『イケメンアシスタント2人に溺愛されて困ってます!』

aika

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まさかの取材バッティング


取材日が、まさかの“風音かざねさんと央雅おうが君でバッティング”という最悪の事態。
どうしよう……と悩んでいるうちに、当日が来てしまった。


「どした? 具合悪ぃ?」

央雅君が、運転しながらちらりと横目で見てくる。

「ううん、大丈夫」

「先生、酔った?」

「違うよ……」

(気乗りしないだけ……風音さんと同じ日に同じ旅館で取材なんて言えない……)

それなのに、央雅君は何も聞かずに気遣ってくれる。

「窓、少し開けるか?」

「……ありがとう」

優しい声。
片手でハンドルを軽く回す仕草。
横顔のライン。
腕の筋。
低い声。

(……え、ちょっと待って。運転してる央雅君、普段より何倍もカッコよくない……?)

いつも仕事場で見せる無愛想さとは違う、
“年下なのに頼れる男”の顔。

暢気にも、胸がざわつく。


旅館に到着すると、彼はテキパキとチェックインを済ませてくれた。

「離れ、取っといたから」

「えっ、離れ?」

「温泉旅館で殺人といえば、やっぱ離れだろ」

(……仕事出来すぎじゃない?)

風音さんが予約してくれた本館の部屋とはかなり距離がある。
少し安心したけど、胸の奥がチクリと痛んだ。

(……二人に内緒にしてること、やっぱり罪悪感あるなぁ……)


「先生の部屋はこっちな。俺は奥の部屋、使わせてもらうわ。」

「そ、そっか……」

(同じ部屋じゃなくてホッとしたような……ちょっと残念なような……)



若い女中さんが部屋の説明をしてくれる。

「ご兄弟でご旅行ですか? よろしいですね。」

(あ、弟だと思われたんだ……まあ、かなり年下だし……)

ちょっとだけ胸がしゅんとする。

その瞬間。

「いや、俺らは恋人同士。」

「ぶっ……!!」

思いきりお茶を吹き出した。

「初めての旅行だからさ。早く二人きりにしてくれると嬉しいんだけど?」

にこっと笑う央雅君。
女中さんは彼の笑顔に完全に心を撃ち抜かれた様子で、目がハートのまま退室していった。


「こ、恋人……同士……?」

「そう言った方が、余計な詮索されずに済むだろ。」

「……っ」

「宿のオーナーには取材の件、ちゃんと通してあるから安心しろよ。」

(完璧……完璧すぎる……
なんでこんなに頼れるの……?
なんでこんなに自然に“恋人”って言えるの……?)

胸がドキドキして止まらなかった。
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