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夕飯と小遣いと三つのルール
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『バイバイ。』
そう言うとさっきまでそこにいたはずの女の子は消えていた。
気のせい。
稔はそう思うことにした。
疲れ、ストレス。イジメられているんだ。これくらいありえるな。
と。
「ただいま。」
「おかえ…」
家に着き、何も知らずに笑顔で出迎える母に目もくれず二階の部屋へ行った。
((はぁ。下降りるのだりぃな。疲れてんだよ。どうせ大した夕飯じゃないんだ。金でも渡せよ。こっちで夕飯くらい済ませる。金さえ出してくれれば親なんてどうでもいい。))
コンコン…
ノックの音がした。
ガチャ…
「稔ちゃん、お母さんご飯ひっくり返しちゃったから、これでご飯食べて来てくれないかな、」
どこか無表情の母親の手には一万円札が一枚。
「お、おう。」
((ラッキー♪))
稔はお金を受け取り、外へ出かけた。
「早速使ったんですね!」
気がつくとさっきの女の子が隣に立っていた。
「あ、お、お前。くそ、どんだけ疲れてんだ俺…」
「ぶふっ!!!私は現実ですよ~、ね?思い通りに、なったでしょ??」
さっきよりも明るい道で女の子の顔がよく見えた。ものすごく綺麗な顔立ちだ。そしてジワジワと女の子の言葉が脳に入ってきた。
「あ、あの``力``って本当だったの?君は一体何者なの?」
「だーかーらー、私は天使!名前はシロ!!さっきも言ったでしょーが。まったく人間ってのはどうも低レベルでこまっちゃうね。」
「シロ…。な、なんで僕?」
すると``シロ``はニッタリ笑った。
「な ん と な く??」
「なっ?」
「使ってみてどうよ、面白いでしょう?」
シロは稔の周りをピョンピョンしながら言った。
「使ってみてって、あ…あんなの偶然だろう。力なんて信じねぇよ。」
「えぇーーー。」
ガッカリした顔でシロは言った。
「これはすごい力なのに!うーん、そうだなぁ…よし、さっきもらった一万円札!増やしてみてよ!」
「は?てゆかなんで知ってるんだよ!」
「シロは天使だからね!ほら、思えばいい。やってみてよ!」
「そんな増えるわけないだろ?」
稔はポケットから一万円札を出してシロの顔の前でヒラヒラした。
「どう見ても1枚しか…」
ヒラヒラ…ヒラヒラ…
気づくと一万円札は五枚になっていた。
「ぅわぁぁぁああああ!!!!???」
「ね!凄いでしょ☆あ、でもこの力には三つのルールがあってね?まず、一つ目が一週間使わないでいるとコントロールが効かなくなってくる、まぁ練習しないと下手になるのと一緒。ちょっと考えただけでその通りになっちゃったりするの。で、二つ目、この力を持ってるってバレちゃだめ!これはなんとなく☆でもバレるとめんどくさいのは稔だからね!で、次最後。これすっごく大事!自殺をしてはならない!わかる?この力を持っている時点で死んだりするのはせいぜい老衰ね。まぁ逃れたいと思えば永久に生き続けられるけど。とにかく、この力を持ってる時点で稔はこの世界の神だから。自殺なんてしたらあんたの魂は適当に燃やしとくわ。補足事項としては思い通りにできるのはこの世界のみ。オーケー??なんだかんだ説明してあげれたみたいね!じゃ、楽しんで!」
シロは長々と話し終えるとまた消えた。稔は道のど真ん中でただただ混乱していた。
そう言うとさっきまでそこにいたはずの女の子は消えていた。
気のせい。
稔はそう思うことにした。
疲れ、ストレス。イジメられているんだ。これくらいありえるな。
と。
「ただいま。」
「おかえ…」
家に着き、何も知らずに笑顔で出迎える母に目もくれず二階の部屋へ行った。
((はぁ。下降りるのだりぃな。疲れてんだよ。どうせ大した夕飯じゃないんだ。金でも渡せよ。こっちで夕飯くらい済ませる。金さえ出してくれれば親なんてどうでもいい。))
コンコン…
ノックの音がした。
ガチャ…
「稔ちゃん、お母さんご飯ひっくり返しちゃったから、これでご飯食べて来てくれないかな、」
どこか無表情の母親の手には一万円札が一枚。
「お、おう。」
((ラッキー♪))
稔はお金を受け取り、外へ出かけた。
「早速使ったんですね!」
気がつくとさっきの女の子が隣に立っていた。
「あ、お、お前。くそ、どんだけ疲れてんだ俺…」
「ぶふっ!!!私は現実ですよ~、ね?思い通りに、なったでしょ??」
さっきよりも明るい道で女の子の顔がよく見えた。ものすごく綺麗な顔立ちだ。そしてジワジワと女の子の言葉が脳に入ってきた。
「あ、あの``力``って本当だったの?君は一体何者なの?」
「だーかーらー、私は天使!名前はシロ!!さっきも言ったでしょーが。まったく人間ってのはどうも低レベルでこまっちゃうね。」
「シロ…。な、なんで僕?」
すると``シロ``はニッタリ笑った。
「な ん と な く??」
「なっ?」
「使ってみてどうよ、面白いでしょう?」
シロは稔の周りをピョンピョンしながら言った。
「使ってみてって、あ…あんなの偶然だろう。力なんて信じねぇよ。」
「えぇーーー。」
ガッカリした顔でシロは言った。
「これはすごい力なのに!うーん、そうだなぁ…よし、さっきもらった一万円札!増やしてみてよ!」
「は?てゆかなんで知ってるんだよ!」
「シロは天使だからね!ほら、思えばいい。やってみてよ!」
「そんな増えるわけないだろ?」
稔はポケットから一万円札を出してシロの顔の前でヒラヒラした。
「どう見ても1枚しか…」
ヒラヒラ…ヒラヒラ…
気づくと一万円札は五枚になっていた。
「ぅわぁぁぁああああ!!!!???」
「ね!凄いでしょ☆あ、でもこの力には三つのルールがあってね?まず、一つ目が一週間使わないでいるとコントロールが効かなくなってくる、まぁ練習しないと下手になるのと一緒。ちょっと考えただけでその通りになっちゃったりするの。で、二つ目、この力を持ってるってバレちゃだめ!これはなんとなく☆でもバレるとめんどくさいのは稔だからね!で、次最後。これすっごく大事!自殺をしてはならない!わかる?この力を持っている時点で死んだりするのはせいぜい老衰ね。まぁ逃れたいと思えば永久に生き続けられるけど。とにかく、この力を持ってる時点で稔はこの世界の神だから。自殺なんてしたらあんたの魂は適当に燃やしとくわ。補足事項としては思い通りにできるのはこの世界のみ。オーケー??なんだかんだ説明してあげれたみたいね!じゃ、楽しんで!」
シロは長々と話し終えるとまた消えた。稔は道のど真ん中でただただ混乱していた。
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