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『同じ苗字になった日』
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「お前が繭を好きになる気持ちはわかる。繭は最高の妻だし、最高の女性だ。好きにならないはずがない。」
煌大の言葉に、感動と気恥ずかしさが同時に襲ってきた。
「全く同感だ。初めてお前と意見が合ったな。」
凌は苦笑しながら、煌大と拳を合わせる。
(イケメン同士の和解・・・♡なんて尊いの・・・・♡二人とも私の旦那様だなんて・・・あぁ幸せ・・・・♡)
「俺は新しい夫なんて、絶対反対だった。繭は俺だけのものにする予定だから、いずれアンタも排除する。」
歯科医の夫、真琴は敵意むき出しでそう宣言する。
「真琴、みんなで話しあって決めたことだろ。あ、凌さん気にしなくていいから、こいつ俺らにもいつもこんな態度だし。」
幸せな雰囲気をぶち壊す問題児の一言に、桜雅がすかさずフォローを入れた。
「うちはみんな仲が良いですけど、繭を独占したいって気持ちは少なからずあるので・・・仕方ないですよね。」
雫が苦笑しながら、夫の心情を代弁してくれる。
「俺も先月引っ越してきたばかりなんです。仲良くしてください。」
19歳の夫、カメラマンの陸都は、相変わらずの人懐っこさで歩み寄った。
「家族に迎えてもらえて、嬉しいよ。これからよろしくな。」
今日我が家に届いたばかりの書類に「折原 凌」と書いてあるのを目にしてくすぐったい気持ちになる。
志方さん、と呼んでいた彼が、私と同じ苗字になった。
♢♢♢
「志方さん、」
片付けを手伝おうと彼の部屋を訪ねて、思わずいつものように苗字で呼んでしまう。
「繭、俺は今日から志方じゃなくて、折原だぜ?」
ふっと優しく微笑んだ彼の瞳には、今はもう寂しい色は浮かんでいなかった。
「えっと・・・じゃあ、凌・・さん・・・?」
「凌でいい。」
彼が私の手を取って、耳元で甘く囁く。
「ひゃ・・・っ・・・わ、びっくりした・・ぁ・・・」
驚いて変な声を発してしまった。
「繭、可愛い。」
至近距離でじっと見つめる彼の瞳があまりに熱くて、身体が疼く。
触れることが許されなかった、あのアトリエでの興奮が一気に身体に蘇ってきた。
「凌・・・っ・・・私・・、」
「そんな可愛い態度取られたら・・・すぐに食っちまいたくなる。」
私の額に唇を寄せた彼の胸に、思い切り抱きついた。
「ずっと・・・凌に・・・こうやって抱きしめてもらいたかった・・・」
優しく私の背中に手をまわす彼の体温、香り、逞しい身体の感触。
彼が私の夫になった実感を、全身で感じたい。
お互いの体温を味わい離れがたくなった私たちは、しばらくそのまま抱き合っていた。
煌大の言葉に、感動と気恥ずかしさが同時に襲ってきた。
「全く同感だ。初めてお前と意見が合ったな。」
凌は苦笑しながら、煌大と拳を合わせる。
(イケメン同士の和解・・・♡なんて尊いの・・・・♡二人とも私の旦那様だなんて・・・あぁ幸せ・・・・♡)
「俺は新しい夫なんて、絶対反対だった。繭は俺だけのものにする予定だから、いずれアンタも排除する。」
歯科医の夫、真琴は敵意むき出しでそう宣言する。
「真琴、みんなで話しあって決めたことだろ。あ、凌さん気にしなくていいから、こいつ俺らにもいつもこんな態度だし。」
幸せな雰囲気をぶち壊す問題児の一言に、桜雅がすかさずフォローを入れた。
「うちはみんな仲が良いですけど、繭を独占したいって気持ちは少なからずあるので・・・仕方ないですよね。」
雫が苦笑しながら、夫の心情を代弁してくれる。
「俺も先月引っ越してきたばかりなんです。仲良くしてください。」
19歳の夫、カメラマンの陸都は、相変わらずの人懐っこさで歩み寄った。
「家族に迎えてもらえて、嬉しいよ。これからよろしくな。」
今日我が家に届いたばかりの書類に「折原 凌」と書いてあるのを目にしてくすぐったい気持ちになる。
志方さん、と呼んでいた彼が、私と同じ苗字になった。
♢♢♢
「志方さん、」
片付けを手伝おうと彼の部屋を訪ねて、思わずいつものように苗字で呼んでしまう。
「繭、俺は今日から志方じゃなくて、折原だぜ?」
ふっと優しく微笑んだ彼の瞳には、今はもう寂しい色は浮かんでいなかった。
「えっと・・・じゃあ、凌・・さん・・・?」
「凌でいい。」
彼が私の手を取って、耳元で甘く囁く。
「ひゃ・・・っ・・・わ、びっくりした・・ぁ・・・」
驚いて変な声を発してしまった。
「繭、可愛い。」
至近距離でじっと見つめる彼の瞳があまりに熱くて、身体が疼く。
触れることが許されなかった、あのアトリエでの興奮が一気に身体に蘇ってきた。
「凌・・・っ・・・私・・、」
「そんな可愛い態度取られたら・・・すぐに食っちまいたくなる。」
私の額に唇を寄せた彼の胸に、思い切り抱きついた。
「ずっと・・・凌に・・・こうやって抱きしめてもらいたかった・・・」
優しく私の背中に手をまわす彼の体温、香り、逞しい身体の感触。
彼が私の夫になった実感を、全身で感じたい。
お互いの体温を味わい離れがたくなった私たちは、しばらくそのまま抱き合っていた。
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