悪の組織のイケメンたちに捕まったのですが、全員から愛されてしまったようです。

aika

文字の大きさ
16 / 63

ピンチを救ってくれる男

しおりを挟む


「随分お楽しみの様子だな、そう。お前のそんな楽しそうな顔、久々に見たよ。」

壁にもたれかかり、腕を組む。
そんな何気ない一場面でさえ絵になる、千畝ちうねのスタイルの良さ。
手足が長く、身のこなしも洗練されている。

思わずポーッと見惚れてしまった。
全てがドラマのワンシーンのように見えてくる、イケメンのツーショット。

負けず劣らずルックスの良い宗が、彼に向き直って口を開いた。


「女を落とすにはまず身体から。そんな初歩的な事もわからない千畝じゃないよね。」

私を診察台の上に放置したまま、二人のイケメンはお互い腹の探り合い。
見つめ合ったまま、動かない。



「こんな女落として一体どうしようって言うんだ?まさか、本気で惚れたのか?」

「千畝、君がそんな冗談言うなんて驚いたよ。俺がこの女のどこに魅力を感じるっていうの?」

宗は、ハッとあざけるように言葉を吐き出して、私と千畝に交互に視線を送る。


「まぁそうだよな。じゃあこだわってないで、俺と当番を変わればいい。」


(え・・・何、結局私のことディスってんの?こいつらぁ・・・・)


イケメン二人にボロクソに言われながら、ひとまず宗の身体検査から逃れられそうなことに安堵する。



「は?当番を変わるって何?のぞして興奮でもしたの?千畝に覗きの趣味があったなんてね。」

「そうじゃない。大我たいがが体調不良で、今夜はお前にそばにいて欲しいそうだ。」

「大我君が・・・・・?」

宗の顔色が変わる。何を差し置いても彼の最優先事項は、大我らしい。



「今夜は特別交代してやるよ。俺の気が変わらないうちにさっさと行け。」

腕を組んだまま、心底面倒臭いという態度で、千畝は扉の外に視線を送る。


「・・・ハァ。大我君は、本当にお前のことが好きみたいだね。」

宗は私を見ながら、盛大なため息を吐き出した。


「俺が欲しくてたまらないだろうけど、奥まで挿れるのはまた次回にするよ。」

その言葉を聞いて、先ほど興奮して道を踏み外しそうになったことを思い出した。
宗のテクニックは危険なので、なるべく近付かないように気をつけようと、心に誓う。


彼が部屋の外へ出て行くと、扉が閉まるなり千畝がベッドの下からパジャマを取り出した。

(宗の奴・・私の着替え、こんなとこに隠してたのね・・・・)


「早く、着替えろ。」

千畝はそっけなくそう言うと、部屋のソファーに腰掛けてPCを開いた。

(まだ仕事があるのに、助けに来てくれたんだ・・・。)


大我にかけようとしたSOSの電話は、千畝に繋がってしまった。
無視することだって出来たはずなのに、彼はこうしてわざわざ助けに来てくれている。

他の誰でもなく、彼に繋がったことには意味があるのかもしれない。
一瞬だけ頭に浮かんだ根拠のないそんな考えを、私は慌てて打ち消した。



♢♢♢


「大我君の体調は、大丈夫なのかな?」

「あんなの嘘に決まってるだろ。」

やっぱりただの嘘だったんだ、と安心する。
この場から、宗を引かせるための嘘。


千畝の推理力はすごい。
大我が、私を助けるためにスマホを渡したことを見抜いて、代わりに助けに来てくれた。


「千畝さん、助けに来てくれて、ありがとう。」

部屋を暗くして、布団に潜り込む。
サイドテーブルにメガネを置いた千畝に声をかけると、彼は少しもこちらを見ずに目を閉じた。


「別に。お前のためじゃない。」


千畝はそっけないし、口が悪いけれど、根は優しいのかもしれない。
私のピンチを救ってくれた。

女は、自分のピンチを救ってくれる男に弱い。
理由はどうあれ、今夜の彼の優しさに感謝しながら眠りについた。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。

aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。 ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・ 4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。 それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、 生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり どんどんヤンデレ男になっていき・・・・ ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡ 何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...