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『これから子作りしませんか?』
「喜べないってどうして・・・」
蘭のことを第一に考え、いつだって寄り添ってきた奏の口から出た意外な言葉。
うまく状況が飲み込めず、戸惑う。
「俺・・一番大切に想ってきた蘭にまで嫉妬するくらい・・あんたに狂っちゃってんだよ、」
苦しそうに浅い呼吸を繰り返しながら告白する彼に、胸が締め付けられる。
「前にも言ったよね?相手が蘭でも、俺は繭のこと譲れない・・独り占めしたい・・それくらい繭に夢中になってるって。」
「奏さん・・」
「蘭があんなに喜んでるのに・・・俺は・・」
「・・・わかる。」
「・・・え?」
今度は彼の方が状況を飲み込めないというように、困惑した表情を浮かべた。
「私も経験あるから、わかるわ~、その感情!」
思わず昔の自分に戻ってしみじみと深いため息を吐き出すと、奏は目を丸くした。
「大好きな友達が結婚したり、妊娠したり・・・絶対に喜ぶべきだし、彼女のこと大好きだから嬉しいはずなのに、心の底から素直におめでとう!!って言えない自分が情けなくて悲しくて・・・ってこと、何回もあったなぁって。」
「・・俺のこと、軽蔑しないの・・・?」
捨てられた子犬みたいに、大きな瞳に不安を浮かべながら絞り出す。
彼の声は、小さく震えていた。
「するわけないです。まさに私もその感情、リアルに知ってるんですもん。」
「俺・・繭に嫌われるかもって・・」
ぎゅっと力一杯抱きしめると、不安で硬くなっていた身体の力がゆっくりと抜けていく。
「何があったとしても、私は奏さんを嫌ったりしません。」
「繭・・・」
至近距離で見つめ合うと、未だにドキドキする。
国宝級のイケメンを、嫌いになんてなれるはずもない。
「話してくれて嬉しかったです、奏さん大好き。」
私はあの当時、誰にも打ち明けることが出来なかった。
情けない気持ちと苦しさに、身動きできなくなるようなあの時の感情。
自分だけが取り残されて、置いていかれるような焦燥感。
打ち明けてくれた夫を、誇りに思う。
「これから子作りしませんか?」
「え・・?」
「奏さんをいっぱい興奮させて、孕ませたいって思ってるんだけど・・どうですか?」
実は攻められるのが好きな彼に、自分から迫ってみる。
言葉責めはまだ初心者だけれど、夫の期待にはいつだって応えたい。
「繭・・っ・・・」
一気に赤く染まっていく彼の顔を見て、ほんの少しの優越感に浸りながら、もう一歩。
「奏が妊娠するまで、今夜は絶対寝かせないからね?」
耳まで真っ赤に染めた彼が、こくりと可愛く頷いた。
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