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休暇
しおりを挟む思いがけず任務が完了してしまった俺たちは、次の仕事まで束の間の休暇を楽しむことにした。
「たまには温泉っていうのもいいもんだな。」
先日までの緊迫感から解放され、俺は緩み切っていた。
古びた温泉旅館で婚前旅行・・・・と東城が古風なことを言い出したものだから、仕方ないと重い腰を上げてついてきてやったのだ。
(別に婚前旅行・・・なんてつもりは全然ないんだけどな・・・!俺は・・・!)
「ルイ君が気に入ってくれたみたいで良かったよ。」
(こいつ・・・っ・・・相変わらず眩しい・・・浴衣姿ヤバイ・・・!どこに居ても目立つんだよな、本当に・・・!)
東城の浴衣姿は、色気がだだ漏れでヤバイ。
こんな色香を放っている男が目の前にいたら、俺じゃなくてもクラクラするだろう。
脱衣所で浴衣を脱ぐ彼を見ていたら、ルイは思わず鼻血が吹き出そうになった。
(こいつの色気は一体どこからくるんだ・・?こんなに目立つのによくスパイなんてやっていられるよな・・・)
どこからどう見ても目立つ長身の色男だというのに、彼は気配を消すのがものすごくうまい。
一度見たら絶対に忘れないようなイケメンなのに、今までどうやって危険な任務をくぐり抜けてきたのだろう。
「部屋に内湯があるのだから、わざわざ行かなくても・・・」と渋った彼を納得させて、大浴場へやってきた俺たち二人。
人払いでもしたかのように、人っ子一人いない。湯けむりの中に二人きりだ。
(こいつ何かしたんじゃないだろうな・・・平日とはいえ人が少なすぎないか・・?この旅館・・)
「ルイ君、君の身体を他の男に見られるかと思うと、俺は気が気じゃないんだよ。」
奴がそんなことを言っていたから、何かしたのかもしれない。
まぁいいや、とルイは休暇を楽しむことにした。
(休暇なんてほとんど取ったこと無いし、誰かと旅行なんて初めてじゃないか・・??)
俺の隣、露天風呂に浸かる東城をチラリと横目で見る。
(見惚れてるわけじゃ・・・ないからな・・・)
誰に対してなのかわからない言い訳をしながら見ていると、すぐに彼と目が合った。
「さっきからチラチラと俺を見てどうしたんだ?もっと堂々と見つめてくれて構わないよ。」
ニコッとしながら俺の腰に手を回す彼に、ドキッとする。
思い切り後退りして距離を取った。
(こ・・こんな公共の場で・・・勃ったりしたら洒落にならん・・・!!)
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