Ruler 。

HAMUKO

文字の大きさ
1 / 5

天使``シロ``

しおりを挟む
 11.18.水 高橋稔は学校帰り、コンビニで雑誌の立ち読みをしてから家へ向かった。
「くそ、続きよめなかったじゃねぇか。」
稔がコンビニを出たのは、雑誌が読み終わったからでも、飽きたからでも、時間が遅かったわけでもない。ただ、同じ高校の男子生徒が集団でコンビニに向かって来ているのが見えたからである。稔はスクールカースト最下位の残念な男であった。
 
((あーあ。ガッカリだ。俺の人生こんなもんか。クラスメイトの男子生徒からのイジメに逃げながら肩身の狭い思いをして、なんとか自殺は我慢して卒業して、大学入って、サークルなんか興味ねぇし、そのうち冴えないサラリーマンになって、なんだかんだ結婚はするけど、美人でも無くて、子供が生まれたら反抗期にはクソジジィ呼ばわりされて、病気だか事故だかで死んで行くんだろうよ。いや、これならマシか。結婚なんて、彼女すらできず、仕事ももらえなくて野垂れ死もありえるな。孤独死か。つれぇなぁ。))

 イジメをうけていたのは中学の2年から。高校に入れば終わると思っていた稔だったが、第一希望の公立高校に落ちてしまい、併願の私立高校で、見事に自分をイジメていた男子生徒と同じ高校に来てしまったのだった。

 夜の9時過ぎ。暗い夜道を1人。稔は歩いている。街灯は壊れかけてチカチカと点滅を繰り返す。風がそよぐと道脇の竹林がザワザワと鳴る。そして、公園を通ろうと階段を登ると、そこに``い``た。

「どうも!こんにちワンダフル☆。貴方、高橋稔さん。でしょ??」

白いワンピースを着た女の子。この季節には寒すぎる薄いワンピース。身長を見る限り小学校低学年。顔立ちは暗くてよく見えない。ただニッコリ笑っている。髪形は真ん中分け。肩に乗るくらいの長さ。黒髪。そして、ただでさえ寒いその格好に裸足。

「…ぇ、と…。さ、寒くない、?君、誰?」

稔の精一杯。絞り出した言葉。

女の子は地面を踏み締めながら稔の方へ寄る。

「私、天使のシロ☆。シロちゃんて呼んで☆。てゆかね、そんなことどうでもいいの。私は稔に力をあげに来たの!」

「は、?」

「なんでも思い通りになる力だよ☆。」

「そ、そんな、え?なに?」

「はい☆。あーげーるっ。」

そして、シロと名乗る女の子が稔の左胸を右手の人差し指で突くと稔の左胸はボンヤリ光った。

「ぅわぁぁあっ?!」

「この力はエイエンだよ!無くすことはできないよ!説明はね、めんどくさいから省くね☆。思い通りにするだけだから。まぁ、呼んでくれればまたくるから、バイバイ。」





 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...