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エースとキャプテン③ ※R-18 完
しおりを挟む合宿が始まると先輩と二人きりになれる時間が全然なくて、俺の不安は募るばかりだった。
もしかして杉本先輩は俺が好きなんじゃなくて、エッチのために俺と付き合っているんじゃないかってそんなことさえ思ったりした。
先輩は同じ学年のバスケ部員と仲が良いから、後輩の俺はなかなか堂々と接触できる隙がない。
俺は先輩の彼氏なのに、って不満と不安はどんどん膨らんでいった。
「中野、後で買い出し手伝ってもらえるか?」
3日目にしてようやく先輩から俺に声がかかる。
今までは毎日のようにエッチしていたから、もう長いこと先輩に触ってない気がしてすごく寂しかった。
誘ってもらえたことが嬉しくてたまらない。
荷物持ちでも、炊事当番でも先輩が喜ぶならなんでもしたい気分だ。
一緒に近くのスーパーに買い出しに行って学校に戻る途中、先輩が言い出しにくそうに小さな声で呟く。
「え?なんすか?」
「今夜・・・部室の裏で・・・」
会いたい、そう言ったんだとすぐわかった。先輩の顔が真っ赤に染まっていて、物欲しそうな目で俺を見ていたから。
これで喜んですぐに返事をしちゃうから、俺はいつまで経っても先輩に振り回されてばかりなんだよなぁと自覚はあったけど、そんなことより先輩が俺と二人きりになりたいって思ってくれたことが嬉しくて俺は有頂天になっていた。
部室に忍び込むと、いつもみたいにロッカーの前で抱き合ってキスをした。
先輩が俺のTシャツに顔を埋めて汗の匂いを嗅ぐ。興奮したのか、抱きあっている手を俺のお尻に回して鷲掴みにする。
股間を俺の股間に押し当てて、我慢できないと言う顔で俺を見た。
「先輩・・・俺のこと、好き?」
「な・・・なんでそんなこと・・・」
「どうでもいいって思ってる?」
「なんで・・そんなこと言うんだ・・?」
先輩の目が興奮でいつもみたいに潤んでいる。
この顔の時の先輩はエッチ以外のことは考えられなくなっている。
「先輩が・・・俺の身体にしか興味ないんじゃないかって・・・不安になって・・・」
子どもじみているのかもしれない。
先輩のことが好きすぎて失いたくないから、そのためにどうしたらいいのかいつも考えている。
俺より一年先にこの学校から居なくなって大人に近づいてしまう彼をどうやって引き止めたらいいのか。どうしたらこの先も俺のことだけを見続けてもらえるのか。
「・・・裕斗が・・・好きだよ。そうじゃなきゃ・・・こんなところに挿れさせるわけ・・ないだろ・・。」
先輩はキャプテンの時の顔と、俺と二人でいる時しか見せない顔の両方を俺に見せながらそう言った。
確かにそうだ。誰よりも男らしくて硬派な先輩が、俺に身体を許してくれている。
「不安にさせたなら悪かった。俺はお前が好きだから、お前が欲しくて・・・我慢できなくなる・・・」
「先輩・・・っ、ごめん、俺・・・先輩が、エッチの時顔見せてくれないから、俺の顔見たくないのかなって思って不安になってた・・・」
「そうじゃない・・・お前に見られるのが・・恥ずかしくて・・」
俺は勝手に思い込んで不安になって馬鹿みたいだ。
先輩の真っ赤な顔を見て、俺は一気に欲情してしまった。3日間も彼を抱いていない。
「先輩・・・そんな可愛いこと言われたら俺・・・手加減できないっすよ。」
「・・・しなくていい・・・。」
俺たちは3日分の穴埋めをするように、夢中で何度も抱き合った。
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