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自由恋愛
しおりを挟む「あのさぁ、俺、自由恋愛スタイルに変えた方がいいと思うんですけど。」
きっかけは、浜名 悠人の一言だった。
「俺もそう思う。恋愛相手なんて、Sが自分で判断して、決めることなんじゃないのかな。」
彼の意見に、多くのエージェントたちが首を縦に振る。
一日しか居なかったのに、この世界に変革をもたらしていくなんて、さすがサシャ。
元はと言えば、彼がこの世界に来てから全てが変わってしまった。
彼は人の心を変える天才だ。
私の初恋の相手である佐原 和行が、何故かここに現れて親友の水原と揉めたり、今までのルールに不満を持つ者が声を上げ始めたり。
この世界は、新しく動き出した。
「多数決の結果が出た。これからは、自由恋愛スタイルってことで。今まで通りここの秩序を守るっていうのが最優先で、武器による阻害行為は一切禁止。以上。」
ゾンビ映画などでよくあるように、世界が非常事態に陥ると、暴力でなんでも使って欲しいものを手に入れようとする輩が出てくる。
ここのエージェントたちは皆優秀なので、そんなことになればあっという間に相討ちで全滅なんてこともあり得るから怖い。
「カズ・・ッ・・」
その日私は、佐原 和行の身体に夢中だった。
何を考えているかわからなくて、気まぐれで、掴みどころのない男だけれど、やっぱり彼は私の特別な人なのだと実感する。
一晩中、ベッドの上で彼と愛し合う。
「もう・・イッちゃう・・・カズ・・・ッ・・・あッ」
「ええよ・・・俺ももう・・・っ・・・S・・・一番奥に・・・っ」
何度も私の中で絶頂に達する、初恋の男。
(自由恋愛最高・・・っ!!!)
私は毎日、自分の好きなように、好きな男とイチャイチャ出来る権利を手に入れた。
明日も彼と寝たければ寝られるし、明日は違う男性が良ければその相手を選ぶこともできる。
(っていうか、これもう逆ハーレム完成してない・・・!?)
以前は一人の男さえも捕まえることが出来ずに、苦労していたというのに。
一人の男に絞る、という選択肢は今の私には全くなかった。
この組織には、まだまだ男性がたくさんいる。
初恋の男の腕に抱かれながら、違う男性に抱かれる姿を想像する。
(なんて淫らな・・・イイ世界なの・・・・・♡)
私の人生は、今まさに絶頂期を迎えようとしていた。
応援ありがとうございます!
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