、複雑な気持ちになる。
御影のスーツ姿は、エロイ。
昨夜の出来事のせいで色眼鏡で見ているせいではなく、元からずっとそう感じていた。
Yシャツの下、彼の身体を想像する。
細身だけれどしっかりとした男の骨格。広い肩幅。
あっという間に私を昇天させた、長く綺麗な指。
「何見てるの?」
「え?!」
さすがに露骨に見つめ過ぎたらしい。
「俺の身体に、興味あるんだ?」
彼は完全にいつもの調子だ。
傷つけてしまったのではないかと悶々としていた時間を返してほしい。
歯を磨く手を止めて、逡巡する。
「興味がない・・・って言ったら嘘になる・・・。」
「へぇ。それは光栄だな。」
彼がこちらへ、グイと体を寄せてきた。
「それは、男と別れて欲求不満だから・・・?」
私を試すような、彼の視線。
(これは本気なの・・?それともいつもみたいに揶揄っているだけ・・・?)
昨夜のことも結局、揶揄われただけなのだろうか
御影の真意がまるでわからない。
「それとも、相手が俺だから・・・?」
彼のドアップは、本当に心臓に悪い。
至近距離で見つめられて、彼の綺麗な顔立ちに息を飲む。
良い香りがふわりと鼻を掠めて、昨夜の熱が身体に戻ってきた。
後ろには洗濯機があり、逃げられない。
彼は私を間に挟むようにして、洗濯機に両手をついた。
「そ・・・それは・・・」
ガチャン!!と何かが落ちる音がして、私と御影は音の出処を同時に見る。
そこには真っ赤な顔をした浅葱が、立ち尽くしていた。
床にはスマホが落ちている。
「お・・お前ら朝から何して・・・っ」
彼は完全に動揺しきっている。
「浅葱、はい。スマホ。すごい音が鳴ったけど、画面割れてないみたいだな。」
恐ろしいほどの御影のスルースキル。
「時間だから、俺もう家出るな。じゃあ、行ってきます。」
腕時計を確認して、彼は何事もなかったかのように洗面所を出て行った。
真っ赤な顔の浅葱と目が合って数十秒見つめ合う。
「こ・・・公共の場で、こういうの・・・やめろよな・・・。」
ウブ過ぎる男子高校生の反応に、私も何故かめちゃくちゃ恥ずかしくなる。
私たち2人は、赤面したまま並んで歯を磨いた。
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