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『2番目に好きな人』(SIDE 龍司)
「龍ちゃん・・・・僕、龍ちゃんのこと・・・ずっと好きだったんだ。」
「渚・・」
幼馴染の渚は、性格が良くてとても可愛い。
彼に愛を告白されて喜ばない人間はいないだろう。ずっと、そう思っていた。
「気付いてたよね?・・・僕の気持ち。」
華奢な肩を震わせて不安そうに俺を見上げた彼を、純粋に可愛いと思った。
守ってやりたいと思うし、彼の気持ちには応えたい。
そう思うけれど、俺には心に決めた相手がいる。
「渚、俺は・・・」
「言わないで。わかってるから・・・。ずっと前から知ってる。龍ちゃんの好きな人は・・・陸ちゃんだって。」
彼の言葉に、絶句した。
陸斗への想いは誰にも気づかれないようにと、ずっとひた隠しにしてきたのだ。
俺は、弟の陸斗を愛している。
絶対に実るはずのない、片思い。何度も諦めようとした。
こんな気持ちは間違っていると、自分に言い聞かせてきた。
それでも断ち切ることが出来ずにいるこの想いに、渚は気づいていたのか。
「僕は・・いつだって龍ちゃんの1番になりたかった。でも・・・なれないんだよね?」
「悪い・・・渚、俺は、」
「龍ちゃん・・・わかってるから・・・」
同じ男とは思えない細くて綺麗な指が、俺の唇を塞ぐ。
「2番目でいいから・・・龍ちゃんの恋人になりたい・・・」
「渚・・・そんなこと言うな。もっと自分を大切にしてくれよ。」
「僕、龍ちゃんが良いんだもん・・・ッ・・・龍ちゃんじゃなきゃ・・・ダメだから・・・」
渚はいつも穏やかで大人で、自分より他人を優先させるような人間だ。
そんな彼が頑なに自分の思いを告げるのを、俺は初めて見た。
「・・・・渚、」
「僕を恋人にしてよ。付き合ってみてやっぱり無理って思ったら・・・諦めるから・・・」
縋るように俺を見る渚の瞳から、涙が溢れる。
渚を傷つけるようなことはしたくない。小さな頃から一緒に過ごしてきた彼は、家族同然の大切な存在だった。
「龍ちゃんだって本当は・・・わかってるんでしょ?陸ちゃんとは・・・兄弟・・・なんだよ?」
俺はいつだって陸斗への思いを断ち切るきっかけを探していた。
俺と陸斗は、兄弟だから。
許されない想いであることは最初から明白だったのだ。
「僕のこと好きになれなかったら・・・その時は言って・・?ちゃんと・・・ちゃんと諦めるから・・・っ」
彼の綺麗な瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。
こんなのは優しさじゃないとわかっているのに、俺は渚の一途な想いを跳ね除けることはできなかった。
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