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『嘘がつけない女』
しおりを挟む「なぁ、海音さんって、弓ちゃんのこと好きだよな?」
私の部屋の電球を付け替えながら、航雅は突然そんなことを口にした。
「え・・・?な、な、何?急に・・・」
「うわ、わかりやすっ!弓ちゃんって絶対嘘つけないタイプな。」
「そんなこと・・・ないです・・・」
こんなわかりやすい反応しかできない自分が情けない。
海音という名前を聞くだけで、私はあの夜のことを思い出してドキドキしてしまうのだ。
「何?もう告られた?」
「い・・・いやぁ・・それは・・・どうでしょう・・・」
「・・わかりやす過ぎ。」
プッと吹き出して笑った航雅の顔が、あまりに男前で見惚れてしまった。
「弓ちゃんは嘘つけないし、わかりやすいから、すげぇタイプ。」
あっという間に電球を取り替えてくれた長身の彼が、全開の笑顔を向けて私の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
幸せすぎてドキドキしすぎて、何も言えなくなってしまう。
「俺、海音さんのこと大好きだから、ライバルになるのはキツイけど・・・弓ちゃんだったら俺ら全員と結婚できるわけだし、遠慮はいらないよな。」
月見家は多重婚が認められている、特別な家系なのだ。
よかった~と大袈裟に脱力して見せる彼の仕草一つ一つが洗練されていて、まるで映画のワンシーンに入り込んだような気分になる。
(昔読んだ少女漫画の世界みたい・・・ときめきしかない・・・・・♡)
「弓ちゃんはさ・・俺のこと、どう思ってる?」
「え・・・?」
「俺は弓ちゃんのこと、良いなって本気で思ってるんだけど?」
「え・・・?あ・・・あの・・・・」
じっと見つめる彼の瞳は兄弟たちの前では見せない甘い色を含んでいて、私は思考も動きも全停止してしまう。
(航雅君・・・かっこいい・・・・♡肌綺麗・・良い香りがする・・唇・・・柔らかそう・・・♡)
変態のような感想しか出てこない自分に、内心ツッコミを入れる。
そうこうしているうちに、いつの間にか彼は至近距離まで近づいていた。
「触っても良いか・・・?」
(え・・急に触るとか・・・ど、ど、どどうしよう・・・・・?!)
イケメンという生き物に免疫のない私は、彼の言葉に慌てふためくしか選択肢がない。
「そんな怖がるなよ。取って食ったりしねぇし?」
私の髪をかき上げる、彼の骨ばった指。
眩しそうに目を細めて見つめる彼の表情に、私への愛情が滲んで見えた。
(や・・・やばい・・・・これ以上近付かれたら・・・鼻血出ちゃうかも・・・ぉ・・・)
私の意思を確認するように、首を傾げて瞳をのぞく。
彼の指が、私の頬を優しく捉えた。
「弓、この前言ってた香水の話だけど・・・・な・・・っ・・・!兄さん・・・!こここここんなとこで、何してんだよ・・・!」
航雅にキスされるのかと覚悟して目を閉じた瞬間、動揺しまくった海斗の声が大きく響く。
「げ、海斗・・お前・・・ちょ・・一旦落ち着け。」
航雅が慌てて海斗を宥めようとするも、彼の暴走は止まらない。
「兄さん・・・っ・・知り合って間もないのに、弓にエロイことするなんて・・・一体何考えてるんだ・・・?!」
「エ・・エロイことって、お前なぁ、全然そんなんじゃねぇし。」
(この人こんなにウブで、どうやって恋愛ドラマの撮影してるんだろう・・・)
若手人気NO1俳優、道方 隆聖は、よく恋愛ドラマの主役を務めている。
綺麗な女優さんたちとキスシーンやベッドシーンをこなす彼が実は超ド級の純粋ウブ男だという事実を、私はいまだに受け入れられずにいた。
「汚らわしい手で・・・俺に触るな!!」
落ち着かせようと近づく航雅を、海斗は両手を前に突き出して拒絶し軽蔑した顔で大きく後ずさる。
(この二人が並ぶと迫力あるなぁ・・・映画の撮影みたい。何しても絵になるなぁ・・・♡私を取り合うイケメン兄弟・・なーんて・・・♡)
タイプの違う二人のイケメンを交互に見ながら、私は暢気にも身勝手な妄想に浸っていた。
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